引き分け以上でグループステージ突破が“レ・ブルー”。


ディディエ・デシャン監督は、鼻骨骨折のFWキリアン・エンバペをこの試合先発に起用。

試合は、序盤からフランスが攻勢に出るも、この試合、これまでゴールマウスを守ったヴォイチェフ・シュチェスニーに代わって先発起用されたGKウカシュ・スコルプスキの前になかなか得点が奪えません。

しかし、後半に入り55分、アドリアン・ラビオから右サイドに張っていたデンベレへとパスが繋がると、ハーフライン付近からドリブルで運び、ボックス角に近づいたタイミングで縦への突破を試みると対応したヤクブ・キヴィオルに倒され、フランスがPKを獲得!




これをエンバペがきっちり決めてフランスが先制!

ついに出ました!
待望のEUROでの初ゴール!

しかし既に敗退が決まったポーランドも意地を見せます。
74分にカロル・シフィデルスキがエリア内でダヨ・ウパメカノと交錯。
VARの介入によりこちらにもPKが与えられます!




キッカーはチームリーダーのロベルト・レヴァンドフスキ。

タイミングを外して放ったシュートはGKに弾かれたものの、キックの直前にマイク・メニャンが飛び出していたと判断され、PKはやり直しとなり、
2度目のキックを落ち着いて決め、ポーランド代表が同点に追いつきます!

レヴァンドフスキはこれがEURO通算6ゴール目。
敗退が決まりながらも最後の最後で意地を見せてくれました。

結局試合はそのまま1-1で試合終了。
既に突破は決めていたフランスですが、何位での通過になるかはもうひと会場の結果に委ねられることになりました。



既に勝ち点4を手にしているオランダはフランス同様引き分け以上で2位以内が確定。オーストリアは強敵オランダに対して引き分け以上で決勝トーナメント進出となる一戦でしたが、
試合は思わぬ展開へ。

開始早々6分、オーストリア代表がセンターバックのフィリップ・ラインハートが縦パスを差し込み、ターンから前を向いたマルコ・アルナウトヴィッチが左サイドに展開、パスを受けたアレクサンダー・プラスからのグランダーのクロスをエリア内に戻ってきたドニエル・マレンがスライディングでクリアを試みるも、無情にも自軍ゴールに転がり込んでしまい、オーストリアが先制。

前半はこのまま折り返すと、後半開始直後の47分、オランダは自陣中央でプレスをかけたルチャレル・ヘールトライダがボールを奪取し、挟み込んだシャビ・シモンズがこぼれ球を拾ってドリブルを開始。その後、左サイドでパスを受けたコーディー・ガクポが、右足で決めて直ぐ様同点。

しかしオーストリアは59分、敵陣ボックス内でのキープからザビッツァーが時間を作り、ボールを受けたプラスがスルーパス。ポケットに侵入したグリリッチュが倒れ込みながらワンタッチでクロスを送ると、ゴール前で待ち受けていたシュミットが頭で合わせ、オーストリアが勝ち越しに成功。

オランダ代表も75分にデ・フライの縦パスから細かく繋いで前線にボールを運び、ボウト・ベグホルストが体を張ってキープしながらイェルディ・スハウテンから、ガクポへ、そのクロスにベグホルストが競り勝ち、メンフィス・デパイがトラップからアクロバティックシュートでネットを揺らしてまたも同点!

 しかし、まだまだ引き下がらないのがこの日のオーストリア!
80分にオランダのCKからの一気のカウンターからザビッツァーが長距離をドリブルで運んでクリストフ・バウムガルトナーとのワンツーからのスルーパスに再度ザビッツァーが抜け出すと、左足でシュートを放ちニアサイドを打ち抜いてオーストリアが三度勝ち越し!





 結局、試合はそのまま3-2で終了!
誰も予想しなかった勝利を手にしたオーストリアが、2強と目されたフランスとオランダを抑えてこのグループC、勝ち点6の首位通過!

この結果勝ち点5のフランスは2位での突破。
勝ち点4のままのオランダは試合前に突破が決まっていたとはいえ、まさかの3位での通過となってしまいました。





さてこちらはグループCですが、最終第3戦の『イングランド×スロベニア』、『デンマーク×セルビア』の2試合は共に見せ場がそれほどなく、共に0-0のスコアレスドローという結果に終わりました。




この結果全てのチームに勝ち点1が加算され、イングランドが勝ち点5で首位通過。
セルビアが勝ち点2の最下位での敗退が決まりましたが、着目すべきは勝ち点3のデンマークとスロベニア。

この2チームは、直接対決も引き分け、3引き分けのため得失点差も共に『0』、総得点も同じ『2』、
2018年のロシアW杯で日本が決勝トーナメント進出の条件として話題になったフェアプレーポイントも同じ『6』、
こうなるとどうやって順位が決まるかといえば大会の予選での成績でした。

この2チームは予選でも同じグループに入っており、最終的な勝ち点は22で並んでいましたが、直接対決の成績でデンマークが首位通過での本大会出場となっていました。

よって、その時の成績で上回っていたデンマークが2位、スロベニアが3位という順位となりました。





とはいえ、3位のスロベニアも『勝ち点3・得失点差0』ということで、この時点で3位チーム内の上位4位以内が確定しての決勝トーナメント進出を決めました。




我らがアトレティコ・マドリードで活躍する守護神ヤン・オブラクの姿が、この先のステージでも見ることが出来ます。

決勝トーナメント進出チームには、実力あるGKが揃っていますので、PK戦も存在するこの先の戦いがますます楽しみになってきました。