グループB最終第3戦。


クロアチア、イタリアを相手に2連勝を果たし、既に5大会連続の決勝トーナメント進出、さらには首位での通過も決めているスペイン。
予想通り、ルイス・デ・ラ・フエンテ監督は前節からスタメンを大幅に入れ換えるターンオーバー。

対するは、ここまで1分1敗勝ち点1のアルバニア。
この試合に勝てば、もう1会場の結果次第ではあるものの、決勝トーナメント進出の可能性があります。




試合は開始12分に早くも動きます。

アイメリク・ラポルテの鋭い縦パスを収めたダニ・オルモが相手DFラインの背後へスルーパスを供給。右から斜めに抜け出したフェラン・トーレスが右隅に流し込んでスペインがあっさりと先制!

ターンオーバーしようとも変わらないチーム力を早くも見せつけます!

早い時間でリードを奪ったスペインはその後も完全にペースをつかみ続けて危なげなく試合を進め、前半はこのまま0-1で折り返します。 






そしてこちらは同時刻開催のライプツィヒでの『クロアチア - イタリア』。

自動通過となる2位争いはこの2ヶ国とアルバニアを交えた混戦模様。
アルバニア勝利の可能性がある以上、この2チーム、特に勝ち点1のクロアチアは勝っておきたいところです。

試合は序盤から激しい攻防。
何度も決定的なシュートを放ちますが、イタリアのGKジャンルイジ・ドンナルンマ、クロアチアのGKドミニク・リヴァコヴィッチの双方の守護神がそれぞれ好セーブを見せ、得点を許しません。


前半はこのまま緊迫したままスコアレスでの折り返しとなります。 




そして後半、先に試合を動かしたのはクロアチアでした。

52分にはクロスのこぼれ球を拾ったアンドレイ・クラマリッチがカットインから右足を振ると、放たれたボールがエリア内のダヴィデ・フラッテージの腕を直撃し、VAR介入の結果クロアチアにPKが与えらます!






しかし!
ルカ・モドリッチのPKはGKドンナルンマが左に飛んで読みきってのセーブ!





前回大会でもいずれもPK戦となった準決勝、決勝でもファインセーブでチームを救ったドンナルンマの壁はさすがに厚い!





と!
安心したのも束の間でした!

そのセーブの後に切れずに続いたプレーの中での右からのアーリークロスにアンテ・ブディミールが頭で合わせ、これもGKドンナルンマがファインセーブを見せるも、
そのこぼれ球に素早く反応したのは、たった今PKを外してしまったモドリッチ!

38歳大ベテランのキャプテンが名誉挽回、汚名返上の先制ゴール!





そしてモドリッチはこれで2012年大会から数えて4大会連続ゴールとなりました!

先制を許したイタリアは、失点直後にフェデリコ・キエーザを投入し、攻勢を強めます。
その後も圧倒的に攻め立てて何度もクロアチアゴールに迫りますが、どうしてもゴールが奪えず、時間だけが空しく過ぎていきます…。





スペイン 1 - 0 アルバニア

デュッセルドルフの『スペイン-アルバニア』は、後半も全くブレることなく、慌てることなく落ち着いて試合を進めたスペインがこのままリードを保ったまま試合終了。

結局スペインは3戦全勝の勝ち点9で貫禄の首位通過。

一方のアルバニアは3試合とも善戦しながらも無念のグループリーグ敗退となりました。




この結果、このまま逃げ切ればグループ2位での突破が決まるクロアチア。

既にベンチに下がったモドリッチは、そこでひたすら祈りを捧げます…。

アディショナルタイムは8分。
この時間の間も何とかイタリアの猛攻に耐え続け、とうとう目安の8分台に突入し、クロアチアの勝利はもう目前…。

しかし、最後の最後であまりにも残酷な結末が待ち構えていました…。



おそらく最後のプレーだったであろうAT8分のイタリアカウンター!






中央を持ち上がったリッカルド・カラフィオーリが左へ展開すると、待ち構えていたのは途中出場のマッティア・ザッカーニ!




右足ダイレクトの華麗なシュートを右隅上の絶妙なコースに突き刺し、なんとイタリアが土壇場で同点に追いつきました!





クロアチア 1 - 1 イタリア

何ですか?!これ!!
昨日のデジャヴですか?!

試合終了の瞬間、カラフィオーリは泣き崩れ、GKドンナルンマは地面に跪きました!

まさに地獄から一気に天国へと転生したイタリアは土壇場での執念のドローで勝ち点4として、2位を死守しての、スペインと同じく5大会連続の決勝トーナメント進出!





W杯では本大会グループリーグ敗退や地区予選敗退を繰り返してる不甲斐ないアズーリですが、
このEUROでは相変わらずの勝負強さを維持し続けています!

決勝トーナメント初戦ラウンド16では、A組2位のスイスとの対戦が決定!
スペインしか達成していないEURO連覇への厳しい道程が始まります!





一方、受け入れがたい残酷な現実を叩きつけられたクロアチア…。

第2戦アルバニア戦に続いてまたしても終了間際のアディショナルタイムに同点ゴールを許して、痛恨の2試合連続ドローで勝ち点は2止まり…。

まだ3位での決勝トーナメント進出の可能性はあるものの、
参加24チーム制になってからの間近2大会において勝ち点2で決勝トーナメントに進めたチームはいません。

現時点ではグループC3位のスロベニアとデンマークが勝ち点2、グループFのチェコとジョージアが勝ち点1であるため、僅かに可能性は残されていますが、非常に厳しい他力本願となります。




まだ敗退が決定したわけではないので、多くを語ることはしませんが、
果たしてサッカーの神様はクロアチアに奇跡を届けてくれるのでしょうか…?