薪ストーブでピザを焼く。

実に美味しそうな響きですよね。

オーブンレンジより簡単に美味しいピザが焼けそうな気がします。

だがしかし、実際にはそんなに甘くありませんでした笑い泣き


事の発端は友達宅に導入されたペレットピザ窯でピザパーティに子供とお呼ばれしたこと。

ここの旦那さんは静岡の有名料亭の板前なので、めちゃくちゃ美味しいピザが出てきたんです。

子供が毎日「ピーザ美味しかったねぇ!」と言ってくるくらい感動したようで、それなら自宅でもたまに食べさせてあげたい、工房には薪ストーブがあるから余裕だろ!という感じでした。


甘かったネガティブ


薪ストーブってのは火源が常に下なんですね。

だから普通に焼くと、チーズが焦げて美味しそうな香りがしてくる頃にはピザの裏側は丸焦げです。

ペレットピザ窯なんかは、火が全て上から出るようになっています。

レンガで作ったピザ窯も火が天井を温めてその輻射熱で底が熱くなってる感じです。

要するにほぼ上火だけあればOKみたいな事なんで、薪ストーブは全く逆なわけです。


でもうちには薪ストーブ、しかも蓄熱性の低い鉄板薪ストーブしありません。

これでうまく焼く方法を模索しました。

たどり着いたのはこれ。


岩鋳のピザパンです。

鋳物メーカーがピザを焼くために作った取手が外れるスキレットです。

薪ストーブ内に五徳(クッキングスタンド)を入れて熾火から離し、スキレットにピザを乗せて炉内に入れます。

これだけでうまく焼けるんですよ。


ただ、本当に良い状態=ピザ窯に近い状態で焼くには上から高温が降ってきて、空間の温度が400度くらい欲しいんです。

となると、我が家の薪ストーブでは上に蓄熱体を置いて、更にその上に断熱材を置いて炉内温度を上げつつ蓄熱体の高温を維持しなければなりません。

ピザパンで出費が大きかったので家にあった耐火レンガと、薪ストーブ煙突用断熱材を使用しました。

断熱材が無いと昇温に苦労します。

この断熱材は折りたたむたびに崩れていっちゃうんで、何か他の良いもの探したいですね。


ここまでやれば本当に完璧、鉄板薪ストーブでもピザ窯で焼いたようなピザが焼けます。

1分半くらいで少し強めの焦げがついた焼き目になります。

サイズもジャストサイズ。

今回は生地じゃなくて半完成の伊藤ハムの安いやつを使って、追いチーズしてます。


裏はこんな感じ。

良い具合に焦げてます。

表面だけの焦げなので、外はパリパリ、中はモチっと焼けてます。


ポイントは窯の中、特に上部を高温に維持する事。

あとかなり重要なのが投入時のピザパンの温度をなるべく常温にする事です。

スキレットで料理をする時のメリットは蓄熱性により高温を維持できる事ですが、薪ストーブでのピザパンにおいては真逆です。

蓄熱性により昇温を穏やかにする事で、下火が強すぎる薪ストーブでも、上火とのバランスをとって底が焦げる前に具材を加熱できるようになります。


連続して焼くときは、ピザパンを少し空冷か濡れ布巾で緩やかに冷ましてから流水で一気に冷ましてしまえば良いです。

出していきなり冷水は鋳物が割れるかもしれないので避けた方がよいと思います。

しっかり水気を拭き取れば連続して焼けます。


薪ストーブの種類や、ピザ生地が生か調理済みかなどで最適な条件は変わると思いますがとにかくなるべく上部の温度を維持できるようにってのを意識すれば失敗しないはずです。


薪ストーブで焼くつもりのない人は、ペレットピザ窯を買うことをお勧めします。

今回のピザパンとクッキングスタンドだけでも1万円以上かかりますが、ペレットピザ窯は3万円程度から買えてそっちの方が上手く焼けます。

友人宅に導入されていたのはカブトでしたが、ウニのピザ窯もかなり評判良くてカッコ良いため迷ったそうです。