夕木春央の方舟を読んだ。
知人にお勧めされたのがきっかけだ。
有名な本でタイトルは聞いたことはあったものの、内容はミステリーであること以外知らずに読み始めた。
なかなかのびっくり設定である小説であった。
所謂クローズドサークルミステリーだが、王道と見せかけ王道ではない。
殺人犯が大人しく生贄にはならないだろう!!!!!!という当たり前の感情が湧いてくる。
とはいえ当たり前の感情なので、登場人物の中でも話し合われ、その時考えよう!拷問器具もあるし!となる。
ポジティブ!!!
正直この初期設定と主人公柊一の影の薄さ意思の弱さには受け入れ難さをやや感じたが、伏線はバッチリの濃厚ミステリーである。
以下ネタバレ
あらすじにはないが大学時代の友人と従兄弟に加え、迷い込んだ家族までが土砂がずれで閉じ込められる。
知らない人と閉じ込められるの気まずすぎる…。
しかも殺人まで起こる。
地獄は此処です。
1人殺された時点でこの後も殺人が続くのがクローズドサークルミステリーの定番と思っていたが、登場人物達は続くとは思っていなかった模様。(思いたくなかったとも言える。)
ですが、お察しの通り殺人は続きます。
段々と人も減ってきて推理がし易くなる。
(にしても3人目の人を銛でついて殺すの怖すぎ。漁でもしてるのか???????)
私は麻衣が犯人と予想していた。
迷い込んだ家族が岩に塞がれた扉を試行錯誤していた時に様子を見に来たのが麻衣と主人公柊一のみだったというのが1番の理由だ。周りの行動が気になるのは犯人であろう。
また2人ずつ部屋に泊まることになるのだが、麻衣は同室の夫と喧嘩し最終的に1人部屋になる。犯人にとっては都合が良いだろう。
動機は見当もつかなかったが、迷い込んできた家族が殺されたことを鑑みると、怨恨ではない。
およそ推理とはいえず、勘のレベルである。
数々のミステリー小説を読んできた人間とは思えない。
結果から言うと、私の推理の低レベルさにも関わらず犯人は的中した。しかし動機は何だったのか?
探偵役翔太郎が推理を披露し犯人を暴くのだが、全く納得できなかった。1人目の殺人に使ったロープが写真に写っていようがいくらでも言い訳できる。殺人を殺す方が危険な賭けではないか?罪を着せるには無理があるだろう。雑過ぎる。
あと麻衣生贄になるんかい。なんで?抵抗しないの???
柊一は好きな麻衣と一緒に生贄になろうとするがやめる。どっちつかずの人間で最後までイライラ。(柊一アンチである。)
全てにおいて釈然としない展開に駄本だったかもと思いかけた。
案ずるな。まだこの本は終わっていない。
残りのページ数を確認し、まだ何かあると気付くのはミステリーあるあるだろう。
ありました。とっておきの大どんでん返しが。
エピローグでは麻衣から柊一に電話がかかってくる。
ここで私は電話の存在が忘れられてなかったことに安堵。あまりにも電話が使われないため作者から忘れられてるかと思ってました。
そこで語られる真実。
生贄として選ばれた麻衣だけが助かる。
真に犠牲になるのは柊一達である。
???????!!!!!!!!!!!!
翔太郎の推理と違い、麻衣の話しでは辻褄が全て合う。
探偵翔太郎飛んだ道化。
そして聞こえてくる翔太郎達の悲鳴。
間違った推理をすると待ち受けているのは死である。(ここでなんとなく十角館の殺人を思い出す私。)
柊一は麻衣と一緒に生贄になる決心をすれば助かった訳だが、麻衣を見捨ててしまったため別れを告げられる。永遠の別れである。
おしまい🎶
え??????????????????
麻衣非情過ぎない???????????
サイコパス!!!!!!!!?
ミステリーとしては100点
登場人物の心情、行動は70点
という感じ
ミステリーとしては鮮やかなどんでん返しに感服いたしましたという気持ちである。あっぱれ。
だが単純な登場人物の言動には首を捻ることも多かった。正直最後まで柊一が翔太郎連れてきた理由が納得できなかった。あと麻衣は土砂崩れは予測できなかったはずなのに、行動が冷静すぎる。
と思うのは私だけ???