阪急かっぱ横丁 居酒屋 丸一屋 / なんだかホッとするお店 | ディックの独白 / Dick's Monologue

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◇今宵の珠玉のお店
 
そこは30年以上、時が止まっているかのようだ
 
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海外から高校の同級生が一時帰国。いわゆる春節だ。
「飲みに行こうや。」と帰国の二週間前にその友人から誘いが入る。もちろん断る理由など何処にもない。
「店探そうか?」と問うと、逆にお店を指名してくる。なんでも大学生の時から通っているそうで久しぶりに行ってみたいとのこと。逆指名ならば頭を悩ませる必要はない。もう一人のクラスメートを誘って、この日は三人での飲み会だ。
 
 
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そのお店の場所は阪急かっぱ横丁。久しぶりに耳にする名前だ。
 
 
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阪急梅田駅の階下、紀伊国屋を横目に見ながら歩いていくと、阪急古書のまちの入口にたどり着く。古書のまちのお店は、今も昔も変わらないまま。
 
 
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古書のまちを抜け、かっぱ横丁の奥に奥に歩いていくと今日のお店、居酒屋  丸一屋がある。
 
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既に友人は到着していて、お店の人と談笑しているのがガラス戸越しに見えた。相手はこのお店の大将で、ねじり鉢巻がじつに板についている。
よぉ、久しぶり と握手を交わして真正面に座る。1年と2か月ぶりの再会だが、そんなにも長く会っていないとは感じない。やはりSNSを通じて、元気な姿を見ているからだろうか。ラグビーで鍛えた身体は多少贅肉がついたとはいえ、傍から見ても只者ではないとわかる。
 
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-どうや、ええ感じの店やろ -  片手をぐるりと回して、店全体を指す。
お店の壁には、手書きのメニューとビールや清酒メーカーの販促ポスター、販促物が所狭しと飾られており、お洒落な内装とは程遠い。
席は長机に丸椅子で、仕切りも何もない。隣の話は全て筒抜け、そんな空間はまさに大衆居酒屋そのものだ。
でもこいつにはその雰囲気が良く似合う。
 
 
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-瓶ビールね -  お互いのグラスに注いで乾杯。
-何か頼めや -  どちらが日本に住んでいるのか分からない(笑) メニューに目を通す。
兎に角、全てが安い。お腹が空いているせいもあってか全てに食指が動く。
- どて焼きに、ニラ玉ね ー   メニューも見ずに注文をするのは、こいつが昔から通い詰めていた証拠。
 
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ピッチが早い。出されたかと思うと、直ぐに箸が伸びてパパパと取り皿に分けていく。
ここで遅れてもう一人が到着して、再び乾杯。
 
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- カキフライもね  -  こちらも声を張り上げてオーダー。オーダーしてから出てくるのが、これまた早い。
 
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 海外で仕事をしている人達は総じてエネルギッシュ。それは我が友人も同じ。食べる、飲む、喋る、その口は片時も休まらない。
 
 
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我々に何の断りもなく(笑)、出てくる料理 全てに七味やソース、あるいは醤油をかけて味付けをする。素材の味を楽しむ という食文化とは縁遠い生活のようだ。
 
 
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- 焼酎が飲みたい -  

だからボトルで頼んだら、菊正宗も飲みたい と言い出す始末。日本酒は水代わりか と言うと、東南アジアの陽光で日焼けした顔がニヤリと笑って口を開く。

ー 帰国したら、一度は日本酒は飲みたいんよ ー  

 
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-おでんが食いたい - とも重ねて云ってくる。 海外では食べられへんのか? と聞くと、食べられるけど旨くない と返してくる。
旨味の出た出汁で炊くおでんは、さすがに海外ではなかなか口にする機会はないだろう。
 
 
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ー 寒ブリね ー  
冬の旬ものを堪能したくなる気持ちはよくわかる。
 
 
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ここまでの料理とお酒に満足したのか、友人の怒涛のオーダーがやむ。
…だが私は手を緩めるつもりはない。代わりにオーダーを続けさせてもらう。
 
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揚げシュウマイは大好物。だから注文を忘れてはいけない。
 
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芸術的な盛り方だ。
 
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-お前、よく食うな - 友人達が呆れ顔でつぶやく。 お前たち以上に、このお店の雰囲気が合っているのかもしれない。
 
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お代わりをした どて焼き。
 
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これがラストオーダー。
 
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ご馳走様でした。
30年以上も前から変わらないスタイルの居酒屋さん。それが海外から帰国した友人に、実家に帰った時の様な安堵感をもたらしていたんですね。どうやら私もその魅力に取りつかれたようです。少し遠いけど、また来ようかな。