『紙屋ふじさき記念館 麻の葉のカード』 ほしおさなえ 角川文庫
第1巻(全7巻)284p
編集者の母と二人暮らしの百花はある日、叔母に誘われた「紙こもの市」で紙雑貨の世界に魅了される。会場で紹介されたイケメンだが仏頂面の一成が、老舗企業「紙屋ふじさき」の親族でその記念館の館長と知るが、全くそりが合わない。しかし百花が作ったカードや紙小箱を一成の祖母薫子が気に入り、誘われて記念館のバイトをすることに。始めはそっけなかった一成との関係も、ある出来事で変わっていく。可愛くて優しい「紙雑貨」に、心もいやされる物語。(amazon)
紙が好きな人にはたまらない本です。
特に和紙の種類と説明がとても丁寧に書かれています。
この物語に出てくる「紙こもの市」があったらすぐにでも行きたい!
でもお金がいくらあっても足りなくなりそうです。
主人公百花はこのイベントで紹介された仏頂面の館長と出会い、誰も訪れないような記念館でのアルバイトを始めます。
あまりにも表現が下手な館長につい苦笑いしてしまいます。
でも「紙」を通して次第にその関係性が変わって行きます。
中途半端ではなく、徹底的に何かを好きになるって大切なことですね。
少しもどかしくて、でも追ってしまう。
優しくてホッとするストーリーです。
帯に書かれている「紙っていいなあ。持っているだけで、しあわせになるよ。」が実感できる方はぜひ読んで欲しいです。
まだ1巻しか読んでいませんが、次が楽しみです。
数年前になりますが、「紙」が鍵となる脚本を書いたことがあります。
撮影も95%以上済んでいて編集も始まっていたのに、お蔵入りになってしまいましたが、
その資料を探すために「TAKEO 青山見本帖」さんに伺い、紙を見せていただきました。
白を基調としたとても整然とした静かな店内でしたが、棚やテーブルにはたくさんの紙見本があって、実際に手に取って見ることができました。
紙に関して全くの素人でしたが、とても親切に対応していただきました。
ちょうどその時に、購入特典としてさまざまな紙で作られた名刺の見本が入った小箱をいただきました!
厚さも素材も様々で、見ているだけで楽しくなってしまいます。
コストはかかりそうなので、まだまだ大量には作れませんけれど。
紙見本もいくつか購入し、取り出して眺めてはニヤニヤしていました。
でもまだほんの一部なんですよね。
紙は奥が深いです。
物語に出てくる本の装丁も、実際の紙で作ってみるとイメージを掴むことができて、とても良い経験になりました。
いつかちゃんと映画化できると良いな!