年寄の大工がどんどん引退する中、今じゃ使われなくなった専門性の高いカンナやノミなどの古道具が中古市場に溢れ出ています。
流石にすぐ使える状態のものは高い値段で売買されますが、錆や欠けなどがあるとただ同然の場合も多いです。

今回、底取りカンナが必要になったので、ヤフオクで底取り3個と、け引きのセットを購入。
刃の欠けと錆がそれなりにありましたが、鋼そのものと台の状態は非常に良好。
送料込み1800円ほど…うーん安い口笛

ダイヤモンド砥石で欠けを取って、後はいつも通り研ぐだけです。
特殊カンナは研ぎ治具が使えないので刃の角度を維持して研ぎます。
大工始めた頃、馬鹿みたいに研がされたので久しぶりでも手が覚えてますね。
研ぎ上がればピッカピカ。

あとは押さえ金を曲げたりして直しながら台にしっかり収まるように調整して終わりです。
終わってみれば綺麗に収まり、これは良い買い物でした。


普通のカンナですら使う機会は面取りくらいでほとんど無いのですが、この手の特殊なカンナは数年に一回使うかどうかです。
勤めていた工務店に一揃いあったので自分では持っておらず、いい機会なので独立してから少しずつ揃えています。
ほとんど使わないから刃も減りませんし、一個持っていれば死ぬまで使えますねチュー

とりあえず雨戸の修理に使う予定がありますが、その次はいつになるやら…通気の良いところに置かないとまた錆びてしまうので、棚にでもディスプレイしておこうかな。

このカンナも捨てられる事なく僕のところに来てラッキーでした。
錆びてはいましたが物が良く、丁寧に使われていた雰囲気がありましたし、前の持ち主はそれなりに腕が良かったと思います。
道具を大事に扱って、整備できる職人は腕が良い。
第二の、もしかしたら第三第四かもしれませんが、カンナ生を歩んでいく事になります。
僕が仕事辞める時は、その時の若い職人でやる気と腕のある奴に機械から道具から全部タダでくれてやろうと思っています。

良い道具は整備していればいつまでも使い続けられますからね。
これからも中古機械と古道具と共に生きていきたいと思います(笑)