27:初めてのレン曲 | クラフトPとろのブログ

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クラフトPという名前で、ボーカロイド曲を作っていたり

私が一番好きなボカロは鏡音リンである。
それは間違いない。
断言する。
私が一番好きなボカロは鏡音リンだ。

その次は少々離れて巡音ルカ、もうちょっと離れて初音ミク。
そして、大きく差を開けて鏡音レンである。

しかし、どういうわけか私がうpした曲の中で、最も多く使ってるボカロは鏡音レンであるw
全く不思議なこともあるもんである。


以前、「バツコン」でミクリンレン3人に歌わせた時、
てっきりネタ要員だと思っていたレンが、意外にいい声で歌うことに気がついてはいた。
気がついてはいたが、気がつかないふりをしていたw
だってさ、女の子の声がせっかくあるのに、わざわざ男に歌わせなくてもいいやん。
イケメンは爆発でもしとけばいいの、的な気持ちがあったことは否定しない。

そんな、ずっと頑なにレンを拒んでいた私にレン曲を作らせたのは、
当時にゃっぽんでよく一緒に遊んでくれた、たくさんのレン廃の皆さんである。
どういうわけか私が仲良くなる人たちは、ことごとく並はずれたレン廃だった。
「レンかっこいい\(^o^)/」と一日中叫んでいれば、それで幸せな皆さんだったw


じゃあ、こんな曲かなと、
皆さんの潜在的なリクエストを察知して作った曲は、最初はすごく純情なレン曲だった。
でも、なんだか恐る恐る空気を気にしつつ作ったせいか、
あまり現実味がないというか、キャラ的に魅力がない気がして、
うん、これじゃ駄目だなともう1曲作ってみた。

大学の時に後輩のマリちゃんが、トロさん、女はね、いい人なんか好きじゃないんだよ。
やめてって言われてやめてるようじゃ、全然ダメなんだよ、もっと悪くならなきゃ!と、
そんなことを言ってたのを思い出し、
うん、そうだな、悪いレンを作ってみようと思った。

そして作ったのが「ウソツキ」という曲である。
この歌詞にはモデルがいる。
以前、一緒にバンドをやっていた、イケメン二人のバンドのドラムである。


この男はシンゴという名前で、しょうゆ顔(死語)のいい男である。
話し方も落ちついていて、男の私でさえ話してると、くそ、こいつカッコいいなと思ったりした。
以前は自分で会社もやっていて、見たことのないような美人たちにいつも囲まれていた。

若い時には誰にも経験があることかもしれないけど、
彼も根はいい奴なんだけど、女性と付き合う時にいろいろと誠実じゃなかった時期もあって、
いろんな子から逃げ回っていたような時もあった。

やがて、不況のあおりを受けて、会社はダメになってシンゴも生活する金にも困るようになった。
あれほどたくさんいた周りの人たちは、一気に彼から離れて行ったが、
可愛い彼女だけにはずっと困らなかったようだ。
今、シンゴも40代だが、こいつは今でもすごく可愛い女の子をいつも連れている。

そのほかにも彼はいろんな問題を起こしていて、私も警察からかくまってやったこともあった。
そんなこんなで、いろんな人との縁を切らざるを得なかったと聞いたが、
何故か私とは、今でも当たり前の付き合いがある。


「ウソツキ」のレンは、周りから見たら誰もが眉をひそめるような男だ。
でもシンゴみたいに、一時期は周りの誰からも見放されたような男にも、彼なりの正義感があって、
従うべき信念や、決して踏み外さない一線や、誰にもここだけは譲れないものを持っている。

それは、他人から見たらただの身勝手かもしれないけど、
私はそういう身勝手な正義が、あるいは正しいのかもしれないと思える詞を書きたかった。

人はそんなに違わない。
前にも書いたが、私が詞を書くときに根底にあるテーマだ。

どんなにしょうがねえ奴だと思われてる男も、話し合っても全く分かり合えない人も、
他人に迷惑ばかりかけてる人も、社会的に悪い人だと思われている人も、
震災のニュースに自分には何かできることはないのかと、誰もが思いを巡らしたはずだ。
多分、日本中の誰もがあの時そう思っていた。
ひとはどんなに違うように思えても、根っこではそんなに違うものではないのだ。


ということで、
「このレン、けっこういいな」と思わせたら私の勝ち。
そんな感じで私は「ウソツキ」という曲を作った。



ところで、この動画はイラスト選びから何から全面的にクロに任せた。

「お前はおれほど彼女を喜ばせているのかい?」という歌詞のところは、
私は、誕生日に花束買ってきたりとか、夜に足揉んであげたりとか、
そういう意味での「喜ばせているのかい?」って書いたんだけど、
どうもクロはもうちょっと色っぽい意味に取っていたらしく、
「悦ばせているのかい?」という解釈のイラスト選びになっていたww

にゃっぽんで「おまい、ここの歌詞の解釈間違っとるで~!wwww」と指摘したら、
いろんな周りのお姉さま方から「いや、クロさんは正しい!」と、激しいツッコミをもらったw

でも、この動画の最後に、
梨々さんの純粋無垢なレンの絵が入るのだけど、
これを見た時、ああ、クロには分かってもらえたという気がした。
悪い子もいい子も実は同じなんだと、そう動画で表してくれたと思った。

私にはこの最後のレンが、
浦澤直樹さんの「monster」と言うマンガに出てくるヨハンに見える。
育ての親を次々と猟奇的に殺害してゆく、美しい少年だ。