11:ひとみちゃん | クラフトPとろのブログ

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クラフトPという名前で、ボーカロイド曲を作っていたり

私がうpした曲の中で、1曲だけ女性の名前のタグが付いている曲がある。「サニーサイド」という曲に「ひとみちゃん」というタグが付いてる。

このひとみちゃんとは、大学時代の一つ下の後輩の女の子の事だ。

ひとみちゃんはまあまあ可愛いくらいの造作の子だったが、何故か時々、とんでもなく可愛い日があった。年齢と共に女性にはしばしばそういうことがあるということも分かってきたが、このころはそういう神秘的な事情など知らないので、いろいろとどぎまぎしたものだ。

恋愛話を書くつもりもないので結論から先に言うけども、ひとみちゃんとは恋人同士になったことも、なりかけたことも、大人の過ちも何もなかった。

でも不思議とウマが合って、一緒に映画を見に行ったり、ライブを見に行ったりした。

映画は何がいいと聞くと、当時流行っていた恋愛映画には目もくれずに、リバイバル上映の黒澤明監督の「七人の侍」がいいと言うような子だった。


彼女は自分が一生懸命になれるものをずっと探しているような子だった。多分私を友達と思ってくれたのは、私が音楽に没頭してることを知っていたからだと思う。何度となく、トロさんが羨ましいみたいなことを言われた記憶がある。

好みのタイプはと聞くと、他の女の子たちのように「優しくて、背が高くて・・・」みたいなことは言わなかった。彼女は「私も負けないように頑張らなきゃ!」と思える人がいいみたいなことを言った。

一瞬、それは私の事か?と思い過ごしたこともあったが、結局彼女は、私の知ってる限りではずっと彼氏を作らなかった。

私が音楽を続けることや就職活動のことなど、いろんなことで悩んで落ち込んでる時に、
散歩に誘い出して公園まで桜を見に行ったり、美術館に絵を見に行こうと連れ出したりしてくれた。



私の最近の曲を聞いて下さってる方にはピンときた方もいるかもしれないが、「君と城南線で」という曲も、彼女の事を歌っている。

大丈夫だよ、トロさんが出した答えなら間違いじゃないよと、進路に悩んでいた私に言ってくれたのも彼女だ。

博多にいた時には時々会っていたけど、私が実家に帰ることになってからは結局、二度ともう会うことはなかった。


「いこうよ。」の次にうpした「サニーサイド」という曲も、震災チャリティの九州コンピQusicに収録の「君と城南線で」も、同じひとみちゃんの事を歌っている。

「サニーサイド」は会わなくなった直後くらいに書いた曲だ。ずいぶん当時はセンチメンタルに思っていたんだなと、曲を聞いて思う。今になれば、客観的に当時を振り返ることができるけど、この頃は失恋だったと思っていたのかもしれないね。


そして十数年経って書いたのが「君と城南線で」。同じ期間について書いているのに、印象が全く違うんだなと思う。

内容的につじつまが合わないところもあるが、恋愛とはそういうものだw

年齢を重ねるにつれて、いろんな思い過ごしや、誤解や、強がりに気がついてくる。恋愛だと思っていたものがそうじゃなかったり、何気ない触れ合いが恋愛だったことに気がつく。

そして、あの人とずっと一緒に過ごしていたらどんな未来だったのだろうと、いろんな想像を人はしてしまうけど、そんなものなどどこにもないことにも気がついてゆく。

きっとひとみちゃんがどこかで私の事を歌詞に書いていたとしても、全くつじつまが合わないだろう。うん、男と女ってのは、人と人っていうのはそういうものだ。