昔、「What's マイケル」という題の猫の漫画がありましたよね?
ご存知ですか?
結構シュールで好きでした。たぶん、僕が小学校低学年くらいの時だったと思います。。。
今回のお話は全くもって猫とも、漫画とも関係ありません。
当工房に工業用のミシンが届いた。
そこから始まるお話です。
確実に話が長くなります。
そして、すさまじくマニアックな話になります。
もう、分かる人が分かればいい、という一方通行的な話になります。
あまりに長引きそうだったら、何話かに分割します。
ちょっと、テンション低めになってるので、上げていきますヾ(@°▽°@)ノ
ある日曜の朝、職人仲間兼ミシンの先生二人と合流して軽トラでミシンを受け取りに!
ミシンって言ったって工業用(・・・だと元持ち主が言っていたので工業用なんだよ!)
モーター積んでるので重いんですよ(* ̄Oノ ̄*)
男二人で運んで、工房へ運び入れてから、軽くレクチャーを受けました。
家庭用ミシンの経験と実家にある足踏みミシンの経験(?)は少しあるので、なんとなく分かってはいたものの、さすがモーター付!ハンパなく早く縫えるのですが、制御不可能・・・(笑)まぁでも動力には問題なしです。
お昼になり二人の先生はお帰りになられました。
見た目は写真の通り、結構綺麗です(‐^▽^‐)
「Riccar」(リッカー)という日本のメーカーのミシンで、元持ち主からこのミシンの歴史を聞く限り、おそらく40年くらい前の物だと思います。
さて、ここから私と工業用ミシンとの愛と友情の物語が幕を開けます。
と、同時に話が超マニアックになりますので、忙しい方、特にミシンに興味の無い方はここから先を読むことをお勧めはしません(-。-;)つまんないと思います。
まず、このミシンを見た瞬間から何個かの疑問点がありました。
分かりにくいですが、上の三枚の写真を拡大してよく見てみると、知ってる人なら 「?」 と思う箇所が二つ三つは出てくるのでは?
一個目の疑問。ミシンプーリー(はずみ車)につながってる革ベルトが通る為のミシン台の穴!!
既製品のくせにどうして綺麗な穴では無く、手作業で強引に開けたように木の台の穴がグサグサといがんでいるのか・・・しかも革ベルトが穴の側面に当たっている。。。確実に後から穴を広げている上に、まだ広げ足りていない(笑)・・・・動くからいいんだけど・・・でも、なんで???
※はずみ車 : ミシン右側の「Riccar」ロゴの右、円盤状の箇所
※プーリー : ミシンに限らず、モーターなどに付いている円盤状のもの。溝があり、プーリーとプーリーの溝を輪状のベルトが繋ぐ事で動力が伝わる仕組み。自転車や車などで言う 「ギア」 にあたるもの。
二個目の疑問。左の写真で上記革ベルト右横に付いている下糸巻きの装置の位置!!
これだってわざわざ木製のミシン台にビスで穴開けて取り付けてるのは変でしょ。
普通ミシンと一体感がある装置なので、下糸巻き用の糸道の先にこの装置がないと駄目なのに、写真の位置じゃ下糸巻けねぇよ!!!!!!
三個目の疑問。足踏みペダルの形状とペダルから伸びている棒状のモノの取り付け位置!!
写真では暗くて分かりにくいですが、工業用とは言え電動のミシンの割にはペダルでかくない?
そんでもって、ペダルとプーリーを繋げるための鉄の棒!!ペダル右上に明らかに 「ここに取り付けて!!」 と主張している穴があるのに、なんでわざわざ足の邪魔になるようなペダルの踏み面に取り付けちゃってるの???
この三点について疑問に思い、この気持ちを解消すべく懐中電灯片手にミシンの下に潜り込み、他に怪しい箇所が無いか調べました。
出てくるわ出てくるわ・・・ミシン台の裏には意味の分からないビス穴の痕が・・・いっぱい。
ほとんどがモーター周りに集まってます。
そしてもう一つ、元持ち主から 「これもそのミシンの部品よ!」 と渡されたもの。
このミシン台の鉄製の脚の一部分です。
その部品には怪しいベアリングが付いており短い車軸が突き刺さっていました。
元々は右足部分に溶接で付けられていたものを強引にはずしているような感じ。
右足真ん中部分に溶接痕があったので付いていた箇所は間違いない。
さて、皆さんはどう思いますか?
一つの仮説を立てると、これらの疑問点を一発で全て解決できます。
その仮説とは・・・
このミシンは電動の工業用ミシンではなく人力の足踏みミシンだ!
( ̄□ ̄;)!!
この仮説を元に先ほど挙げた三っつの疑問点をもう一度考察しなおします。
・・・ね?文章が長い上に面白くないでしょ?
これからの解決編、さらに説明臭くなりますのでご注意を。
ではなんでこういう考えに至ったのかを今から説明します。
もう一度この写真を、特に円盤状モノの下、木製台に開いている穴を見てください。
革のベルトが通っている箇所は明らかに穴の形がいがんでますよね?
今通っている箇所は穴を広げた部分です。
元々は綺麗に開いていた穴の部分に革ベルトは通っていた。
ということは、以前台の下にあったプーリー(ギア)の直径は、現在台の下に付いているプーリー(ギア)より遥かに大きいということです。
分かりますよね?
プーリーの直径が小さくなると、二つのプーリーを繋ぐ革ベルトの間の距離は縮まります。
縮まると台に当たる、だからわざと手作業で穴を広げた。
でも、下のプーリーを小さいものに入れ替えたってだけで 「足踏みミシン」 だとは断定できないんじゃないの??
と言われそうですが、この写真の穴と穴の間隔を見る限り、台の下に付いていたであろうプーリーは相当デカイ直径だったと思われます。そんなプーリーを積んでいるのは足踏みだけです。電動の場合、プーリーの直径が大きくなればなるほど扱いづらくなります。(この話はミシンメンテナンス編で詳しく書きます)
ここまで来ると、後は簡単。
二つ目の疑問点、下糸巻きの装置の位置ですが、この装置はプーリーが回って革ベルトも回る。
この革ベルトの動力を利用して糸を巻く装置です。
ってことは?
革ベルトの位置が変わると、この装置の位置も変えないといけなくなる。だから、元の位置からずらして強引に木製台にビス固定している・・・・と言う事。
当然、本来の位置ではないから下糸用の糸道は使えません。
これも納得。
三つ目の疑問点。足元の問題。
ペダルがでかいのは元々足踏みだったと考えたら当然の事。
右上のあの穴、あれは足踏みだったらあそこに連結棒を差し込んで、足踏み特有の大きなプーリーを回せるようにしてあるんですが・・・
このミシンは、後付けで工業用のでかいモーターを積んでいるので、その部分が邪魔をして今の場所にしか連結棒を取り付けれない・・・と言う事みたいです。
最後に、渡された部品の謎・・・
もう分かりますよね。ベアリングと車軸、これは足踏みミシン時代の大きなプーリーの軸って事ですね。
あぁ・・・全ての謎が解けてスッキリしたぁヾ(@°▽°@)ノ
でもさ、って言うことはよ、このミシンは元は家庭用なのか??と思って調べて見たら、「職業用」だったそうです。まぁ、この辺の違いもよく分かりませんけどね。
そんなこんなで、当工房のミシンは過去に大改造を繰り返し、時代にマッチした生き方で現在まで生き延びてきたミシンなのでしょう。
そんなミシンですから、私も改造と改修、分解、メンテナンスを実行中です。
それはまた今度、記事にしたいと思います( ̄▽+ ̄*)
ところで、なんでこの記事の題名が 「What's マイケル」 なのかというと・・・
このミシンの全貌を職人仲間に伝えたところ、
改造に改造を加えて、もうすでに原型が分からない。
ということを、某有名海外歌手になぞらえて
「マイケルと名付けよう!(笑)」
と、名付け親になってくれました(^∇^)
これからもマイケルをよろしくお願いいたします。
長文にお付き合いしてくれた方、一度目をゆっくり閉じて休めてください。
マイケルの物語はまだまだ続きます(笑)