『ざくろちゃん、はじめまして』 藤崎彩織著  水鈴社

 208p

 

こんなに幸せなのに、幸せだと気づくのは何て大変なのだろう。

妊娠後、コントロールできなくなった心と体。膨らむ被害妄想。
スタジオから直行した出産、ステージ上での失禁、愛しい息子の誕生後に夫婦で襲われた産後うつ。
そしてメンバーからのメールに涙した日ーー。

一人の女性として、妊娠・出産、育児の壮絶体験を包み隠さず綴り、切実な願いを込めた、爆笑&感涙の傑作書き下ろしエッセイ!
子どもを生んだ人、生まなかった人、生むかもしれない人、そして男性にこそ読んで頂きたい1冊です。

結婚することになった時、すぐにSEKAI NO OWARIのバンドメンバーとスタッフに言わなくては、と思ったことがある。
「結婚するということは、妊娠したら出産するということだからっ」
啖呵を切ってみた私にも、実際よく分かっていなかった。
それは、未開の地を開拓するようなものだったーー。
(本文より)

SEKAI NO OWARIのSaoriちゃんの著書です。

一人の女性の妊娠から出産、そして育児を綴ったエッセイです。

先のスケジュールが決まっている中での妊娠は大変だっただろうなと感じます。

それだけによくここまで書いたなというのが実感です。

確かこの期間は途中からさおりちゃんを除いたメンバーで活動していたはずです。

そのメンバーへの感謝と切実な感情が伝わって来ました。

出産が近づくにつれて動けなくなる焦りと子育てへの期待と不安は、どの立場でも一緒なのですね。

決して妊娠から出産までの過程が順調でワクワクするようなことばかりではなく、バンドメンバーの一員としてはマイナスのイメージになりそうなことまで包み隠さず書いているのには少し驚きました。

でも影響力のある方だからこそ伝わることもあるのでしょうね。

特にセカオワのファンには男性も多いので、育児までの過程を知ってもらう良い機会になるのかもしれないと感じます。

出産までの日々も大変ですが、首が座るまでの育児も本当に忍耐が必要で、その時期に夫婦二人で赤ちゃんに向き合うことはその後の家族に大きな影響を与えるのではないでしょうか。

そういえばこんなこともあったなと自分自身の育児を振り返って、懐かしく感じました。

 

エッセイとしてもとても面白かったです。

ただセカオワのファンとしては、Saoriちゃんの私生活をのぞき見しているような照れ臭さもありました。

そしてパートナーと一緒にMVを作ったりコンサートの演出を考えることができるSaoriちゃんがちょっぴり羨ましくも感じました。

プロだからこそ大変な面もありますが、みんなから祝福されて温かく迎えられていることがよく分かります。

普通という定義は難しいのですが、一般的に働いている女性は妊娠出産でここまで周りの協力を得られることはあまり期待できず、多くの時間を一人で戦わなければならないので、その点は違うなとも感じました。

 

でもセカオワの応援隊長の息子さんの成長を見守っているようで、まるで親戚のおばさんのようでもあります。

滅多に単行本は買わないのですが、やはりすぐに読みたくなりました。

セカオワのMVに応援隊長の姿がちょこっと映っていますが、あんな小さな赤ちゃんがこんなに大きくなるのだなと感慨深かったです!