落とし穴。それは、父の裏切り()でした。
仏壇は高額なので、買う前に私は、しばらく頭を冷静にする時間が必要でした。
そこで、父を連れて、仏壇の下見をしてから数週間……。
そろそろ決めようと思っていた矢先、急に、父から私へ報告がありました。
「◯◯寺(実家の菩提寺)に電話をして、古い仏壇の魂抜きは頼んでおいたから」
はぁっ
そもそも、私が説明するまで、父は仏壇の魂抜きなんて知りもしなかったくせに(ま、私も知りませんでしたけど)、なぜこの後におよんで、こっそり田舎の菩提寺へ電話して頼むのか。
購入予定の仏壇屋で、まとめてやってもらえば便利じゃないか。私は異議を唱えました。
「ちょっと、待ってよ。そんな遠方の東京から頼まれる菩提寺のほうだって、いくらなんでも迷惑だわよ。
もし来てくれても、交通費だって、こっちが出さなきゃいけないし、向こうの日程や都合にだって、合わせなきゃいけなくなるじゃん。
ただ古い仏壇を処分するだけで、なんでそんな面倒くさいことをするのーっ」
「◯◯寺に、頼むんだもん。高くたって、交通費払ったって、いいんだもん」
父は、ふだんの生活はとぉーても質素。
会社経営者らしく、たいへんなコストカッターでもあるのですが、いざ田舎の菩提寺がらみとなると、ここぞとばかりに義理堅さが勝り、お布施を払う機会にと考え直したようなのです。
父がご住職に何を頼んだか、どう説明したか。父の話からでは、要領を得ませんでした。
そこで父の目の前で、私が直接ご住職に電話をすると、やはり数日前、父が電話で、仏壇の魂抜きを頼んできたこと。
そして、新しい仏壇を買うなら、それは魂入れもしなければならないと、今度はご住職から、私は説得をされたのでした。
「魂入れしなかったら、それはただの物入れですから」
と、ご住職。
……そりゃ、ま、そうだけど。
だって、そもそもご先祖様は2年前に永代供養に出したのです。
いったん、スッキリしてしがらみの少なくなった仏壇関連に、またあれやこれやと、追加オプションをつけていくのはどうなのだろうか。
跡取りである弟が信心深いならまだしも、弟は仏教ごとにはそう熱心ではないタイプ。
弟だって、新しい仏壇に魂入れはしたくないと、言っていました。
私もそう。父もそう。
そんな本人たちの希望が通らない世界……。それが菩提寺&檀家の関係。
現代人の私には、仏壇という箱ものにも、魂を宿す必要があるという考えは、いまひとつ納得できないものがありました。
それだけでなく……。
父はご本尊の買い替えまで、そのときご住職にお願いしていたらしい。
そこで、
「そちらは、パンフレットをお送りました」
と、ご住職。
え、今度は、田舎の菩提寺にご本尊様の買い替えまでお願いしてあるの
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