🐕R5入学者選抜状況報告書を読む_社会
先日道教委が公開した、今春受験の報告書を読んでみるコーナー。今回は社会です🏫
⛅社会の平均点も下がっています
理科ほどではないですが、国語や社会の平均点も前年から大幅に下がっています。
理科同様、低得点者の生徒が多いです。
理科は30点以下の割合が全体の46%、社会も30点以下が全体の37%。
分野別だとこんな感じ。
歴史の前半分野と、公民が比較的重かったようです。
よく言われるのは、地理は中1で学習することが多いため比較的平均点は高く、歴史前半も地歴並行で進む場合は中1で学習するため高得点になりやすいのですが、今春はそうもいかなかったようです。
また公民は中3で受験直前に勉強するから比較的知識が残っている生徒が多いはずなのですが、ここも今年は苦しんだ生徒が多い模様。
ちなみに1年前(現高2世代)はこんな感じ。
歴史はつながりを意識できていない生徒はもともと弱いです。
高校入ったら2年時に「地理」か「日本史」を選択することになるのですが、江戸後半、明治以降の歴史の流れを学ぶのが好きで、つながりを意識した勉強ができるのであれば日本史を受講してもいいかなあって感じです。
高校の歴史は世界史も日本史も量が半端ないので(地理的要素もあるし)、高校受験を単問暗記だけで乗り切ったと思う受験生は気を付けたほうが良いと思います(特に現高1生へ)
🐵公民分野は大問1から重いのが2つ
大問1だとこの問題が厳しかったようです。正答率18.8%。
高等、地方、簡易は書けたところで、「控訴」に当てはまるものすべてがダメだったのでしょう。おそらく「BCF」とか「BCDF」と書いた人が多いのかと。
最高裁判所に上げることが上告ではなく、三審制だから1回目は控訴、2回目が上告だと覚えていればできそうですが、やっぱCの処理で躓いたのかと。
ちなみに三審制って言ってますが、大半の裁判は「上告棄却」って言って、2回で終了するのだとか🤔
僕自身は全く経験がないけど、塾開業してからは周りで係争中の方が結構いることに気づき😅出来ることなら傍聴でニヤニヤする立場で過ごしたいものです。でも裁判の仕組みは知っておいたほうが良いですよ。
同じく大問1で正答率が低かった、問6(2)の記述問題。正答率9.8%。むしろ(1)のデフレ対策の完全解答が48.5%なのが頑張っているほうか…😋
「マイクロクレジット」知らない大人のほうが多いと思います。無担保と低金利の意味が分かって、発展途上国の支援っていうところにつなげられれば書けたかもしれませんが。
発展途上国だけでなく、先進国でも銀行の審査が降りなさそうで起業したい人(主婦とか)にも使われている制度のようです。でも日本なら政策金融公庫から創業資金はおそらく借りられると思いますが。
公民分野は大問4の最後で、所得の再分配や国債発行などについて記述問題があり、その正答率が低かった感じですが、それ以外はまあまあ知識かなって感じがします。
大問4の問1ではこういう空気を読む系の問題が出てきていますが。
唐突に「檻の中のライオン」ですよ。安保法案の時にテレビでちょくちょくやっていたのを思い出しました。
👦歴史カードを作るセンスがすごい
大問1の記述ではここが正答率20%。ただ「仏教や儒教の教え」が模範解答で、中間点1点アリってことは、仏教か儒教のどちらかが欠落した生徒が多かったのかもしれません。
大問2は恒例のテーマ問題。
毎年ある中学生がカードを作成してくれます。すげえなこいつ。
もっと言うと、調べてカードにしたのに、下線をたくさん引っ張られるくらい補足説明がザル🐄。もっと説明詳しく・・・って思ったけど、自分が先生になってここを直そう!っていう意味で出題しているのか、そうかー。
この辺は知識が整理できていないと甘いかも。菅原道真が書けなかったのか、日宋貿易と日明貿易を逆に書いてしまったのか。正答率20.3%
問3。「北夷分界余話」は間宮林蔵の樺太探検の話です。
蝦夷の北だから樺太と書けたかどうか、間宮林蔵が書けなったのか、正答率7.3%は、記述以外ではもっとも低い結果となりました。
樺太にもアイヌ民族はいましたし、アイヌ問題は北海道入試では必ず出題されると思っておいたほうが良いです。受験勉強では少し厚めに知識の習得をすべし。
ポチ夫いるじゃん。
これめっちゃポチ夫じゃん。黒赤白勢ぞろい。
国立公文書館キレイで面白い。夏休みの自由研究に是非。
🎣義務教育段階の傾向や課題
義務教育段階における学力調査等から、北海道の中学生には、文章と図表を結び付けて必要な情
報を見付けることや、文章に表れている見方や考え方を捉えることに課題がみられる。
「文章と図表から情報を読み取る」去年と同じ課題です。まあこれは北海道に限らず全国すべての小中学生で課題でしょう。だってそれを全生徒に鍛える授業が学校で出来ているのかどうかって話でしょ。
こうなると、「資料から読めることを書いてみよう。レポートで提出して!」っていう指導になりそうでアヤシイ。読めない子が読める指導にならんと。
資料の読み方とか、グラフ意味とかを徹底的に口頭発問で鍛えていくほうがいいのではないかって思うのですが、どうでしょう。
あと高校で「公共」という科目が近年登場しまして、中3公民分野を中心に学びをつなげていこうという動きがありそう。
🌸横審の意見と来春の予想
最後に、「学力検査問題等研究協議会(通称:横審)における主な意見」を🐕
社会では、初見の史資料等から情報を読み取り、既習の知識と関連付けて思考、判断する問題や、思考したことを論理的に説明する問題が、適切に出題されていた。
今後も、社会的な見方・考え方を働かせながら思考したことを、与えられた条件に応じて説明する問題を一層充実させるとともに、基礎的・基本的な知識及び技能を問う問題の出題形式について工夫してほしい。
「基礎的・基本的な~」ってのは理科と同じ。得点率が低いとこの表現が出てくるのかもしれない。ということは来年は甘目の出題が増えるのかと。
ちなみに前年(現高2世代)はこんな感じでした。
社会では、初見の史資料等から情報を読み取り、既習の知識と関連付けて思考、判断する問題や、思考したことを論理的に説明する問題が適切に出題されていた。
今後も、社会的な見方・考え方を働かせながら思考させたり、思考、判断したことを適切に説明させたりする問題の出題形式について一層工夫してほしい。
「新しい入試」になってから、情報を読み取って説明させる問題を増やそうという動きはあるようです。
これもう学校の先生が授業で使うワークシートでしょ。
資料の読み取り能力を強化するとか、さらにその前の基礎知識を特訓するとか、社会の受験勉強としてやらなければいけないことは、以前よりも増えるような気はしています。
5年10年ほど前のような、社会は暗記でOKみたいな流れではなくなっていることは間違いありません。社会・理科は「情報読解」が今後も差をつけるテーマになりそうです。
今回は以上です。最後までご覧いただきありがとうございました🙇
お盆中は毎日更新します。僕は明日お墓参りに実家に帰るので、今日まとめて何個か作っちゃおうと。