『マヨナカキッチン収録中』          森崎 緩著      双葉社 

320p

 

テレビ番組制作会社で働く浅生霧歌は、深夜の料理番組『マヨナカキッチン』アシスタントプロデューサーだ。
ライフプランなんて考える暇もない忙しさに、「このままでいいのかな?」と迷いを抱えつつ、誰かの心に残る番組を作りたいと仕事に奔走する浅生。
不機嫌な出演者、ロケでの連絡ミス、深夜におよぶ編集作業……番組制作の現場にはトラブルが付き物だ。そんな時、浅生は得意の時短料理でいざこざを解決していく! 
働くすべての人に贈る、明日からちょっとご飯が作りたくなる、お仕事×お料理ストーリー! 

 

毎日慌ただしくて、ホッとしたい夜や週末におすすめの一冊です。

主人公の明るさに救われます。

地元密着ケーブルテレビ局では番組を作るために、企画から構成、台本、取材許可、撮影、コミッショナーへの許可申請、編集、完パケに至るまで、一人で全部やらなければならないんですよね。

責任取るのも番組担当者。

とにかく穴は開けられないので、締め切りギリギリまで走り回る日々。

その様子がとてもよく描かれています。

疲れ果てても、おいしいお料理があれば頑張れる!

でも上司も仲間も良い人たちです。

食材が揃えられるのはささやかな役得!

小さな事件は多々起こるものの、何とか解決に結びつきます。

数時間でサラッと読めるのでストレス解消にどうぞ!

 

かのいう私も地元ケーブルテレビ局の経験者です。

重いカメラと三脚を担いで走り回っていました。

締め切り近くなるとテレビ局で徹夜したりもしたな。

揉め事はありましたが、それでも仲間がいたから乗り越えられました。

ここで習得した技術のおかげで少しだけ仕事もいただいています。

アクデントはつきもので、大変だったな。

もうほとんど完成していた番組の保存ファイルが全部消えたことも。

そして何より、たくさんの人たちに出会えたことが宝物になっています。

怒られたことも懐かしいです。

ご紹介したお店もだいぶ様変わりしました。

そしてテレビ局も解散してしまい、今は番組と仲間だけが残っています。

またいつかテレビ局で企画を立ててみたいです!