FSJ(フリーフォールスラックジャーク)その2
こぢこぢのフリータイム-2013011304110000.jpg
ではそれをエギングでやるにはどうしたらいいか…?
釣り方としては餌木をキャストし、着底を待つところまでは普通の釣り方とかわりません。

ここから通常の釣り方ですとハンドルを巻いて余分な糸ふけをとったのちに人それぞれのしゃくり方をして再びハンドルを巻いて糸ふけをとりテンションフォールでアタリを待つ訳ですがFSJでは餌木が着底したら糸ふけを殆どとらずにしゃくります。

しゃくり方は人それぞれのしゃくり方で結構ですが私は軽く二回~三回しゃくります。
そして糸ふけのある状態でフリーフォールさせます。

つまり、しゃくった後にハンドルを巻いて糸ふけを取らないか、若干糸フケをとるぐらいで餌木をフリーフォールさせるのです。

なぜ糸ふけを取らずにしゃくり、フォールさせるかをテリトリーを例に話すと、テリトリーが半径5メートルとすると通常のしゃくりからのテンションフォールではテリトリー内のフォールは一回か二回しかありません。
対してFSJでは餌木の移動距離が少ないために三回、四回とフォールがありチャンスは広がります。

あくまで「極論」ですが、しゃくって釣るのではなくフォールで釣るのだから大事なのはフォールであり、フォールをいかに不自然さや違和感なく演出できるかが釣果をわけるのです。

マニュアルやセオリーでは烏賊はテンションフォールで釣るのでありフリーフォールでは烏賊は釣れないと言われますし、ハウツウ本などにも書いてありますがそんな事は絶対にありません。

テンションフォールの方がアタリがわかりやすく釣りやすいと言うだけでフリーフォールの方が反応がいい事が多々あります。
これはフィッシュイーターはボーっと目の前から遠ざかって行くものより、自分からある程度の速度で逃げていくものに反応をしめすからです。
キャストしていつまでたっても着底しないからしゃくったら釣れていた。
ついてきた烏賊が反応しないのでテンションを抜いて落とすと凄い勢いで追いかけていき抱いた。

これはフリーフォールの違和感のなさ、自分から逃げていくものに反応しているのです。

また、着底したのちにラインを張ると言う事は少なからず餌木を引っ張る訳ですから船のアンカーをうっているようなもので根掛かりのリスクもあります。

対して糸ふけのある状態からしゃくると餌木は上に跳ね上がるために根掛かりは少なくなり餌木のロストは極端に減ります。

また、テンションフォールだと餌木の移動が多いために触腕をのばして餌木を抱くために足掛かりが多くなり、合わせた時の身切れやバラしの原因になります。

対してフリーフォールで落とすと餌木の移動距離が少ない為にがっしりと抱くことが多くバラしは極端にへります。

これは点と線の関係とも言えます。
テンションフォールだと餌木の後ろに烏賊がついた場合、餌木は点でしか見えない為にアバウトに触腕を出すので掛かりが浅くなる事が多くなり、あわせた時にバラしの原因になります。

対してフリーフォールだと餌木の後ろに烏賊がついた場合、餌木は線で見える為に目標を定めやすく餌木を引き込むのでがっしりと抱く事が多く、バラしが極端に少なくなります。


FSJはボトム付近にいる事の多い大型に狙いを絞った釣りですが移動距離の少なさを利用して着水と同時にやりだせば表層から中層をじっくり攻める事もできますし、中層からやりだせば中層からボトムまでをじっくりと攻める事もできます。

私が水深を気にしない、カウントダウンをしない。
『適当』に釣っていると言うのも餌木の移動距離の少ないから成り立つんです。

また潮が効いている(流れている)場所では潮がとどまる所にベイトがたまり、必然的に烏賊もそこに集まります。

FSJはラインを張らない事により、自然にそこに流し込んでいく事もできます。

このようにFSJはいいことずくめのようですがラインを張らない為にアタリがわかりにくい事が多々あります。

ラインが走ることは少なく、ラインがふける、止まる、弾かれるといったものが多いです。
また、餌木の移動距離が少ない為、最初のしゃくりでは釣れていず、二回目のしゃくりで釣れる事もあります。

最初からフリーフォールにせずに今より少しだけ糸ふけをとってやってみることからはじめてみてください。
きっと今までと違う釣果がでると思います。

また、同じタックルを使い続ける事で自然と体に餌木の特性やリズムが刻まれ、わずかな変化・違和感がわかるようになり、藻やゴミがついていて、ちゃんと餌木が動いていないのや、今までわからなかったレベルのアタリがわかる、抵抗から潮のきき具合、フォール速度、跳ね上がり具合、使い込めば違和感から後ろについたのがわかる。などなど技術、釣果は確実にあがります。



『超究極論』を言えば、現代エギングは場所が全てです。
しかし釣れるかはアタリがわかるかどうかです。

烏賊が100回餌木を触ったとして、誰もがはっきりわかるアタリは3割ないと思います。
つまりアタリさえわかれば釣果はあがります。

しかしこればかりは烏賊を釣り経験を重ねるしかありません。

同じ釣り方と同じタックルを使い続ける事で感覚を養い、移動距離が少なく自然なフォールで烏賊が餌木を抱くチャンスを増やす。
それを形にしたのがフリーフォール&スラックジャークです。