No.069 2023.6.9(金)

小説作法の殺人/免条剛/祥伝社/2022.10.22 第1刷 1700+10%

 これに関しては何も言うことはない。と言うよりも、ざっくり言ってしまえば読んでいて苦痛だった。

 何より視点が二転三転、グルグル回っていてこの文章は誰の視点?と常に考えつつ読むのでスピードが出ない。途中からどこへいくのか気になってしまい、前半部分に戻って読み直してみたり。

 すっかり翻弄されてしまったので実のところもの凄い疲れてしまった。どこをどう取ってみても面白いという部分が見られず、困ったものだ。

 

 物語よりも登場人物たちの言動の妙さに非常にナーバスになり、どうしてこんな物言いになるのか、などど物語の中身を考えるよりも別の点に気を取られる。一番まずい展開。

 

 この探偵・常念にも相棒となるフランス人との混血だというマリのコンビもまるっきり「取ってつけた」ようで読んでいて鳥肌が立つほどグッタリ。

 

 結局「作中劇」のようなものだろうな、と思いつつザックリ読了。

 

 誰か死んだのか?

 

—内容紹介を引く……

「わたしは、さらわれた子ども」

小説家志望の美女の不審死。

遺作『失踪』に隠された忌まわしき記憶。

偽りの素性に即製探偵コンビが挑む!

元「小説新潮」編集長が満を持して放つ、完璧なミステリー!

 突然死した藤堂理沙の死因の調査をしてほしい……。依頼を受けた高円寺の私立探偵・常念勝は、理沙の親友である麻川マリから、小説教室で理沙が提出した課題作品『失踪』を渡される。誘拐された子どもが生みの親を訪ねるという内容は、かつて自分を「さらわれた子ども」と語っていた理沙そのもの。常念とマリは、理沙の執筆の足跡をたどり、神戸、京都、大阪へと飛ぶ。いないはずの弟、消えたパソコン、二人を襲う暴力……。複雑に絡まり合う謎と、輪郭をなくしていく理沙の正体。常念は理沙の遺したフィクションの迷宮にはまっていく……。

 

 著者の免条剛(メンジョウゴウ)は1950年東京都生まれの73歳。大ベテラン作家というより編集長として活躍された。早稲田大学第一文学部卒業。1973年、新潮社入社。月刊「小説新潮」元編集長。2014年から2019年まで京都造形芸術大学文芸表現学科教授。2019年より「京都文学賞」選考委員。校條剛名義の著作のうち、『ぬけられますか—私漫画家滝田ゆう』で大衆文学研究賞を受賞。

 

 とにかく、面白いか、どうだ面白いだろう。ではさすがについていけませんでした。全然入り込めず。

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