24年間応援してるポルトガル代表。

そしてスペインのラ・リーガにおいて最も愛するチームであるアトレティコ・マドリード。

その2チームの中心選手であるポルトガルのクリスティアーノ・ロナウドと、アトレティコの守護神であるスロベニアのヤン・オブラク。


出来ることならこのポルトガルとスロベニアの対決は、当たってほしくない複雑な戦い…野球でいえばスワローズとライオンズの試合に近い感覚かもしれません。



試合は、圧倒的な攻撃力を誇るポルトガルに対して、スロベニアが自陣に人数をかけて守りを固める予想通りの展開。


そんなスロベニアに対してポルトガルはなかなか決定的なシュートまで持ち込めず、肝心のオブラクを脅かすまでいけません。


試合はそんな展開がずっと続き、長らく膠着状態が続き、両チームともこれといった決定的な場面がないまま前後半90分が終わってしまいました。





そして延長に入り前半の102分、ついに試合が動こうとする瞬間がやってきました!


縦へのドリブル突破を計った途中出場のディオゴ・ジョッタがドルシッチに倒されて判定はPK!






ペナルティスポットでボールを握りしめて立つのはもちろんロナウド!

ついにEURO6大会連続ゴールの大記録更新の瞬間か?!






しかし、ゴールマウスに立ちはだかるのは世界最高峰のGKヤン・オブラク!


勝負の行方は?!






大記録のかかった場面や、大試合の時にはいつも狙う右隅を狙ったロナウドでしたが、ここはオブラクの読み勝ち!!


24年間ポルトガルを応援し続け、アトレティコファンでもある僕にとっては、胸が締め付けられるような複雑な瞬間でしたが(>_<)、

ロナウドの大記録がならなかったのは残念と思いつつ、阻止したのがオブラクなら本望という気持ちもありました。






延長前半終了直後にPKを外してしまった責任からか号泣するロナウド…。


そして、それを必死に慰めて激励するチームメート…。

その感動的な友情シーンは、今大会のポルトガルのチームとしての一体感を感じさせました。




結局延長後半も両チーム得点が生まれず、試合はとうとう今大会初のPK戦に突入しました。


ポルトガルにとってはあのオブラクを相手のPK戦…スロベニアとしては狙い通りの展開だったかもしれません。

しかも試合内でロナウドのPKを止めているとあってムードは最高潮だったはずです。


僕としても正直敗退も仕方なしと割りきっていました(>_<)。





しかし!

そんなムードを一変させたのがポルトガルの守護神ディオゴ・コスタ!





先攻のスロベニア1人目イリシッチのPKを左に飛んでの完璧なセーブ!


ポルトガルサイドに蔓延ったオブラクに対する恐怖と緊張感を直ぐ様振り払うスーパーセーブとなりました!





そしてポルトガル1人目は先ほど外してしまったロナウド!


今度は先ほどの逆の左角を狙い、またしてもオブラクには読まれましたが、シュートの勢いが勝って今度はしっかり決めました!





その直後には直ぐ様両手を合わせ、

『さっき決められなくてごめん』

というような表情に。


激励してくれたチームメイト、そして1本目をセーブしたディオゴ・コスタに最高の形で応え、自ら呪縛を振り払いました!




そしてディオゴ・コスタはスロベニア2人目バルコヴェツを今度は右に飛んで続け様のビッグセーブ!

スロベニアとオブラクに更なるプレッシャーをかけます!





ポルトガル2人目はブルーノ・フェルナンデス!





この緊迫感、緊張感が溢れる場面で、憎らしいほどの落ち着きでコースをしっかり狙ったシュートを左隅に流し込み、これにはタイミングを外されたオブラクも全く動けず!





2年前のカタールW杯でのグループリーグ第2戦ウルグアイ戦でも落ち着き払ったPKを決めましたが、

オブラク相手でもこのPKが蹴れるのは、今のヨーロッパでも彼しかいません!






そしてディオゴ・コスタはなんとスロベニア3人目ヴェルビッチのPKも完全に読みきって弾き出し、なんとこれで3本連続セーブ!!




自分も思わず『嘘?!』と叫んでしまった瞬間!


PK3本連続セーブというのは高校サッカーでは見たことありますが、

これはEURO史上初めての快挙なのだそうです!






そしてポルトガルは3人目のベルナルド・シウバが、オブラクの逆をつくPKに決めて激闘に終止符!!





スロベニアが狙っていた展開で誰も予想だにしなかった結末で歴史的大試合を制したポルトガル!

あのオブラク相手になんと3-0のPK勝ち!


試合が終わってからもこれが現実だとは信じられず、この後まるで仕事になりませんでした(笑)!






ヒーローは文句なしでディオゴ・コスタ!

この試合、ポルトガルが圧倒的に攻め込む中で自身の守備機会は少なかったものの、一対一の大ピンチを防ぐなど、オブラク同様、気持ちが乗った状態でPK戦を迎えていました。






ポルトガルが圧倒的に攻める試合展開の中、スロベニアにも1対1の千載一遇のチャンスがありましたが、いずれも彼がセーブしてピンチを救うなど、

ロナウドのPKを止めたオブラクだけでなく、彼自身も波に乗った状態ではありました。


そしてPK戦になる直前、この試合を見守った全てのファンがオブラクばかりに目を向けたと思いますが、逆にその雰囲気が彼を奮い立たせたかもしれません。


そういった中でのオブラクのお株を奪うようなPK完全試合!

もはや『あっぱれ!』などという言葉も安っぽいくらいの活躍でした!

本当に感謝してもしきれません!






そしてこの試合、1番安心したのは間違いなくこの人だと思います。

かつてはアルゼンチンのリオネル・メッシも経験したことですが、チーム内では『スペシャル・ワン』であるが故に皆が気を遣ったり萎縮したりして声をかけれないことで孤独になることもありました。


しかし、あのPK失敗直後に彼より若い選手が必死に慰めて激励する姿…今ではチームメートが彼に気を遣うことなく遠慮なく接することで、チームがひとつになってることを感じました。


今大会最大のヤマ、危機だったかもしれない試合を乗り越えてのベスト8進出のポルトガル!

チーム内の結束は更に高まっているはずです!




そしてスロベニアのオブラクへ…。

代表戦は国と国との戦いであると分かっていても、今回のポルトガルとスロベニアは当たってほしくない組み合わせでした。

ロナウドがオブラクに向けてゴールを狙うというシーンは、レアルやアトレティコでも見てきましたが、今回は一際複雑でした。


トーナメントの宿命のため、ここでどちらかが消え、それがオブラクであったことは残念ではありますが、

この試合でスロベニアに世界最高峰の守護神ヤン・オブラクありということを証明できましたし、そんな彼がアトレティコ・マドリード所属であることを見事にアピールできたはずです。


新シーズンは移籍の話も出ていますが、今大会彼が見せてくれた勇姿を世界中のファンは忘れないはずです。


大健闘を見せてくれたオブラクにはもちろん『あっぱれ!』です!





結束力を高めたポルトガルの準々決勝の相手は因縁のフランス!

2016年の決勝、前回大会でのグループリーグに続き3大会連続の対決!


今回は決勝トーナメントでの戦いですので、駆け引きなしのガチンコ勝負!


2016年の決勝では開始早々に負傷退場してしまったロナウドにとっては完全決着を果たす場面となります!


自分にとってはアントワーヌ・グリーズマンとの推し対決でもあるので、直前の『スペイン×ドイツ』以上に期待が高まっています!