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日系企業のベトナム進出支援!クロスコープベトナム

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ベトナムでは4月30日は、南部解放記念日で祝日です。

多くの犠牲者が出たベトナム戦争終結は、新たな経済的混乱の始まりでもあり、それに伴いベトナム国内から海外に逃れた人たちがいて彼らは、越僑とも呼ばれています。

その経緯などはこちらに書かれています。
在米ベトナム人とベトナム 送金とヒトの流れにみる祖国と紐帯と影響力 古谷博子

その数ですが、上記レポート内には
・ベトナム戦争終結時に約13万人
・その後の中越戦争やカンボジア侵攻、経済混乱などで約116万人
・合法的な出国で約48万人
とあり、推計で約200万人(うちアメリカが約108万人)とあります。

別サイト「asianavi内の「ベトナムへのチャレンジを可能にするVCF」」には、約300万人(うちアメリカが三分の一で約100万人)と書かれています。

こちらのニュースサイトviet-joでは、『海外在住ベトナム人(越僑)は、今年7月までに登録手続きをしなければ、ベトナム国籍を失うことになる。しかし約450万人...
とあり約450万人もいるようです。おそらく2世や3世を含む数でしょう。

こういった出来事から25~40年近くたち、彼らが母国に送る仕送りは、ベトナムの経済に与える影響も大きいといわれています。

世界銀行が2013年10月2日に発表したレポート「Migration and Development Brief」の5ページ目、海外から母国への送金上位10ヶ国のうちベトナムは9位で110億ドル=約1.1兆円にもなります。(これには、越僑に加えて海外に出稼ぎに行った労働者からの送金も含まれます)

Figure 3: Top 10 recipients of remittances (以下は画像と同じ2013年の確定値より)
1位:インド 700億ドル
2位:中国 600億ドル
3位:フィリピン 250億ドル
4位:メキシコ 220億ドル
5位:ナイジェリア 210億ドル
6位:エジプト 170億ドル
7位:パキスタン 150億ドル
8位:バングラディシュ 140億ドル
9位:ベトナム 110億ドル
10位:ウクライナ 10億ドル
仕送り額比較


世界銀行の別のページには、図で示されている簡易版があり、仕送り額と主要輸出品の比較が載っていて面白いです。ベトナムの場合、海外からの仕送りが110億ドルで石油の輸出による収入が120億ドルなのでほぼ同じくらいです。
主要輸出品と比較

ベトナムのGDPは、2013年において約1,700億米ドルとあるのでGDP比でいうと約6.5%

また先ほどの世界銀行のレポートの5ページ目を見ると、母国への送金がGDPに占める上位10か国が載っていますが、1位を除いてだいたいGDPの20~30%ほどです。
仕送りのGDP比

ベトナムにも同じような時期があったようで、こちら記事によると2007年頃はGDPの25%にも相当したそうなので、この7年で大分経済が成長してきたとも言えます。

<以下記事より抜粋>
>2007年にはWTOに加盟しましたが、このころ、ベトナムにはGDPの25%相当の越僑送金が流入し、金余りとなりました。
>実直に蓄財に努めればいいのですが、ベトナム人は未来の蓄えよりも目先の幸せを追求する人たちが多いので、旺盛な需要は輸入に向かい貿易赤字となってしまいました。
>経済は、貿易赤字→ドン安→輸入インフレ→金利上昇のスパイラルループに入り込みます。
>2010年末の急激な外貨不足から 2011年には世界最悪の 19%のインフレ、金利は 20%を超えたことから、「高度成長」から「長期安定」に路線を変更せざるを得なくなり、今に至っています。


海外からの仕送りがまんべんなく全ベトナム国民に渡っているかというとそうでもなく、ベトナム経済金融情報の記事には、仕送り110億ドルの内48億ドル、実に44%にも相当する金額がホーチミンへ入ったとあるので、ホーチミンの消費が活発なのも所得水準に加えて、海外からの仕送りの大半を受け取っているという事情が見て取れます。ホーチミンが多いのは、旧南ベトナムの首都サイゴンであったゆえ海外へ亡命した人も多いことに起因しているのでしょう。

[ベトナム経済金融情報]今年のベトナムへの海外送金額は110億ドル、多くがドン建て預金に...
>ホーチミン市への送金額が前年比+17%増の48億ドル(約4900億円)で、全体の4割強を占めている

実際にこういった送金が消費に繋がっているようで、(株)ドリームインキュベータの細野氏の記事にも書かれています。

月給3万円でも20万円のバイクに乗る国の秘密
>ベトナム人のバイク購入におけるローン比率はせいぜい10~20%程度だと言われている。つまり大多数の人は、キャッシュで買う。
>1つは、ベトナム戦争の終盤以降に、ボートピープルとして海外に亡命した「越僑」と呼ばれる海外のベトナム人たちからの送金。


4月30日の祝日(南部解放の日)に、歴史というのは過去と現在が繋がっているものだとつくづく思った次第です。