なんで今頃、という声が聞こえそうですが、いいんです。読んでからしばらく経つのだけど、いいんです。備忘録なので。

 

No.080 2021.6.26(土)

素敵な日本人/東野圭吾/光文社/2017.4.5 第1刷 1300+8%

 サクサク読めるのだから、やはりこの人は天才的な創造者なのだ。それぞれの作品にも、思わずニヤリとしたり、そう来たかと納得したり。「クリスマスミステリ」は、もしかしたら長編になる素材かもしれないが、サクッとした短編に仕上げて読者は唸らざるを得ない。

 2017年の購入本を熟成するにも程がある年数を経て読むのも、一興だろうか。とうに文庫化されてもいるのに。

 

—内容紹介を引く……

 たとえば、毎日寝る前に一編。ゆっくり、読んでください。豊饒で多彩な短編ミステリーが、日常の倦怠をほぐします。意外性と機知に富み、四季折々の風物を織り込んだ、極上の九編。読書の愉楽を、存分にどうぞ。

 収録作は

 正月の決意/十年目のバレンタインデー/今夜は一人で雛祭り/君の瞳に乾杯/レンタルベビー/壊れた時計/サファイアの奇跡/クリスマスミステリ/水晶の数珠

 

 短編の名手でもある東野圭吾の技が詰まった作品集。

 どれからでもめくったページを読んでもいい。

 失礼は承知で書くが、うまいなあ。

 ★★★★★