日本車メーカーはリスク管理の後進国か? | 修理屋キヨシのブログ/武内自動車整備工場

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はじめまして!兵庫県たつの市揖西町で車の修理屋をしているキヨシです!日々のいろんなことを書き連ねたいと思いますので、どうかお付き合いくださいね!

皆様、あらためてあけましておめでとうございます。

実は、だいたい年2回ぐらい、当ブログでは3話構成とかのキヨシがブツブツ書くブログをやっていたのですが、

昨年後半はこれができておりませんでして、

 

要はなにもアイデアが、降りてこなかったんですね。

 

これは、自動車業界に、あまり自分的に大きなことがなかった、

「安定の年」

 

だったのかもしれませんが、ちょっと余裕がなかっただけかもしれません。

 

でもね、11月ごろから実はちびちび書いておりましたので、それをきちんと書きあげて、やっとブログに持って参りました。

 

 

唐突ですが、

ふと、工場においている扇風機のステッカーが目に入ったときのことです。

 

なになに?

 

2014年に作られた品物で、標準的には5年使えますよ。

それ以上、使うのは、リスクがありますよ、

そしてこれは、製品の性能を保証する期間ではなくて、どちらかというと、

使用限度の目安となるものですよ、

 

という趣旨のシールですね。

 

このシールを、見た瞬間、はっとするものがありました。

 

発端は数年前にまでさかのぼるものの、今も火の消えていない問題でもあります、

 

タカタのエアバッグの問題ですね。

 

タカタというメーカーのエアバッグの製造不良に基づく話です。

 

ほかのあまたのメーカーのあまたの不具合においても、

 

たとえどこの下請けの部品を使っていたとしても、普通は、その自動車メーカーの、看板のもとにおいて、リコール対応というものはされているはずなのに、なぜタカタのエアバッグは下請け企業の名前が大きく広まったのだろうか?

いまとなっては、リコール対象の範囲のあまりの大きさに、それも仕方がないとは思いますが、

 

たとえ、OO製の□□装置についてリコール

 

と、記載の封筒が来たとしても、お客様の対応の矢面に立つのはその自動車を販売したメーカーであるはずでして、

そのリコールの発端からすでに、

声高にタカタを、連呼した、メディアに対して、何か流れるお金のあったものもあるのではないかと、邪推するものがないでもないキヨシです。

 

タカタのエアバッグの異常爆発のメカニズム予測について、

公式発表においては、アルミのケーシング不良による、火薬に対する湿気の吸引からの異常爆発と、その湿気によるケースのアルミの腐食によるケースの破壊というような趣旨で、発表されています。

しかし、米国で湿気の少ないエリアでも、同様の不具合が報告されていることから、違うなにかも抱えているのではないかということも危惧されています。

 

さるルートの人からほんわかと聞いたのですが、

 

その火薬の成型において、

 

粉を固めて固形火薬にする時、

ラムネか、飴か、どっちが湿気に強いのか?

という話を聞くことがありました。

ラムネと、飴と、湿気でどのように変化するか、想像してみてくださいね。

 

まあ、さるルートからのほんわかした話なので、読み流してくださいね、戯言です。

 

しかし、原因は数あれど、ここにキヨシが提議する問題は、

 

「そもそも、自動車室内という環境は、火薬の保管に適した場所か?」

 

という事なのです。

 

スリムクラブの漫才でも、花火屋の子どもに落ち着きがない子が生まれるだけで、危ないのが、笑いをとれる以上一般常識としてもある程度以上の理解がされていると分かる話なのですが、

 

冬はマイナス20℃以下、真夏は70℃以上、湿気どころか、窓を閉め忘れて雨に降られたら、雨水のばばかぶりもあるかもしれません。

シートベルトの、ELR巻き上げ装置や、足元のカーテンシールドエアバッグに至るまでには冠水ということもあり得ます。

しかも冬場には静電気はバチバチ来ます。

 

こういう状況において、火薬を保管するということは、どういうことなんでしょうか?

 

火薬の保管で、ググっても、あまりいい答えは見つけることができませんでした。

しかし、自動車室内のような環境下は、少なくとも理想的ではないことが、明らかでした。

 

ここで、冒頭の「対応年数」という言葉になるのですが、

 

例えば、この扇風機宜しく、

 

「保証期間とは別に定める一般的な環境による、使用限度期間○○年」

 

を、なぜ定めなかったのかと思います。

火薬の性能でもいいし、

爆発の威力の方向をコントロールする、燃焼筒や、ケースの構造の、継時的な腐食に対する性能でも構いません。

 

何もせずに、不滅に時代を往来できる物は、人間には作れないのですから、

その装置が、命に係わる機能を持って、

今回のように誤作動すると、人の命に係わる威力を持っている、

癖に、

定期的な点検も義務付けされていない、

機械の自己診断任せの装置に、

 

なぜ「機器を更新するべき期間」を、定めなかったのか?

 

ここに、今キーボードを打ちながら改めて閉口しているキヨシです。

 

 

 

もし、こういう対応がなされていたかもしれない、として、考えますと、

 

今どきのメーカーだと、四角四面に、所定の期限が過ぎた場合、

 

1.車ごと買いかえる。

2.エアバッグ装置を、交換する。

 

位の選択肢を、提案してくれそうですね、悪くないです。

 

「10年経過車の毎年車検がなくなったから車売れんくなったわー、」

って愚痴を言う前に、

 

「10年たったら、エアバッグの火薬の交換がありますから、それに20万円かけるんだったら、新車いかがですか?」

位のビジネスチャンス作っといてくれてもよかったよ!

 

と、よこしまにも、思うところもあります。

 

そして、貧乏くさい整備屋のキヨシが提案するもう一つの選択肢として、

 

「信管を抜く」という表現が分かりやすいかと思いますが、

 

「着火装置の撤去」

 

を、提案したい、キヨシです。

 

実は、火薬が生物(なまもの)といううたい文句はここ数年、別の品物において、自動車整備業界を席捲しておりまして、そのセールストークを耳にしたかともちろんおられましょうが、

 

「発煙筒の有効期限が切れていますので、交換が必要です。」というやつです。

 

各業者様が、どのように交換をおすすめしているかは自分は知りませんが、国の検査場では、発煙筒の搭載の有無は確認し、無い場合は絶対に車検に通りませんが、有効期限は、見ません。

 

なので、

「有効期限が過ぎているので、車検に通らないから、交換しないといけない。」

旨の言い方のセールストークは自分的には詐欺です。

 

実際は、

「有効期限を過ぎて、古くなってくると、炎が小さくなったり、その燃焼時間が短くなるので、交換をおすすめします。」

です。

こういう意味での、性能低下は、実体験上、あります。

 

 

 

で、

エアバッグの火薬は、ほっちっちでいいの?

ほっちっちでよかったの?

 

という訳なんですね。

 

今回は、こういう切り口に、焦点を当てて、久しぶりに数話構成のブログをやっていきたいと思います。

 

次回に続く。