グループA第3節。

首位のドイツと2位のスイス、スイスが勝てば逆転での首位通過となるこの1戦。

序盤からドイツがボール保持率を高め、主導権を握りましたが、得点には至らないでいると、
迎えた28分、高い位置でボールを奪ったファビアン・リーダーがエリア内へ走り込むレモ・フロイラーへ送り、ゴール前への折り返すと、ダン・エンドイェが合わせてスイスに先制ゴールが生まれます!
ドイツは今大会初めてリードを許しました。


その後もドイツはクロースやムシアラ、フロリアン・ヴィルツらが多くボールに絡み、何度か敵陣ボックス内へ侵入するも、スイスの強固な守備ブロックをなかなか崩し切ることができません。

後半に入り50分、敵陣中央でボールを受けたヴィルツのスルーパスから斜めに抜け出したムシアラが右足を振り抜くも立ちはだかるのはGKヤン・ゾマー!
その後も堅い守備でドイツの攻撃を跳ね返し続けたスイスは、84分、スルーパスに抜け出した途中出場のルベン・バルガスがGKとの1対1を制してネットを揺らすも、オフサイドの判定で追加点とはなりませんでした。






88分にはバルガスの落としを受けたグラニト・ジャカが得意の左足でコースをついた見事なミドルで左隅上を狙いましたが、ここはGKマヌエル・ノイアーが円熟のスーパーセーブ!

スイスのゾマーに負けじとこちらも見せてくれました!




このまま試合終了かと思われた90+2分、ダヴィド・ラウムの鋭いクロスにニクラス・フュルクルクが頭で合わせ、ドイツが土壇場で同点に追い付きました!
これぞまさしく伝統のゲルマン魂!

試合は1-1で終了。
開催国としてのプライドを守り通したドイツが首位でグループA通過!
スイスは2位で決勝トーナメント進出を決めました。 






さて同時キックオフのスコットランドとハンガリー!

両チームともに今大会での初勝利と逆転での決勝トーナメント進出をかけた大一番。

勝ち点1のスコットランドは勝ち点4となり、3位での決勝トーナメント進出に望みを繋ぎます。
一方2連敗中のハンガリーは、勝っても勝ち点3止まりではあるものの、何とかそこまで到達してあとは運を天に任せるしかありません。

試合は序盤からスコットランドがボール保持率を高め、相手ゴール前に迫るも、次第にハンガリーが主導権を握り、決定的な場面を迎えるもゴールには至らず。
前半は両者スコアレスで折り返します。




後半の立ち上がりも拮抗した展開が続く中迎えた68分、スタジアム全体が騒然とするアクシデント発生。
ハンガリーのFKでゴール前に蹴られたボールにバルナバース・バルガが反応し、浮き球に飛び込みますが、相手選手と激しく衝突し倒れ込み、ピクリとも動けなくなります。





ハンガリーのチームメイトは急いでメディカルスタッフを要請し、最後はスタッフが布でバルガの周りを囲んで目隠しをし、治療が行われました。
治療が行われる中で担架も要請されたが、担架隊がゆっくり歩いてバルガのもとへ向かったことに対し、ハンガリースタッフ陣が激昂する場面も。
キャプテンのMFドミニク・ショボスライが担架隊に駆け寄って自ら担架を運ぶなど、緊迫した中で、 バルガはその後、布で目隠しをされたまま担架に乗ってピッチを後にした。試合は6分ほど中断しました。



誰もが前回大会のデンマークのクリスチャン・エリクセンのアクシデントを思い浮かべ、気が気でない心境で見守ったことと思います。

その後の経過報告では、顔面骨折と脳震盪で入院が必要ということでしたが、意識ははっきりしているということで、多くのファンは安堵したことと思います。

試合は、勝利を目指すスコットランドが攻勢に出て、何度もハンガリーゴールに攻めかかります。
79分、スコットランドはエリア内へ抜け出した途中出場のスチュアート・アームストロングが相手DFに倒されるも、PK取ってもらえず!

試合は両チームスコアレスのままついに後半アディショナルタイム。





両チームが立て続けにチャンスを作り合う白熱した展開になると、目安のアディショナルタイムに差し掛かろうとした90+10分、

スコットランドのCKを跳ね返したハンガリーが自陣から一気のカウンターを発動!

ソボスライ、ケヴィン・チョボットと繋ぎ、ボックス内右に抜け出したサライがマイナスへ折り返すと、走り込んだチョボットがゴール左下隅に蹴り込んで、土壇場で均衡を破ったのはハンガリー!




ハンガリー 1 - 0 スコットランド

試合終了土壇場での決勝ゴールで今大会初白星を挙げたハンガリーが逆転で3位に浮上!!

『勝ち点3・得失点差-3』という非常に厳しい成績ではありますが、あとは運を天に任せて天命を待つのみです。





不運な事故に見回れたバルガのためにも、ハンガリーのイレブンは何としてもこの先のステージに進みたいという気持ちは強いはずです。

思い起こせば前回大会もフランス、ドイツ、ポルトガルと組した死のグループFにおいて、最も称賛されるサッカーを見せながら達成できなかった決勝トーナメント進出。
今大会は何としてもそれを達成してほしいと願っています。