釣りをした事がある人は知っているだろうけど、魚の表面を覆うぬめりと共に手に貼りつくあの匂いは、ものすごくしつこい。キャラメルなんかの箱を覆っている薄いフィルムのように、一度貼り付いたらいつまでも残っている。
あの生臭さと、ガソリン臭さが混ざった父親の車の中で、釣り竿を川岸に放置したままゲームボーイをしていた子供の頃を思いだした。
蓄膿症という鼻がいつもダラダラの病気にかかっていて、年中頭痛がしていた。自分の頭は酸素不足のせいで腐り、緑色になっていると信じていた。午後のゆるい、退屈な日差しのせいだか、蓄膿症のせいだか、その日もやっぱり頭が重くて、車の匂いは嫌いなのに無理やりゲームボーイに没頭していた。
ザラっと軽くて安っぽいゲームボーイの音と、生き物の匂いと、時間が停止したような感覚が混じって、なんかいまいち何もやっていないような気分が、着実に成長して今の自分がある気がする。
会社に行く終電を逃してビールを飲みに行き、タクシー運転手の話す「世界経済とユダヤ人」に関する演説を聞きながらレインボーブリッジを渡って、花粉症のせいかビールのせいか気分のせいか、頭痛を引きずってデスクに向かっている。仕事は放置したままだ。
あの生臭さと、ガソリン臭さが混ざった父親の車の中で、釣り竿を川岸に放置したままゲームボーイをしていた子供の頃を思いだした。
蓄膿症という鼻がいつもダラダラの病気にかかっていて、年中頭痛がしていた。自分の頭は酸素不足のせいで腐り、緑色になっていると信じていた。午後のゆるい、退屈な日差しのせいだか、蓄膿症のせいだか、その日もやっぱり頭が重くて、車の匂いは嫌いなのに無理やりゲームボーイに没頭していた。
ザラっと軽くて安っぽいゲームボーイの音と、生き物の匂いと、時間が停止したような感覚が混じって、なんかいまいち何もやっていないような気分が、着実に成長して今の自分がある気がする。
会社に行く終電を逃してビールを飲みに行き、タクシー運転手の話す「世界経済とユダヤ人」に関する演説を聞きながらレインボーブリッジを渡って、花粉症のせいかビールのせいか気分のせいか、頭痛を引きずってデスクに向かっている。仕事は放置したままだ。