知留久@お初天神 | ディックの独白 / Dick's Monologue

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歴史を感じるね

 

お初通りから路地を入ったところにひっそりと佇むお店。創業77年、知る人ぞ知る串カツの名店、それがここ

 知留久(しるひさ)曽根崎本店


昔は今の駅ビルがある辺りで営業をされていましたが、駅ビル建設に伴いこの地に移動してきたとのこと。長年営業をしているので親子二世代で通われているお客さんもいるそうですが、なかには4世代に渡って通われている人達もいるそうです。

これだけ絶大な支持を得ているのには、やはり理由がありました。串カツがひとつのコース料理として成立しているのです。こんなのは初めてかなぁ。

 

ちなみに阪急百貨店の食道街にも支店があったようですが、子供のころのことなので記憶にありません。今は法善寺や、本店と同じくお初天神通りに支店があり、手広く営業をされています。

 

 

お店に一歩足を踏み入れたら、木と煉瓦と銅板を上手く使った落ち着くインテリア。今の言い方だと昭和レトロなんだろうけど、ノスタルジックな雰囲気を意図して作り上げたのではなく、以前からの状態を綺麗に保っているだけなんだろうけど。厨房に立っている柱なんか圧迫感を感じさせないよう銅板を使って広く見せているのは上手いね。

 

 

ここにはがま口職人 わび助さんとご一緒しました。

天ぷら和でランチを食べた後、一旦解散、夕方に再度集合したのです。その間、がま口資材の買い付けを駅ビルでしていたわび助さん、両手いっぱいに荷物を抱えて再登場。そりゃあ毎週末毎にイベント出店して販売をしていたら、資材の在庫も不足してくるでしょうからね。

 

 

さてここには3つのコースがあります。恐らく単品注文でも可能かと思うけど、コースにすると定番のものと旬のものを混ぜて組み立ててくれるので、そちらがお勧めかな。

悩みに悩んで、10本コースを選択しました。

 

 

 

 

注文を済ませ、わび助さんと話をしていると、辛子、ウスターソース、ポン酢、塩、醤油など串につけるソース類が並んだ銅製のカスタートレーが置かれました。僕がよく行く串カツ屋さんのように、ソース一択ではないのです。

 

 

最初に苦手なものを聞かれるので、アレルギーのある人は心当たりの食材を伝えてください。ソースにも混入している場合があるので。僕の場合、見事にヒットしたので、ソースのひとつを下げてもらいました。

 

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瓶ビールはキリンとアサヒ。大好きな赤星を取り扱っていないのが残念。サッポロの営業さん、頑張れ~。

 

では乾杯。わび助さん、またもやビールをチェイサー代わりにチューハイを飲むという暴挙にでました。

 

串ごとに解説をつけてもいいけどブログそのものが長ったらしくなるので、4串ずつまとめてみました。

 

写真左上からZ字の書き順で。

・牛ロース

・車エビ

・トンカツ

・帆立の貝柱

 

最初の串、牛ロースを口に入れた瞬間、思わずわび助さんと顔を見合わせました。下処理が丁寧なのかロースがすごく柔らかくて、しかも衣が軽くて食べやすい。

うまぁ~なにこれ、こんなの食べたことないわ と思わず口をついて出た言葉。ほんとよね と相槌を打つわび助さん。

 

車エビはレモンを絞って、3種類がブレンドされた塩をつけていただきます。香辛料も入っていたみたい。

 

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この時点で二人の意見は一致。たった10本しか食べないなんて折角の機会が勿体ない。

15本コースに変更してもらえませんか? と打診すると、マスター快くOK。

 

左上から

・白身魚の大葉巻き

・蓮根

・そら豆とホタルイカ

・クリームコロッケ

 

わび助さんが今日一と評した白身魚の大葉巻き。辛子と酢橘ポン酢で食べるのですが、とにかく大葉のアクセントがすごくいいの。

またそら豆とホタルイカなんて実に斬新な串。でも旬のものの組み合わせなんです。

そしてクリームコロッケ。マッシュルームと海老が入っていました。

 

左上から

・水茄子 

・甘鯛

・茗荷

・明石のタコ

 

水茄子には真ん中にシャコエビが挟んであって、変化する食感が楽しい。

甘鯛は鱗の唐揚げが添えてあって、僕には目新しく思えました。鯛の鱗って固くて食べられないと思っていたけど、どうやら甘鯛の鱗は別らしい。

明石のタコはいうまでもないよね。

 

 

左上から

・山くらげ

・子持ち昆布

・蛤

・キス

 

コリコリの食感の山くらげ。実は初めて食べました。野菜なんですね。

子持ち昆布は、オクラと生姜との抱き合わせで揚げられていたので、食べてビックリでした。

キスって細長いってのは誰が決めた? の挑戦がこの形。綺麗に丸めてありました。

 

 

そして左から

・ズッキーニ

・スコッチエッグ(うすらの卵をミンチで包んだもの)

 

 

以上がこの日食べた串一覧です。えっ? 18本あるじゃないかって。
実は15本でも食べたりないので、3本追加してしまいました。そのくらい軽くて、もたれないので、いくらでも食べられるのです。

 

 

お酒に関しては、ビールだけで終わるはずがありません。
あまり見かけない碧でハイボールを作ってもらいました。

 

 

 

日本酒も。飛び切り燗が通じて、対応していただけるのが嬉しいですね。

 

 

 

 

仕事が丁寧だなと感じたのが、この所作。揚げたての串をふきんで包んで粗熱を取っているのです。だからサーブされて直ぐに手にしても熱くないの。こんな細やかなところが老舗ならではかな。

 

 

 

 

そして随所に遊び心も。串の文字があちらこちらに見られるのです。
 
キャベツの入れ物

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湯呑み

 

串を置く台。これも「串」の文字がくり抜かれています。

 

 

 

このマークなんだったか忘れたけど、マスターの胸のマークが椅子の背もたれにもありました。

 

 

 

 

ご馳走様でした!

ここは本当にお勧めです。ソースたっぷりつけて食べる串かつとはまた違って、ひとつの料理として完成域に達しています。特にマスター、齢70歳くらいだけど、この人の揚げ具合が絶妙なのです。まさにプロの技を見た気がします。値段は少々はるけど、それだけの価値があるお店ですね。

また来ますよ、絶対に来ます! 

 

 

ここ本店ではランチ営業はされていませんが、近くのお初天神店(K’sスクエアビル 天神ホールのあるビル奥)ではランチ営業をされています。マスターが揚げるのは月曜と火曜日とおっしゃっていた気がするけど、正確な情報はお店にご確認ください。食べる価値ありありです。