6:歌詞は生もの | クラフトPとろのブログ

クラフトPとろのブログ

クラフトPという名前で、ボーカロイド曲を作っていたり

投稿した曲を1曲づつ解説していくつもりではないので、適当に要所を話していこうかなと思う。

でも、この曲のことはちょっと話したいな。

やきとりはちゅねの次に投稿した曲は、「弱虫の街」という曲だ。主コメにも書いているけど、この曲を作ったのは私ではない。

ギター始めてまだ1年にもならないクロが、とうとう曲まで作ってしまったのだ。ちょっとギター入れてよと頼まれたので、少しだけギターを弾いてるけど、基本的なオケもほとんどクロが自分で作った。




時々いろんなところで書いてるけど、私は曲やサウンドよりも歌詞重視派だ。曲を作る時は何よりも歌詞を最優先する。

クロの曲を聞いてオケやメロディにも驚いたけど、その歌詞にすごく驚いた。その後、彼女は数曲作って来て聞かせてくれたが、その作詞能力はすごく高いと思う。

ニコニコで好きな作詞家さんは数人いるけど、仲間としてのひいき目じゃなくて、Asaki,No9さんや裏花火さんやピノキオPさんと一緒に名前上げるくらいに良い歌詞を書くと思う。

とにかく私は、この数か月前までずぶの素人だった人が、ギターを覚え、いい歌詞を書き、曲を作って音にちゃんと仕上げてきたことにすごく感動していた。



ところで少々話は脱線するけど、学生時代の私は今とは違って歌詞なんてどうでもよかった。

オリジナル曲作るということは、いいメロディーにいいコード進行をつけること、それだけだった。「今夜は朝までオールナイトで踊り明かそうぜベイベ―!」みたいな歌詞を平気で書いてたw

そんなアホバンド学生だった私がちゃんと歌詞を考えて書くようになったのは、その頃に新しく参加したバンドのボーカルの影響だった。

タカオという名前のボーカルで、出会ったのは「こども劇場」という、地域の子供と触れ合いましょうという団体のクリスマスパーティーだった。

高校の時の女友達の友達のショーコちゃんっていうとてもセクシーな子に、クリパあるからトロ君もおいでよと誘われて、脳内ではどエロいクリパを想像しながらノコノコと出かけて行ったら、思いつく限りこの世にこんな健全なクリパある?ってくらい超健全なクリパに騙されて連れてこられたw

そこで、子供たちと一緒にゲームしたりお遊戯したりして遊んでたら、トロ君、ギター弾けるんだよね、何か弾いてよとご指名がきた。

何だかすごくやりにくい空気だなおい・・・と思いながら、じゃあギターは弾くから誰か歌を歌ってよと言うと、じゃあ歌はタカオ君ね!と、今度は別の男が歌のご指名を受けた。

きっと彼も、私みたいに騙されて連れてこられたんだろう、奥の方で少しふてくされた顔して座ってた男が、あんた何弾ける?と聞いてきた。

その言い方がすごく生意気に思えて、少々カチンときたので、少しばかり意地悪な気持ちも入ってたかもしれないが、私は、じゃあブルースでいい?と聞いて、返事も待たずにEのブルース進行を弾き始めた。

確認してはいないが、タカオも私にカチンときてたんじゃないかと思う。コード進行ひと回ししたら、めちゃめちゃでかい声でブルースっぽいフレーズを歌いはじめた。歌詞はその場で空気に合わせて即興で作って歌っていた。

タカオは何というか、すごくアツくてすごくいいボーカルだった。どういうことを歌ったか忘れてしまったけど、子供たちを笑わせながら何人かの仲間たちをいじるような詩だった。

そして、パーティが終わった数日後、タカオからバンドに誘われて、私は結局それを引き受けた。


そのバンドではオリジナル曲だけをやって、私とタカオで半分づつくらい曲を作った。
私があいかわらずテキトーな詞を書いて曲を持って行くと、おめーの曲はまあまあだけど詞は全くくだらんなと毎回毎回全部書き直された。

タカオはよく私の部屋でその場で歌詞を書き直してたが、この言葉じゃメロディーが台無しだとか、この頭は「か」じゃないと意味がないとか、そんなことをブツブツ言いながら歌詞を書いていた。

私は、そうか歌詞ってそういう風に書くものなのかと、だんだん歌詞書きにも口出しをするようになっていった。

私はいつしか「夜の街をエンジン全開でぶっ飛ばそうぜ~!」みたいな歌詞は書かなくなっていた。


で、スタジオやライブでは、タカオは毎回歌詞が違った。

ソロやバッキングが毎回違う私にそんなこと言う権利はないんだけど、タカオに毎回歌詞間違ってるやん!と指摘してみたら、今日はそんな気分じゃないからさ、これは今日verの歌詞だというようなことを言った。

ライブではソロの長さが違うのは毎回の事で、あの曲は今日は1番はアカペラにするからみんなは2番から入ってこいとか、練習でもしたことないことを本番数分前に言いだすようなこともよくあった。

サビは何回繰り返しというのも守られたことはなかった。私がエンディングのフレーズ弾き出すと、私の尻を蹴ってまだ終わらないぞと合図を出して、1番のアタマから歌い出すこともあった。

歌詞も演奏も音楽は生ものだと、彼はよく言った。


脱線が長くなったかな。

そういうボーカルに巡り合ったことで、私はだんだん歌詞をとても大事にするようになった。今では、歌詞を読んでもらうための手段として音楽をつけてる気さえする。


クロの話に戻ろうかな。
もしよかったら、是非この曲を歌詞をちゃんと読みながら聞いてほしい。
その後クロが作った曲で、「シロネムカタリ」という曲だ。

あの全くギターが弾けなかったド素人が、一生懸命練習をしてこれほどの曲を作った。
どうか聞いてあげて下さい。



薄々気がついてくれてる方もいらっしゃると思うけど、クロは今はもうクラフトPの動画担当ではなく、「よしのん」という名前で立派にPのひとりとして自分で曲を作り活動している。

ちなみにケンカ別れしたわけじゃないよ。時々一緒にカラオケ行ったりしてます。