No.075 2021.6.15(火)

一度きりの大泉の話/萩尾望都/河出書房新社/2021.4.30〜5.30 第2刷 1800+10%

 少女漫画は全くの門外漢。さらに言えば漫画と言う媒体を殆ど読まない。それでも何人かの漫画家の名前は「知って」いるが、鉄腕アトムの手塚治虫や赤塚不二夫、ちばてつや位なもの。この方は「ポーの一族」で知っていたのだが、それだけだったので読み初めて次々に出てくる漫画家の名前を註釈で確認しつつ。忙しい。

 その界隈では勇名なエピソードらしいのだが初めて知る。そう言う事なのか。随分苦しかったろうな、今ならメンタル・クリニックだもんな。頑張って忘れて来て良かったのだと思う。

 創作者の世界は大変だな。ドキュメンタリーとして優れた作品。

 

—内容紹介を引く……

 大泉に住んでいた時代のことはほとんど誰にもお話しせず、忘れてというか、封印していました。しかし今回は、その当時の大泉のことを初めてお話ししようと思います。12万字書き下ろし・未発表スケッチ収録。70年代回想録。

 収録は

 出会いのこと—1969年〜1970年/大泉の始まり…1970年10月/竹宮惠子先生のこと/増山さんと「少年愛」/『悲しみの天使(寄宿舎)』/『11月のギムナジウム』/1971年〜1972年/ささやななえこさんを訪ねる/1972年『ポーの一族』〔ほか〕

 

 萩尾望都(ハギオモト)漫画家。

 1949年、福岡県生まれ。1969年デビュー。1976年『ポーの一族』『11人いる!』で第21回小学館漫画賞、1997年『残酷な神が支配する』で第1回手塚治虫文化賞マンガ優秀賞、2006年『バルバラ異界』で第27回日本SF大賞、2010年にアメリカ・サンディエゴ・コミコン・インターナショナル・インクポット賞、2011年に第40回日本漫画家協会賞・文部科学大臣賞、2012年に少女漫画家として初の紫綬褒章、2017年に朝日賞など受賞歴多数

 

 特段の興味は無かったのだけど、少しパラパラと読み始めたら終わりまで一気に読んでしまった。

 とにかく漫画家の世界、と一概に言えないし他の職業でも色々ある。それを持ってしても本書の世界は怖さを覚えてしまうのは何故なのだろうか。漫画家として成功したいとかそういった事とは別のなにか本当にドロドロとして底なし沼のような……。

 ★★★★