ルーマニア 3 - 0 ウクライナ


依然としてロシアとの戦争が続く緊張状態のウクライナ。

この大会での活躍で少しでも戦禍に苦しむ人々を勇気づけたいという気持ちだったと思っていたかもしれませんが、そこに立ちはだかったのはルーマニアでした。




まずは29分、

前線からの積極的なプレスで相手GKアンドリー・ルニンのキックミスを誘発すると、エリア手前中央でパスを受けたニコラエ・スタンチュが右足で狙い澄ましたミドルシュートをゴール左上隅に鮮やかに突き刺す先制ゴール!


2016年大会以来の2大会ぶり出場のルーマニアですが、

その2016年大会の開幕のフランス戦でもゴールを決めたスタンチュ!

ド派手なEURO復帰記念弾となりました!





後半に入ると53分、カウンターからエリア手前中央でパスを受けたラズバン・マリンが放ったミドルシュートが、GKルニンの手の下を抜けてネットに突き刺さり2点目!


さらに57分、デニス・マンが巧みなドリブルでエリア内へ侵入し、速い折り返しをデニス・ドラグシュがダイレクトで合わせて3点目!





ウクライナもなんとか反撃に出るも、得点は奪えず、このまま3-0で試合終了。

ルーマニアがEURO本大会では2000年大会以来実に24年ぶりの勝利。


今後のルーマニアの戦いも非常に楽しみになってきました。







ベルギー 0 - 1 スロバキア


戦前はベルギーが難なく勝利すると見られていましたが、意外な展開が待っていました。


開始早々の3分にベルギーは右サイドでボールを受けたジェイミー・ドクがスピードに乗ったドリブルでエリア内まで持ち運び、中央への折り返しにケビン・デ・ブライネが飛び込み、そのこぼれ球にロメル・ルカクが反応するも、GKマルティン・ドゥーブラフカの好守に阻まれ、先制ゴールとはならず。

これがこの後訪れる悪夢の予兆でした。


するとスロバキアは7分、敵陣エリア内でドクのパスミスを拾ったイヴァン・シュランツが後方へフリック、

ユライ・クツカのシュートはベルギーGKクーン・カステールスにセーブされるも、こぼれ球をシュランツが押し込み、早い時間帯でベルギー相手に先制ゴール!





まさかの失点を喫したベルギーは反撃を試み、再三に渡り決定的なチャンスを迎えるも、この後、エースナンバー10を背負ったロメル・ルカクが信じられないような決定機逸を繰り返します!


前半終了間際にヤニック・フェレイラ・カラスコのロングフィードにルカクが抜け出すも、最後の局面でシュートを打つことができず!





迎えた後半、56分にトロサールのスルーパスを受けたルカクが右足を振り抜き、GKドゥブラフカを強襲。直後にはトロサールの右からのクロスをアマドゥ・オナナが頭で折り返し、ルカクが滑り込みながら合わせてネットを揺らして同点かと思われましたが、VARによるチェックの結果、オフサイドの判定でノーゴール!




ベルギーはその後もデ・ブライネを起点に攻め続けるも1点が遠く、試合は終盤に突入。

迎えた86分、途中出場のロイス・オペンダが敵陣右サイドでロングフィードを収め、ドリブルで深い位置まで侵入しマイナス方向へ折り返すと、ゴール前でフリーで待ち構えていたルカクがダイレクトでネットを揺らすも、

またしてもVARが介入し、今度はロングフィードを受けたオペンダがトラップの際にボールを手に当ててしまい、ハンドの反則があったとしてまたしてもノーゴール判定!





試合はこのまま終了し、スロバキアが試合序盤にあげた虎の子の1点を守りきり、強豪ベルギー相手に完封勝利!

戦前の予想を覆す大番狂わせを起こしての白星スタートとなりました!





VARにより2度のゴール取り消しは同情すべき部分ではありますが、文中で紹介してない他の場面でも度重なる決定機ミスがあったエースのルカク。


地元メディアやSNSでは、


「クソくらえ」

「ルカクはベンチに置け」

「ルカクのような下手クソを90分使ったら敗退する」

「ルカクは二度とプレーさせるな」


などという散々かつボロクソに避難するコメントが寄せられましたが、僕からも今回のルカクの醜態には今大会初の、


『喝!』(#゚Д゚)ノ!!


2年前のカタールW杯でのグループリーグ最終戦のクロアチア戦でも信じられないシュートミスやトラップミスを連発してグループリーグ敗退の戦犯扱いされたルカク。

このEUROでも初戦からやらかしてしまいましたが、2戦目以降ベルギーが建て直すためには、彼の爆発が鍵を握ります。

次のルーマニア戦はスタメンではなくなる可能性もありますが、ベルギーがまたしても悲劇に見舞われないためにも、是非ここから奮起してほしいです。







オーストリア 0 - 1 フランス


序盤からスピード感あふれる攻撃を展開するフランス。

その基点となるのはもちろん神童キリアン・エンバペ!


初出場の前回大会は期待されながらのまさかのノーゴールに終わったため、今大会まず目指すは待望のEURO初ゴール!


まずは8分、テオ・エルナンデスがプレスを掻い潜ると、アドリアン・ラビオを経由し、左サイドのスペースへ展開、

走り込んだエンバペがシュートに持ち込むも、ニアを狙ったシュートはオーストリアGKパトリック・ペンツの好セーブに阻まれます。





最初のチャンスを逃したエムバペですが、38分右から仕掛けて中央へ低いクロスを送ると、これがオーストリアDFマクシミリアン・ウーバーの頭に当たるオウンゴールとなり、自らの力でまずは先制点を呼び込みました!


後半に入ると、55分、自陣左サイドからオーストリアのDFラインの背後へボールに走り込んだエンバペが完全に抜け出し、最後はGKペンツと1対1になり、ついにEURO初ゴール!かと誰もが思いましたが、右足から放たれたシュートは枠の右へ外れてしまいます!


普段のエンバペならば難なく決めてるシュートですが、これもEUROが放つ独特の呪縛なのでしょうか(>_<)?






EURO初ゴールが遠いエンバペにさらに『泣きっ面に蜂』事態が発生します。


終盤にセットプレーで相手選手と競り合ったエンバペが鼻を強打し出血し、90分にベンチへと下がります。


現時点ではいろんな情報が錯綜していますが、

『鼻骨を骨折している』

『手術が必要』

『大会残り試合は絶望か』

などと言われており、どこまでが事実かは分かりませんが、優勝候補であるフランスの最大の鍵を握る選手だけに、今後の最新情報が待たれます。



勝利したものの、不安を抱えることになったフランス。

しかし、2年前のカタールW杯でも多くの主力メンバーを欠いた中で勝ち上がりましたので、ディディエ・デシャン監督のリカバリー能力に期待したいと思います。