コバ磨き機のルチデッツァについて、モーターが信じられないほど値上がりしたり、そもそもメーカーによっては完全に生産終了(おそらくインバーター機以外は今ではほとんど必要とされないために)してしまった関係で、かなりの値上げをしなくてはならなくなり生産販売を終わろうかと思ってました。

しかしそれでも欲しい人はいるようなので、材料変更やらなんやら調整が大変でしたが販売継続することにしました。


モーターは日立が100vの交流モーター生産をやめたので、東芝の設計図でOEM製造しているムライ機器のものに変更しました。

スペックは全く同じで、東芝の設計図で国内生産という事もあり品質はかなり良いです。

塗装ムラとか見た目に関しては日立より丁寧な仕事な感じがします。


他の変更は、フレームを厚みを調整しなくても良くて安定して手に入る集成材にしたこと、粉塵の侵入防止フィルターをつけたこと、細かいところだとヘッドパーツの切削精度を上げました。

芯をより正確に出して木工旋盤で削れるようになったので、回転時の振動が更に減ってます。

価格上げましたからね。

やれるだけの事はやらないと。

元とれるかわからんけど…。


色々変更あったのでホームページなども修正していたのですが、ふと気づきました。

なんと2016年から作ってる。

つまりクオイオproを作り始めてクラフトノラをしっかり始めた時からルチデッツァも作ってるんです。


この頃のものは価格はかなり安かったですが精度は今よりかなり悪くて、他の細かい部分も今ならやらないような褒められない仕上げになっていて、今思えば申し訳ないくらいで…。

この頃なりには良いものを作ったつもりでしたが、工具や知識が足りなかったのは明らかでしたね。


クオイオproも最初期と比べたらめちゃくちゃ品質良く安定したものになってますし、数を作る事、常に考えながら作る事、仕事として作る事の重要さがよく分かります。
最初にあれだけ自信満々に設計したはずなのに、1年、2年と作り続けていると改良点が思い浮かんじゃうんですよ。
僕のところはすぐに改良を反映できるので、価格に影響がなければどんどん改良していっちゃいます。
どの製品でも、だいたい3年くらいすると完成する感じはしますね。

それだけに完成したものが、材料廃盤の危機になるとかなりキツイです。
何回かありますがお腹痛くなります。
代替材料探してテストし直して…なんとかなればいいですがダメな時もあるかもしれません。
なので、設計時点でそうなりにくい材料、例えばクオイオのトグルクランプのように規格が決まっていてほぼ同じ形状で世界中のメーカーが作っているものや、鉄工所に頼めばどこでも作ってくれるものなどを優先的に使用するようにしています。
これも8年の道具製作の経験の賜物です。