我々が使う製品で、強度が必要なもの、機械類や工具類の多くは鉄でできています。


つまり、ほとんどの物は折れても溶接機で直せます!


まぁ、そうは言っても室内で使えるもんでもないのでハードルは高いですけどね。

僕みたいに機械と工具に囲まれて、それを使って生活費を稼いでいる人間にとっては溶接機はお友達です。


半年くらい前にボール盤の部品の溶接部分が折れてしまいました。

天下の東芝製ですが、そこはモーター横で振動がものすごくあるのに簡単な点溶接で非常に甘い作りなので疲労で折れた感じです。

あのメーカーは全ての製品においてそういう甘いものづくりから脱却できなかったから凋落したんでしょうね。

半年間バイスクランプで固定して使っていましたが、暇があったので溶接してしまいました。


普段慣れていないと、溶接はやり始めるまでに腰が重いです。

まず、機械が馬鹿みたいに重いので出してくるのが面倒くさい。

音と光が怖いので「ヤダなぁ〜」という気持ちと闘わないとならない。

バチバチとスパッタが飛んで危険なのでそれなりの準備をしないといけない。

など、割と面倒です。


ベストマイフレンド溶接機君、MiG130。

中国製激安半自動溶接機です。

もう10年くらい使ってます。

壊れませんねぇ。

素人は、半自動溶接機にしておいた方が無難かもしれません。

棒での溶接はかなり難しいし怖いです。

ワイヤーが割高ですが、そんなにたくさん溶接しないし。

単相200Vなので一般家庭でもソケット形状を合わせればエアコンのコンセントで使えます。


革手袋、革エプロン、溶接面をフル装備して、溶接箇所周りを安全に養生して、バチバチっと。

怖いんで心拍数上がります。

出来上がりはこんな感じ。

超下手くそですねぇ。

でもガッチリ3箇所溶け込んでるのでもう大丈夫でしょう。


溶接する時にまず大事なのは安全性。

本気で危険なので、火災と感電に注意します。

あと溶接面は目を保護するためのものなのでこれだけはケチらずにスズキッドなど有名メーカー品の自動遮光のものにした方がいいと思います。

自動じゃない方が安全ですが、光る前は見えないので素人には使えません。

火花が飛び散るので手袋とエプロンも必須。


その次に溶接箇所が確実に溶接されているかどうか。

素人だと、派手な音と光で溶接されたと思い込んで溶け込む前に離してしまって、表面にくっついただけになっていることが結構あると思います。

流石に鉄なんで溶けるまでは少しですが時間がかかります。

恐怖心と闘いながら光り輝く溶接部をしっかり観察して溶け込んだのを確認して下さい。

単なる個人的な修理なら仕上がりはどうでもいいです。

ワイヤーはガスを使わない場合がほとんどだと思うので、その場合はノンガス用フラックスワイヤを使用して下さい。

要するに溶接の瞬間に大気を遮断したいので、ガス溶接できない場合は、フラックスをガスの代わりにします。


しっかり溶接できて修理できた時は感動ものです。

こんなもんでも鉄工所に依頼して直してもらってたら高くつきます。

怖いけど楽しいので工作好きな人は是非やってみてほしいですね。