木工をやっていると必ず出る木屑や端材、ただ捨てれば産業廃棄物ですが、それを使いたい人が必ずいるタイプのゴミです。

大きい端材は薪ストーブの薪になります。
小さい端材でもボイラーの燃料には十分。
チップ状でも紙原料や雑草除け、バーク堆肥になります。
薄いかんな屑なら柔らかいので家畜のベッドになります。
粉末でも家畜の糞と混ぜれば堆肥原料になります。
欲しい業者は買ってでも用意しているわけです。

ただこれ難しいのが、需要と供給の間に物理的な距離があると、経費>木屑となってしまうことが大半で、産廃にするか木屑を専門に扱うチップ屋などに「有料」で引き取ってもらうのが1番安い場合が多いです。
まぁ、このチップ屋に行く分は、だいたい紙になるらしいので(最近中国の段ボール需要が増えていて取り合いらしいです)有効利用ではあるのですが、少量持っていっても金取られるんですよね叫び
それで稼ぐくせに釈然としないわけですよ。
この有料の部分がプラスと言わないまでもゼロになって、さらに誰かに喜んでもらえるなら尚更良しなんですが、なかなかそう上手くいかないんですね。
(ダンボールといえば最近は回収ステーションが一般的ですが、僕が大工仕事を始めた十数年前でもあまり無かったので、大量に出た時は古紙回収屋を呼んでました。)


うちでもゴミにならないのは薪になるサイズまでで、それ以下は全て廃棄処分にしています。
使い道はないけどとても勿体無いなぁと、いつも思いますが、取っておくと凄まじい嵩(木屑は削ると元の木の数倍に膨れます)になるので出たそばから捨てちゃいます。

今日、欅をドリルで削っていまして、やっぱりこれもそれなりの削り屑がでます。

全てケヤキで、このドリルの場合、粉末はほとんど出ずに大きすぎず小さすぎずというチップ状になります。
これを見てて思いつきました口笛

燻製できそうじゃないですか?爆笑
数年前に思い付きで、ちょっとやったことあるんですけど、その時は桜のチップを用意してやりました。
燻製っていったら桜かヒッコリーというイメージがあったので。
でも、ケヤキを燃やしたときの香りを思い出すと、甘いような、それでいて香ばしくてコクのあるような、とにかく良い香りなんで絶対いけるだろうと。
生っぽい時は、めちゃ臭い(すこしアンモニア系…)時もあって、乾燥しても削って粉末状にするとけっこう臭いんですけど、燃やすと本当良い香りしかしないんです。
臭い匂いも薄まると良い香りに変わる、香水みたいなものですかね。

調べてみると、主流では無いもののスモークのお店でも販売しているくらいなので使えるみたいです。
これはやらない手はないですねグッド!
自分でやってもいいし、上手くできたら格安でチップを販売してもいいかもしれない。
いや、スモーク・ノラでも開業しようか…。

妄想は膨らみますが、問題はこのくらいの綺麗なチップはそんなにでないという事。
まだ稼働していませんが、大型の自動かんな盤で削ると、もっと薄くて幅の大きいかんな屑になってしまいます。
そして最も量の出る木屑がこのかんな屑です。
これが使えるのかどうか。
木工所にとって、厄介さと有益さの狭間にいる木屑と言えるのがこの自動カンナ盤の削り屑です。

近場に牧場などがあると買取で持っていってくれたりするらしく非常に有益なものになります。
が、そういうところが近くに無いと、嵩はものすごく増えて、量もでて、薪ストーブでは燃やし難く、そこらへんに播いても腐りにくく消えない、お金払って引き取ってもらうしかないものになります。

やはり木工や建築ではみんな同じことを思うようで、固めて薪のように使えないかと試行錯誤して失敗している人が多数いましたね。
固まりそうに思えるんですよ。
ところが木って削って薄くなってもかなりの弾力があって、ちょっと押し込んだくらいでは固まりません。
逆に発熱するくらいのすごい力で押し込むと木材に含まれるリグニンという成分が接着剤のように作用して固まります。
これを応用したのが、ペレットやブリケットのように木屑を固めた燃料になります。
じゃあ固めればいいじゃん!解決!!と思いますよね。

しかしながら、これを作るためには数十〜数百万の機械が必要で、毎日木屑を固め続ける日々を送らなければ元が取れないでしょうアセアセ
うちでは、出ても月に100キロ程度なのでお話になりません。
とは言え、最近薪ストーブを使っている家は増加傾向で薪不足らしく、畜産業は廃業や郊外の大規模なところに集約が進んで近場にはないとなると、薪にするというのは悪い選択肢じゃないような気がします。

ただ機械の単価が高過ぎるのと、製造に時間がかかり過ぎるようで、やはり少量個人では到底採算が合いません。
何か新しいアイデアで安価にそれなりの薪が作れたら、これは金脈になる気がしますイヒ