いったいいつの記事なのか。すっかり忘れてました。パソコンの奥深い階層にまで沈み込んでいたのでした!!

でも、若竹七海の文章は癖になる。再読したけど、一気に読ませます。

 

No.093 2011.7.8(金)
ポリス猫DCの事件簿/若竹七海、光文社

2011.1.25~3.25、第2刷、1400円+5%

 

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ビックリした。若竹七海の作品を読むのは2004年の「悪いうさぎ」以来。もっとも、この作品は文庫だから同時代で読んだのはいつだ?くらいのご無沙汰だ。
それでもっと驚いたのが、舞台となっているのが「葉崎市」。懷かしい。「古書店アゼリアの死体」などで舞台となった架空の都市。もしかしたら、他のもずっとここが舞台なんだろうか。
それはさておき。
この人の作品は、どうしても「軽く読めてしまう本」という刷込があるから、注意しないといけない。妙なところに『落とし穴』があって、びっくりして最初に戻って読み直ししないといけなくなることもあるので。
今回は、葉崎市の先端にポッカリと浮いた「猫島」が舞台。そこの“臨時派出所”に勤務する巡査と、ドラ猫DCの活躍を描く連作ミステリーとなっている。
主人公の巡査・七瀬は、派出所の名物猫DCと人口30人の島を守って右往左往の毎日を送っている。
島は、人口の数倍という猫の居住区であり、島の住人は「猫好き」で猫と共存している。この島は、引き潮になると半島と砂浜で繋がり、歩いて渡ることが出来る小さな島だ。
様々な事件が起こり、走り回る七瀬とDC。
物語は、笑いと推理を簡単に楽しむことが出来る、というコンセプトに書かれているのかと思うほどサクサクと読めてしまう。キチンと読んでいれば、の話だが。
猫好きには、堪らない一冊と言えるだろう。謎も最後にキチンと解決されるから、安心して読める。
肩肘張らない、ゆったりとした午後に明るい庭にテーブルを出し、アイスティでも飲みながら、ごゆっくりと読書を楽しんでいただきたい、ような一冊。
かなり、伏線があるのでその辺は要注意。