復活LOVE #13 | Crazy Moon -ふたばのブログ(仮)-

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-どこ?

彼から送られてきたLINEがスマホの画面に表示される。

だけど、そのメッセージを開いて返事するなんてできない。


あたしはふぅ…とため息をつく。

そして、視線を上げる。


『あ、、、れ?』


すると、その視界に見えた景色におどろく。


この公園…

あたし、来たことある。


周りをキョロキョロと見まわすと、大きな滑り台と2コのブランコ。

あたしは立ちあがると、ゆっくりとブランコに向けて歩いた。


そして向かって右側のブランコに座った。


ピンポン…

その時、またスマホが鳴った。


あたしはスマホの画面を見た。


-どこ?


また同じメッセージが届いていた。

だけど、あたしはスマホを握りしめたまま、その画面を開く事ができなかった。


そして、ブランコに座ったまま、あの日のことを思い出していた。



彼に別れを告げた…

あの日のことを…


そんなことを考えていたら、あたしは謝らなきゃいけないって思った。

握りしめていたスマホの画面を開いた。


そして…


-ごめんなさい。


ひとことだけ、メッセージを送った。

するとすぐにメッセージが既読になり、返信が来た。


-どこにいんの?


画面を開いたまま、返信ができない。

きっと、彼はあたしを追いかけて外に出てきたんだ。


がむしゃらに…

走り回ってる。


ガラにも合わないのに…


だけど、そうさせてるのは、、、あたしだ。



『ちゃんと会って、、、話さないとダメ、、、かな。』


彼を傷つけたのは、あの日と今日の2回。

きっとこれ以上、傷つけてはいけないって思った。


あたしはゆっくりとスマホに文字を入力していった。


『ふぅ…』


そして書き終えると、ゆっくりと息を吐いた。


『うん。大丈夫。ちゃんと会って謝ろう。』


あたしはスマホを見つめて、メッセージの送信ボタンを押した。


-公園


たったひとこと。

これで彼が気付くかなんて保障はない。


だけど、彼なら気付いてくれる。



あたしは空を見上げた。


『ちゃんと、、、謝ろ。』


うん。

彼を傷つけたことに違いはない。

あの日も、今日も。


だから、あたしはちゃんと責任をとらなきゃいけないんだ。



しばらくあたしは、ブランコに座ったまま、空を見上げていた。


ギーギー…

と、ちょっと錆びたブランコが音がする。


だけど、この公園に聴こえる音はそれだけ。


『…はぁ。』


小さくつく溜息さえも響くほど、静かな公園。


ザッザッザッ……

公園の奥から、走る足音が聞えてきた。


「はぁ…はぁ…はぁ…」


走って乱れた呼吸も聞こえてきた。


そして…


「……理恵?」


背後から、あたしの本当の名前を呼ぶ声が聞こえた。


あたしは、少し揺らしていたブランコをピタッと止めた。

そして、小さく頷く。


「……よかった。」


彼の言葉に、あたしは何も言えなかった。


よかったって、、、なにが?

いいことなんて、なにもないじゃない。


あたしは彼を傷つけたのに…


「…隣、いい?」


彼はそう言うと、あたしの返事も聞かずに、隣のブランコに座った。


そして、深呼吸をして、呼吸を整えてる。


だけど、あたしは何も言えず、視線を落とした。



「理恵…?」

『……。』

「ホントに、、、理恵なの?」


彼の言葉に、あたしは、、、また小さく頷いた。


すると彼が小さく笑う声が聞こえた。



「ははは…そりゃ、よかった。」


彼の言葉の真意がわからない。

あたしは俯いたまま、黙っていた。