◇今宵の珠玉の逸品
大胆にして繊細、そんな言葉が似合う大将だ。
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南森町駅から徒歩僅か3分。そこには地元の名士達が集うお店があると伝え聞いていた。50歳過ぎでもヒヨッコ扱いされるほどの人生の大先輩方が重鎮らしい。敬愛するキャンノンデールさんが何度も訪問していたのにはきっと訳がある、そんな想いから自身の行きたいお店のトップに掲げていたお店を今宵訪問。
そうその名は、主税寿司(ちからずし)。
実は1ヶ月前から予約を入れておいた。その訳は二次会の場として使うので、21時と遅めの開催だったから。四人での予約をお願いすると、応対された女性の方が電話口で「遅いとどんなネタが残っているかが分からないから、当日一度電話してくださいねぇ。」とおっしゃられる。電話向こうの声は明るくて、接客が良さそう~と感じられる。
当日「こんばんは。予約をしていたDです。」と暖簾を潜る。もちろん電話は事前にしている。
ー あっDさん、お待ちしていましたよ
どうやらこの方が電話で応対されたようで、お店の女将さん。初めてなのに、まるで常連さんの様な歓待を受ける。アットホームだなぁ。
カウンター席のみのお店で、訪問時には我々の席をちゃんと空けていただいていた。
お店を切り盛りされるのは大将と女将さんご夫婦。大将はいかにも職人気質の見栄えで、最初は無口で黙々と包丁でさばいていたから気難しいのかな? と思いきや、時間が経つにつれ大将から話しかけてくる饒舌さ。そして何より笑顔がいい。
ー 何にしますか?
まずはビールからですね。そう言って頼むと、ビールの後を追う様に、いくつもの突き出しが出てくる。
ホタルイカの酢味噌和え、そうかこの季節だなあ。これは大好物だから嬉しい。このお店の名物は夏は玉子豆腐、冬は茶碗蒸しだそうで、5月にも関わらず既に小鉢は夏模様。
既に一次会で食べてきた人、一次会途中参加の人、二次会から参加の人が混じっているので、銘々のお腹の空き具合はバラバラ。そんな時は、大将のお任せ。毎日、大将自身が中央市場に仕入れに行っているそうで、新鮮さは折り紙付きだ。
刺身盛り。いやいやこれはすごい。甘みが際だつ甘エビ、とろけるマグロ、ぷりぷりとした鯛、何もかもが美味い。一同、納得の笑顔だ。
そして次は握り。これぞ主税寿司の真骨頂。ネタの大きさ、シャリの酢の入り具合など、全てが満点だ。大将、いい仕事をしています。
話が弾み、グラスを重ねていく。大将や女将さんも適度に話の輪に入り、楽しい時間が過ぎていく。最後の方では、大将自らがDさんDさんと親しげに呼びかけてくれたのが嬉しかった。
一通り食べたけどまだ少しお腹が空いているので、だし巻きを頼む。綺麗な焼き具合だ。
Kさん、貝がお好きらしく注文。それにDも相乗りする。
ご馳走様でした。
隠れた名店と言っても過言ではないと思うこのお店、今宵 最高のパフォーマンスを見せていただけました。今度は一次会として訪問し、もっと食べてみたいと思います。
それに地元の名士達ともまだお会いしていないので、これからの出会いにも期待したいですね。
必ずやまた来ます!