サイクロン部分の形状を考えてみます。

1番普通というか、よくある形状のサイクロンがスイデンの製品のようなものです。(約9万円)

まっすぐな円筒の下に円錐を繋ぎ、円筒部に横から吸入口を差し込むという簡単な形状。
簡単だから性能は、そこそこなのか?というと、実はこの真っ直ぐな円筒に円錐という形が最も粉塵分離能力が高いそうです。
だから工業用のマルチサイクロンも基本的にはこの形状になっています。

ハイ次、oneidaのスーパーダストデピュティ(サイクロンのみ約2.3万円)のような上部が螺旋状の整流板になっており、そこから先はそのまま円錐の形状になっています。
もちろん円筒部があるものもあります。
ヘリカルトップ型サイクロンと言うそうです。

整流板があるメリットは、気流がよりスムーズに流れることで圧力損失が少なくなる事です。
つまり、いくらか低出力の集塵機でも動作するというとことになります。
ただし、極小さい粉塵の分離能力は、通常より僅かに落ちるみたいです。


次に入り口形状ですが、これは四角で、なるべく筒部分外壁にスムーズに接続されているのが良いみたいです。

図をみればわかりますが、吸入口が壁から離れていると入り口付近に乱流が発生します。
これは、なんのメリットもないので右図のように壁にフラットに接続されている方が良いです。
丸より四角というのは、丸ではフラットに付けるのが不可能だからという事もあると思います。

スーパーダストデピュティに関しては、吸入口は四角で、非常にスムーズに接続されていました。
プラスチック素材のメリットとして、形状の自由度が高く、またそれを安価に実現できることがあります。


円錐部の長さは、長いほど分離能力が上がり、引き換えに圧力損失が増えるという相関関係にあるようです。

内部は、滑らか=抵抗が少ない程よく、超高効率のサイクロンでは、鏡面加工を施しているくらいです。


現時点での結論をまとめてみます。

分離能力を極限まで求めるならスイデンのような形状が良いが、そのコストパフォーマンスが果たして高いのか?というのがまずあります。
今、ダストデピュティの小型のものは使っていますが、この集塵効率はかなり高く、木工であれば十分なレベルだと思っています。
正直なところプラスチック成型品は、コストパフォーマンスが非常に高く、また静電気による発火の心配も全くないため、大半の場合これで十分に思えます。(アメリカでは、かなり普及していますが、発火事故の報告は一例もないそうです)
ただ、使用後に粉塵が張り付いていますから、もしかすると静電気が内部抵抗になっている可能性もあります。
あるいは、静電気によって粉塵が壁面に吸いつけられ、そのうち大型のゴミに巻き込まれて下に落とされて効率が上がっている可能性もあります。
ここら辺は、実際のところはよくわかりません。

また、サイクロンには適切な風量風速があり、サイクロンが大型になり、圧力損失が大きい物になると、比例して大型の集塵機が必要になります。
それだけのものを入れるメリットよりもデメリットの方が大きいかもしれません。
逆に小型のサイクロンに強力な集塵機を接続すると全てのゴミが分離されずに集塵機に吸い込まれてしまいます。

当たり前と言えば当たり前ですが、何を吸い込んでどこまで分離したいのか、というのをまず考えて、予算内でどこまで理想に近づけられるのか、または、予算が潤沢だとしても性能過剰にならないように気をつけるのがポイントかと思います。

ただ、サイクロンの実際の性能は、シュミレーターでも正確な再現が難しく、実際の現場で使ってみないと分からないことが多く、お金を払って設置するまで何もわからない場合も多いと思います。
オフコーポレーションのような店舗のあるニッチな道具屋なら徹底的に試せるので、ダストデピュティに関しては事前に試せます。
それでも、量をこなした時どうかということは、試しようがないですが。