それを聞くと、お爺さんはいったん店の奥へ引っ込み、敷物を持って戻ってきました。
そしてそれを床に敷き、仏壇の中に仏像を並べて、私に言いました。
「ここに座って、いつも仏壇を拝んでいるみたいにしてごらん」
私は言われたように、敷物の上で正座をし、手を合わせました。
目の前には、店の仏壇の中に、お爺さんが持ってきた仏像が3体、並んでいます。
「そうやって、普段、拝んでいる時みたいにして仏像を見上げた時、好きな像を選ぶといいよ」
確かに、仰る通りです。
私はこれまで、どの仏壇店へ行っても、ずっと立ったまま、やや見下ろす形で、ご本尊様を選ぼうとしてました。
でも、実際にはご本尊様は座って、仰ぎ見て、拝むもの。座って下から拝むと、まったく表情や雰囲気が変わるのです。
それぞれに、いい表情がありました。頬がふっくらしたの、すらりとしたの。後背がほかより、きゅっと締まっているのもありました。
「手彫りだから、ちょっとずつ違うんだ」
お爺さんが優しく、言いました。それから、こう付け足しました。
「亡くなった家族の誰々に似ている顔で、選ぶ人もいるよ」
そう言われると、3体のうち、真ん中の仏像は亡き祖父に似た面影が頬のあたりにありました。
錯覚か、気のせいでしょうか
真ん中の仏像を拝んだ時、仏像の身体の真ん中から、キラッと小さな白い閃光が一瞬、光ったのを見ました。
私はどぎまぎしながら、お爺さんに尋ねます。
「……もしお兄さんなら、どれを選びますか」
初対面でお爺さん呼ばわりは失礼だろうと、私はお兄さん、と呼びました。
お爺さんは、ニヤッと笑って、
「お兄さんなんて、言ってくれて嬉しいねぇ。オマケしちゃおうかな」と冗談っぽく言いました。
それから、自分だったらコレ、と身体の中心から先程、光を放ったように見えた真ん中の仏像を指さすのでした。
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