毎年『荒れる春場所』と言われる3月の大阪場所ですが、
今年も荒れに荒れまくったその春場所を制したのは、新入幕の尊富士!

新入幕力士の優勝は、1914年夏場所の両国以来実に110年ぶりの快挙となりました!





この千秋楽前日の朝乃山戦で右足首を痛め、車椅子で医務室に向かい、さらには救急搬送された尊富士…。
そういったワードが飛び交う中、この千秋楽での出場が危ぶまれていました(>_<)。

師匠の伊勢ケ浜親方からは、
「力入らねえなら止めとけ」

と止められたとのことですが、それでも

「勝っても負けても土俵に上がらないとと思っていた。この先終わってもいい。一生後悔すると思った。」

と師匠が止めるのも聞かずに気力を振り絞り土俵立つ決意をしました。
前日には宿舎で同じ部屋の横綱・照ノ富士から「お前ならできる」とゲキを飛ばされたと言います。




そしてこの千秋楽の向かえた平幕の豪ノ山戦。
痛めた右足首をテーピングでガチガチに固めて強行出場。

終始これまでの14日間でも見せたような力強く押し切る相撲で、豪ノ山を押し倒しで撃破し、その瞬間会場の大阪府立体育会館は割れんばかりの大歓声!




110年ぶりの大変な偉業を達成したその瞬間は24歳の若者らしい素晴らしい笑顔を見せてくれました!



この千秋楽のNHKの中継で解説を務めた師匠の伊勢ケ浜親方は、

「よく自分から攻めましたね。
一瞬前に押して、残されたのでオッと思ったが、その後態勢を整えてまた自分から攻めてよかった」

と弟子の相撲を褒め称えました。 





表彰式での優勝インタビューも新入幕力士らしからぬ堂々とした内容でした。


― この大歓声。どんなふうに聞きましたか 

本当に、千秋楽、土俵に上がれてよかったなと安心しています。

 ― 昨日の取組後、私たちも驚き、心配しました。そこから1日、どんな気持ちで、どんな決意で土俵に 


そうですね…体的にキツくて。でも絶対に、自分が最初の頃に、15日間しっかり土俵に上がることを務めることが力士として、と思ったので、自分自身でも優勝を勝ち取りたくて。しっかり上がることができてホッとしています。


 ― その強い決意を持っての土俵。勝てば優勝でした。これまでの14日間と気持ちの変化はありませんでしたか


 やっぱりもう…このケガだったら大した相撲も取れないんじゃないかと思っている人もいるかもしれないですけど、ここで負けたら、皆さんが15日間大阪場所に(足を)運んできた意味はないと思ったので、そのへんはしっかり自分で考えて上がりました。


 ― 立ち合いからの出足でここまで素晴らしい相撲を続けてきた尊富士関。きょうは組み止める相撲に見えました。どんなことを考えて取組に



 自分自身も信じて土俵に上がりましたし、何より師匠の伊勢ヶ濱親方が解説だったので(館内爆笑)
しっかりいい相撲を見せないといけないと思って土俵に上がりました 


― 放送の中でも、師匠褒めていましたよ 


(満面の笑顔)ありがとうございます 


― 初めての幕内での15日間。初日からの11連勝、そして入門してから10場所での幕の内最高優勝。改めてどのように感じていますか 


記録も大事ですけど、皆さんの記憶に一つでも残りたくて、必死で頑張りました。


― 記憶も記録も残るこの活躍。初めての幕内の雰囲気は


 雰囲気もありますけど、何より部屋の稽古だったり、横綱がいますので、怖がらずに土俵に上がれました。


 ― 先場所は優勝した横綱・照ノ富士関のパレードの旗手に指名されました。「もう一度自分でそういう景色を見たい」実現しました。



翌場所に まさか、やれると思ってなかったのですけど、本当に1日1日、本当に濃い15日間でした。 


― 故郷への思いは 


昨日、ケガをしてたくさんの人から連絡をもらった時に、不安なのは自分じゃなくて、皆さんの方だと思ったので、勝っても負けても、自分を信じて土俵に上がりました。


 ― 支えてくれた家族や関係者。お母さんにいい報告になりますね。どんな感謝を 


そうですね…おかげさまで、僕もそんなに体は大きくないですけど、こうやってしっかり幕内の土俵で勝てるように育ててくれて、感謝しきれないです。 


― まだ新入幕10場所目。大銀杏も結えない力士人生始まったばかり。これからどんな相撲を見せていきたいですか 


それはもう、ファンがこたえるような相撲を取りたい。
それだけです。







この堂々に応える姿…その姿勢は土俵上でも現れていましたし、改めて恐ろしい新入幕力士であると感じます。

日馬富士が出てきたあたりから現在の照ノ富士と、伊勢ケ浜部屋の力士に推しが多い自分ですが、
昨年の秋場所新入幕の熱海富士が快進撃を見せたかと思えば、尊富士のような力士がいたというのは驚かされるばかりです。

次々と素晴らしい逸材が台頭してくる伊勢ケ浜部屋から今後もますます目が離せません。

思わず涙腺が緩んだ今場所の千秋楽でしたが、相撲を見ていて目が潤んだのは本当に久しぶりでした。

自分にとっての3大スポーツである野球、サッカー、相撲。
野球やサッカーに比べて相撲は見る機会が少ないですが、先の2つの球技に負けず劣らずこういう感動的な場面がありますので、やはり相撲ファンもやめられません!


次は僕の誕生月でもある5月の夏場所!
また多くの話題が生まれそうな期待が膨らむばかりです!!

最後になりますが、皆さんもどこで聞いたようなあの言葉を尊富士に送って締めたいと思います。





痛みに耐えてよく頑張った!!
感動した!!
おめでとう(*≧∇≦)ノ!!