FSJ(フリーフォールスラックジャーク)その1
こぢこぢのフリータイム-2013011304110000.jpg

最近は中々みかけない光景になりましたが、餌木の後ろに烏賊が何ハイかついてきて、我先に餌木を抱こうとする。
その中のひとつを釣ると墨をはいた途端にまわりの烏賊は消えていきます。

しかし、少し間を置くと、また釣れだしますし、ついてくる事があります。

まわりの仲間が次々いなくなると言う人間なら大変な事態です!!
実績場や有名ポイントなんかは連日仲間が消えていく超危険地帯!!

それでも同じ場所でまた釣れます。

これは烏賊に限らず魚類は記憶容量が非常に小さく、すぐ前にあったことも覚えていないからです。

その為、仲間が釣られ、墨を吐いた瞬間、烏賊は危険を感じて少し遠くに逃げるか、シモリに身を隠します。
しかし墨が消え、しばらくたてば仲間がいなくなった事を忘れてしまいます。

そして満腹中枢のない烏賊は餌を食べようと再び餌木に集まってくるのです。

だから触腕が飛ばされても再び餌木を抱くようになるのです。

そんな烏賊も日中に老若男女誰でも比較的簡単に釣れ、食べて美味しい事からブームが到来し、爆発的に人が増えた事、また様々な要因から中々釣れなくなりました。

釣れなくなったとは言え、烏賊はいます。
いるのになぜ釣れないのか?
『活性が低い』
『スレた』
『潮が悪い』
などと言いますがはたして全てがそれだけでかたずけられるのか…?

まず考えられるのは個体差です。

魚には簡単に釣れる魚と釣れない魚がいます。
これは警戒心の強さからくるものが多いですが同じ種類の魚でも釣りにくい魚と釣りやすい魚がいます。

管理釣り場などだとはっきりわかりますが放流直後はよく釣れますがしだいに釣りにくくなります。

数はさほど低下してないが釣果は著しく低下していきます。

簡単に釣れる部類に入るはずの烏賊ですが子烏賊の時は反応がよく、すぐ釣れますが、親烏賊はなかなか釣れません。

また烏賊は見えているの反応しない事が多々あります。

これは同じ魚でも個体差があり、警戒心や危険を察知する能力の違いがあるというもの。
『危険察知能力』の高い個体はやすやすと釣られず生き残ります。
その危険察知能力の高い烏賊が年々増えているような気がします。

次に考えられるのが『危険学習能力』です。

前述したように記憶容量が少ないとは言え、大きくなる(成長する)にしたがってエサや匂い。自然そのものの音や振動を学習していきます。
周年、四六時中餌木が投入される昨今、餌木は危険なものとして認識されています。

幾多の困難をのりこえ、警戒心も高くなり、学習した大型の個体をいかにして釣るかを考え、たどりついたひとつの形が
フリーフォールスラックジャーク(FSJ)です。

スラックジャーク(FSJ)のコンセプトは「その時期、その場所にいるMAXサイズに狙いを絞る」です。

アオリイカは大型になればなるほど底付近の瀬やシモリにテリトリーを持つようになり、そのテリトリー内で待ち伏せて餌をとるようになり、警戒心が強く必要以上に餌木を追い掛けてきません。
それを狙う為にボトムメインで攻めるのがFSJです。

FSJは見切られる事が無いように餌木の不自然な動き、規則性のある動きをなくし、見切られない不規則な動きと移動距離を押さえつつも自然なフォールを演出して大型のアオリイカのスイッチを入れる事を追求していき、たどりついた一つのかたちです。

釣れる要素には回遊や時合いなど複雑な要素があり、一概には言えませんが前述したようにアオリイカに限らずフィッシュイーターは大型になればなるほど警戒心が強くなりますし、必要以上に餌木を追いかけてきません。

成長過程で危険なものと学習するので、餌木のちょっとした不自然な動きで反応しなくなる事は多々ありますし、逆に規則性のある動きに反応しなくなる事もあります。

またフィッシュイーター共通の摂理として運動効率にあった餌をとらないと即、死につながるので必要以上に餌木を追い掛けてこず楽にとれるものに反応します。
その例としてヤエンがあげられると思います。
アジを一ヶ所にとどめておけると言う事は、余計なエネルギーを使わず効率的に餌が食べれる。
アジなどの餌は警戒心の強い大型が不自然さを感じない。

もちろんヤエンの全てがこれが要因ではないですが一ヶ所にとどめておけて違和感、不自然さのなさが少なからず関係してます。