『物産展の女』 桑野一弘 メディアワークス文庫
288p
伝説の凄腕バイヤーが、あなたに「本物のグルメ」をお届けします!
老舗百貨店かねた屋の食品バイヤー・蓮見春花は、社運をかけた九州物産展を担当することに。張り切る春花の前に突如、謎の上司が現れた。
「あなたにバイヤーの資格はない!」
真っ赤なスーツにサングラス。奇妙な姿に圧倒的オーラを纏う女、御厨京子。どんな気難しい店主も口説き落とし、関わる物産展は軒並み大成功。本物を見極める厳しい目と強引な手法で恐れられる、伝説の〈物産展の女〉だった――!
型破りな御厨に振り回されながらも、人の心を動かす彼女の哲学に春花も変わっていく。
伝説の女が、食を通して、人を、世界を変える! 老舗百貨店を舞台に、食のプロたちが命がけで見つける、極上のおいしいグルメ。
初めての作家さんです。
老舗百貨店の商品バイヤーが主人公で、物産展を担当する。
これはもう面白いに決まっているのではないかとタイトルを見て即決。
ほぼジャケ買いです。
ただでさえ物産展は話題になります。
よくテレビでも取り上げられています。
その百貨店の物産展で伝説の凄腕バイヤーが選ぶ「本物のグルメ」ですから見ものです。
お仕事小説ではありますが、人情ものでもあります。
悪者がいないというのはホッとします。
そして良いものを届けるためには、やっぱり人となりなんですよね。
いくら目利きでも人を動かすのは情熱なんですね。
美味しそうなものがたくさん登場します。
すぐにでも物産展に行きたくなりますが、なかなか開催されないのですよね。
待っていた物産展でも朝からすごい人で、限定品はほぼ入手不可能。
でも地元まではそう簡単には行けなくて。
仕事の転勤や旅行で行ったその土地でしか食べられないものに会えるチャンスの物産展。
有名どころのものだけでなく、レアな商品も扱って欲しいです。
でもそこには苦労があって、というところも描かれています。
美味しいものが食べたくなります!