開幕戦で劇的な快勝を飾ったドイツのグループAのもう2チーム、ハンガリーとスイス。


前回大会を見ていた方ならご承知の通り、この2チームは前回大会で最も印象に残る活躍を見せました。


ハンガリーはフランス、ドイツ、ポルトガルと組みした死のF組でアウトサイダーという見方をされていましたが、3強相手にもいずれも互角の勝負を演じました。

結果は2引き分け1敗の勝ち点2の最下位でしたが、その戦いぶりは全世界のサッカーのファンの心に強く焼き付きました。


一方のスイスも前回大会、グループAを3位で通過し、ラウンド16ではW杯王者のフランスを相手に1-3の2点ビハインドを追い付き、延長戦を経て守護神ヤン・ゾマーの活躍で最後はPK戦で勝利。

大会最大の番狂わせを起こしました。


この後は2チームともドイツと対戦することを考えると、この試合の後の楽しみも膨らんでいます。


自分としても注目度が高かった試合でしたが、立ち上がりからスイスが攻勢に出ます。

まずは12分、ポゼッションでハンガリー代表を押し込みながら、マヌエル・アカンジがエリア手前のミシェル・アエビシェールに縦パスを供給。

アルビシェールがターンから前を向いてスルーパスを送ると、裏に抜け出したクワドォー・ドゥアが冷静にGKとの1vs1を制し、まずは先制。


 さらに、前半終了間際の45分には、スイス代表が右サイド深くでボールを繋ぎ、グラニト・ジャカがペナルティエリア内に鋭くパス、

一度は相手に奪われるが、即座に奪回してテンポの良いパスワークを披露し、エリア手前でボールを受けたアエビシェールが右足に持ち替えて見事なコントロールショットを左隅に突き刺して2点目!


一方のハンガリーも後半21分に、自陣深くからのロングフィードから素早く前線へと運び、左サイドに張っていたソボスライへからのクロスに、ファーサイドからヴァルガ・バルナバーシュが飛び込むと、倒れながら頭で合わせたシュートが決まり、1点を返します! 


これで面白くなると思われましたが、

一気に同点を目指して前がかりになり始めたハンガリーを逆手に取るようにスイスは終了間際の後半アディショナルタイムに、味方GKのパントキックに反応したFWブレール・エンボロが、抜け出して落ち着いたループシュートを決めて決定的な3点目を奪取。

注目の1戦は3-1でスイスの勝利となりました。



ハンガリー 1-3 スイス






グループBの第1節、

『スペイン×クロアチア』。


実にこの2ヶ国は2012年大会から数えて4大会連続の激突。

前回大会はラウンド16で激突し、延長戦までもつれ込む死闘をスペインが制しています。


それも含め、3大会での対戦はいずれも息詰まる名勝負だったことから、今回も面白い戦いが見られると思われましが、試合はほぼ一方的な展開となりました。






スペインは前半29分、カウンターから相手のロングボールのこぼれ球をマルク・ククレジャが回収し、ラミン・ヤマルを経由してボールを受けたファビアン・ルイスがハーフライン付近からスルーパス、

裏へと抜け出したアルバロ・モラタが冷静に流し込み、スペイン代表が先制!






先ほどこの両国は4大会連続の対戦とお伝えしましたが、このモラタは2016年から数えて、なんと3大会連続でのクロアチア戦でのゴール!

驚異的な相性の良さをまたしても発揮しました!





 勢いに乗るスペインは直後の32分、右サイド深くでパスを受けたヤマルがドリブルを仕掛け、一度はボールを奪われたものの、すぐさま奪回してボックス手前のペドリに繋ぎ、真横にサポートしたファビアン・ルイスがボールを受けると、そのまま細かいタッチでマーカー2枚を突破し、左足で放ったシュートはヨシプ・シュタロの股下を抜いてネットを揺らし、早くも2点のリード!

伝統的な組織的なパスサッカーのイメージがあるスペインですが、今大会は個人技でも打開できるということを証明する衝撃的なゴールとなりました!


前半終了間際のアディショナルタイムには、右サイドでコーナーキックからヤマルが素早いリスタートからパス交換から再度ボールを持ったヤマルが制度の高いクロスを入れると、DFとGKの間に飛び込んできたダニエル・カルバハルがワンタッチで合わせ、なんとクロアチアを相手に前半だけで3点のリード!


一方的な展開に持ち込まれたクロアチアは後半33分にPKを獲得し、ブルーノ・ペトコヴィッチが蹴ったキックはスペインGKウナイ・シモンが弾き、そのリバウンドを拾ったイヴァン・ペリシッチのクロスをキッカーのペトコヴィッチが押し込み1点を返したかに見えましたが、VAR検証の結果、キックよりも前にペリシッチがペナルティエリア内へと入っていたことが判明し、ノーゴールとなってしまいます。






クロアチアの反撃の芽は完全に摘み取られてしまい、試合はそのまま3-0でスペインの勝利。注目の“強豪国対決”は意外な形のワンサイドゲームとなってしまいました。



スペイン 3-0 クロアチア


そして次節、スペインは20日にイタリアと対戦。

クロアチアとの4大会連続を越える5大会連続となるこの因縁の戦い。

グループリーグ突破を賭けた頂上決戦となります。






グループBもうひと試合、イタリアとアルバニアの対戦。





前回大会のEURO覇者イタリアが連覇に向けてスタートしますが、

いきなり開始わずか23秒、自陣でのスローインをアルバニアのネディム・バイラミにインターセプトされ、そのまま強烈な一撃を右隅に放り込まれてアルバニアに先制ゴールを許します。

開始23秒でのゴールはEURO史上最速時間での得点なのだそうです。





しかしイタリアは前半10分、左からのCKからショートで繋ぎ、タイミングをずらしてロレンツォ・ペッレグリーニが右足でクロスボールを入れると、ファーサイドでフリーになったアレッサンドロ・バストーニが頭で合わせて直ぐ様同点に追い付きます!


さらにイタリアは、16分、スローインを獲得すると、ブロック外でのパス回しから、ディ・ロレンツォのパスを起点にジャンルカ・スカマッカのシュートのクリアボールに反応したニコロ・バレッラが、豪快に右足一閃!

鮮やかなミドルシュートが決まって序盤で2-1と逆転に成功!


リードさえ奪えば、あとはイタリアの伝統芸『カテナチオ』が発動!

アルバニアの力強いプレッシャーを受けながらも何とか凌ぎ続け、結局スコアはそのまま動くことなく2-1のまま試合終了。


イタリア 2-1 アルバニア



開始早々からヒヤヒヤさせた我らがアズーリではありますが、2年前のカタールW杯予選敗退による不出場の不安を感じさせない内容での好スタートとなりました!


先ほどもお伝えした通り、次の第2節はここ5大会で実に6度目の対戦となる因縁のスペイン戦!

互いに初戦を勝利したことにより、勝った方がグループリーグ突破を決めるという大一番に!


決戦は6月20日!

WOWOWではテレビ放送もやります!

宿命の対決は是非ともブラウン管の大画面でチェックしましょう!