R5入学者選抜状況報告書を読む_理科 | ガクシンのブログ~札幌市西区の学習塾

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🐕R5入学者選抜状況報告書を読む_理科

 

先日道教委より、今春公立入試の実施報告書がアップされました。

お盆期間はこの報告書を読みながら、来春の入試について予想していこうと思います。

初回は理科から。個人的に書きやすそうなので。

 

 

・正答率について

・気になる問題について

・学力検査問題等研究協議会における主な意見について

この3点を中心に書こうと思います。

 

また現高2世代から「新しい入試」となり、1科目60点満点から100点満点に変更、裁量問題(社会理科は無いけど)の廃止、思考力を問う問題を増やすことなど、いろんな変更がありました。あと「学力検査問題等研究協議会における主な意見」が毎年面白く、ご意見から次の入試に向けたヒントがあるかもしれませんので、それも載せてみます。

 

ちなみに僕はこの協議会を横綱審議委員会と呼んでいます。または半沢直樹の取締役会。エヴァのSoundOnlyの人たちが集まっているところでも可。

 

以下、入試関連の画像は北海道教育委員会のホームページからお借りしています🙇

 

🏇理科の平均点が低すぎたので

もともと理科の平均点が激重でして・・・今春の平均点はなんと35.6点でした。

100点満点ですよ。

 

10点台が18.2%、20点台が16.5%ということで、今春の入試は完全にぶっ壊れていますね(笑)これは間違いなく来春に調整かけるだろうとは思いますが・・・

 

物理分野が重い重い・・・🐄

 

ちなみに前年(現高2世代)はこんな感じ。

全領域でバランスが良かったのにどうして🤔って感じです。

 

🌟物理分野の何が難しかったのか。

今春の大問出題は光(凸レンズ)でした。道コンでもよく出てくる光学台と、物体の場所を動かしたらできる像の場所と大きさが変わるっていうのをグラフで表している、シンプルな問題。

 

 

・・・ただ個人的には、問題の言葉が難しかったのではないかと思っています。

 

Xを凸レンズ、Yの網膜をスクリーンだというのはほとんどの受験生なら分かると思うけど、

・XからYまでの距離は変わらないという条件を設定して

・ヒトの目のつくりを再現する実験を行う

・変えない条件は何か

この辺の日本語を試験中にパッと判断できず、何言っているか分からんという人が多かったのではないでしょうか。

単純に、目ん玉はレンズと網膜の距離がずっと変わらないのだから、実験では凸レンズとスクリーンを動かさないようにする、っていう意味でエが正解なのですが。

正答率は57.4%。たぶん問1が読めなかったらその先も全滅だったんじゃないかと。

 

この(1)はきちんと凸レンズを勉強していれば出来そうですが・・・

基本の作図しか練習していない人は、↑のように書きそうです。むしろ正答率13.4%はちゃんとやってんだなあと。

 

(2)は図2のグラフから20cm-20cmを読めたけど、それが「焦点距離の2倍」になるから焦点距離は10cm・・・というところまで緊張で辿り着けなかった受験生も多かったのだろうと。正答率は17.5%。

 

 

でこの問題の正答率が3.2%ってのはちょっと意外。

ちゃんと問題文を読めば①②③はグラフ読むだけだから誰でもできます。

ただ④の規則性記述は、「何を書いたらいいのか分からん」という生徒が多かったのかもしれません・・・中間点アリ問題なので、①②③正解のヒット率も見たかったです。

正直④は要る?って感じですが、これが「新しい入試」で求められている実験からの考察ってやつかもしれません。自分で考えて表現する系の出題は今後もあるだろうと。

 

あとは大問5で最後の問題だったから、最後まで行かなかった生徒が多かったのかも。

 

 

これも面白い問題です。正答率7.4%。

理屈は冷静に考えためっちゃ簡単。実験3はレンズを通してみる虚像のこと。このレンズを平たくしたら像はどうなりますかって、窓から見る外の景色と同じじゃんって話。

当たり前の現象だけど、「凸レンズ脳」になった状態でこの問いが出ると、焦点が遠くなるから~とか変な方向に行ってしまいそうです。

 

こういうイメージ問題は今後もたくさん出題されるだろうと。

問題集や過去問をトレーニングするときには、問題に対する感想を持ちながら取り組むといいでしょう。「感想戦」はやっぱり大事です。

 

🎣義務教育段階の傾向や課題

さて僕は正答率の低い物理分野をチョイスしたのですが、道教委の報告書は大問2の生物分野を課題対象にした模様です。

 

 

「義務教育段階の傾向や課題」・・・タイトルが重いですね🐏

北海道の中学生には、観察、実験の結果を分析して解釈し、課題に正対した考察を行うことに課題がみられる。

 

それに対して授業構成を示したうえで、最後に「授業づくりのポイント」ってのがあり・・・

モデル実験や動画教材を活用させ理解させ、総合的に理解し表現させるような、学習活動の一層の充実が求められる。

という感じでまとめられています🧑‍🏫

 

わかりにくいけど、こんな感じ。

下段にある知識と実験(知っている・できる)問題がこれまでの入試で多かった割合。

問題集もこのタイプが多いですし、受験の土台固めは大事なのは昔も今も同じです。

それが最近は中段上段みたいに、わかる、使えるという問題の割合を増やそうということ。

土台だけ勉強していても、取れる点数は体感的には5割程度くらいなのかもしれません。

 

ちなみに前年の課題も似ていて、

北海道の中学生には、検証計画の立案、結果の処理、考察・推論などの探究の過程において、科学的な知識・技能を活用することについて課題が見られる。

とのことでした。

 

授業現場でもそれを増やしていきましょうやってことなのでしょう。

 

そのやり方はどうするんでしょう。

まあ大半の中学校は、レポート出して「自分で考えろ」って投げちゃうところが多そうで。

「わかる、使える」を学校で鍛えるなら、それこそ生徒と対面でじっくり話し合う機会を作ったほうが良いと思う。

レポート書いたり発表させたりするよりも、もう寺子屋みたいにバシバシ発問して考えさせるってほうが良い。それができる先生がどれだけいるかって話だけれど。

 

🌸横審の意見

最後に、「学力検査問題等研究協議会における主な意見」を🐏

理科では、思考力、判断力、表現力等を問う問題について、記述式問題、計算問題、作図問題等の出題形式が工夫された適切な出題であった。

今後も、観察、実験を取り上げ、科学的な探究の過程を通して思考、判断、表現させる問題の出題を一層充実させるとともに、基礎的・基本的な知識及び技能を問う問題の出題形式について工夫してほしい。

 

いつも書いてある「一層充実」ってのは、割合を増やせってことだよなあ。探究・考察系の問題は来年度増えるかもしれません。

それに対して「基本問題の出題形式について工夫してほしい」ってことから、やはり平均点が低いことに対して刺さっている感じ。

 

ということは、例えば来年度は、

・大問1がより基本的なつくりに

・大問2以降も、問1は易しい問題が多く、問2以降で思考力が増えるのか

っていう予想が出来そうです。もう少しメリハリのあるテストのつくりになると良いですね。

 

今春は大問1で正答率10%台が2問あり、そのうち問2のばねの問題(16.7%)は、

みんな6cmって書いちゃったんでしょうね・・・

 

ちなみに前年は

理科では、基礎的・基本的な知識・技能を問う問題と思考力、判断力、表現力等を問う問題がバランスよく適切に出題されていた。

今後も、観察、実験を取り上げ、知識・技能を活用させる問題や科学的な見方・考え方を働かせて考察させる問題の出題について一層充実させてほしい。

でした・・・探究・考察問題はもっともっと増やせという流れは止まらないでしょう。

 

🎆他の科目は次回以降アッサリ書きます。お盆なので。

割りとガッチリ書いたら大作になってしまいました。最後までごらんいただきありがとうございました🤗

他の科目もこんな感じで書いていきます。お盆で授業がないぶん、こういう時間が増えて楽しいです🐕明日も更新します。

 

今回は以上です。

某中学受験塾のニュースを見ると、ホント嫌な気分になります。

でもそういう教師、講師は山ほどいると思う。僕も過去にそういう発言をする塾講師を幾人か見たことがあります。そういうヤツとは距離を置いています。

 

これは僕の考えですが、「子どもが好き」っていう大人は教師や講師にはなっちゃダメです。

ときどき知り合いの他塾さんの採用面接にお邪魔することがあるのですが、採用面接で志望動機の一番目に「子どもが好き」って書くヤツはまず不採用にするよう運営者の方にアドバイスします。途中で出てきても注意して見ています。

「子どもを直したい(治したい)」とか「子どもを鍛えたい」が第一に出るなら良いけど、「子ども好き」ってのは、今の時代はちょっと怖いよね。