チャンピオンズリーグ(CL)・決勝トーナメント1回戦(ラウンド16)セカンドレグ。 
2月20日にインテルのホームの『スタディオ・ジュゼッペ・メアッツァ』で開催されたファーストレグは、マルコ・アルナウトヴィッチの決勝点でインテルが1-0で先勝。 
今回はホーム『エスタディオ・メトロポリターノ』で逆転を狙う我らがアトレティコ・マドリードは、足首の負傷で公式戦ここ4試合欠場していたアントワーヌ・グリーズマンがこの試合でようやく復帰。

試合は立ち上がりから1点を追いかけるアトレティコが攻勢を強め、デ・パウルやサムエウ・リーノがゴールへ迫るシーンを作ります。
対するインテルもデンゼル・ダンフリースがチャンスを作り出し、両チームともにアグレッシブな姿勢で入りの時間を進めていきます。

前半29分にはアトレティコが左サイド高い位置でボールを受けたマリオ・エルモソが左足でクロスを送ると、ゴール前中央でモラタが合わせたものの、ヘディングシュートはGKヤン・ゾマーに阻まれました。 




すると前半33分、
インテルが左サイドでラウタロ・マルティネスのポストプレーからヘンリク・ムヒタリアンが左サイドへ繋ぐと、大外で待っていたアレッサンドロ・バストーニはスルーパスで内側を駆け上がっていたニコロ・バレッラを走らせ、ペナルティエリア左のスペースへ侵入したバレッラがマイナスへ折り返すと、フリーになったディマルコが右足で押し込みインテルが先制。

トータルスコアで2点差をつけられ、いよいよ追い詰められたかに見えたアトレティコでしたが、この失点がイレブンの目を覚まさせることとなりました!





そのわずか2分後の35分、右からのクロスボールのこぼれ球を拾ったコケが中央へスルーパスを送ると、インテル守備陣がクリアしきれず、こぼれたボールがグリーズマンの足元に転がり、反応したグリーズマンが冷静に反転シュートが流し込み、すぐさま試合を同点に戻し、トータルスコアでも再び1点差とします!

後半に入ると、52分、右サイドを突破したM・ジョレンテがマイナスへ折り返すと、グリーズマンが合わせるも、ここはGKゾマーの好セーブ。

時間の経過とともにアトレティコ・マドリードが試合の主導権を握りましたが、守備にも定評があるンテルも強固な守備ブロックを敷き、アトレティコはその大きな壁をなかなか崩せません。





しかし!
このまま万事休すかと思われた終了間際の87分、
アトレティコは左サイドから細かくボールを繋ぐと、エリア手前で前を向いたコケが斜めのパスを供給。
待っていたメンフィス・デパイが上手く相手ディフェンダーを背にしながら反転から豪快に右足を振り抜いてゴールをこじ開け、試合は勝ち越し、そして遂にトータルスコアで2-2の同点としました!

試合はこのまま延長戦に突入しますが、両チーム共に勝ち越し点は奪えず、ついにPK戦に突入。




アトレティコのスロベニア代表ヤン・オブラク、
インテルのスイス代表ヤン・ゾマー、
ヨーロッパを代表するスターGKによる夢のPK対決が実現しました!

まずは先攻インテルの1人目チャルハノール、後攻アトレティコ・マドリードの1人目メンフィスが成功。




インテルは続く2人目のアレクシス・サンチェスをオブラクがセーブするも、



直後のアトレティコ2人目のサウール・ニゲスのPKをこちらもゾマーがセーブ!

両ゴールキーパーが最高レベルのセーブ合戦!




強敵ゾマーとの最大級の勝負に挑んだオブラクでしたが、続くインテルの3人目デイヴィ・クラーセンも続け様ビッグセーブ!
ホームの大サポーターの大声援を背に再び大仕事をやってのけてくれました!




その後の両チームの3人は成功し、アトレティコ1本リードで迎えた最後のインテルの5人目はラウタロでしたが、まさかの枠の上!




イタリア・セリエAで首位を独走する、昨シーズンのCL準優勝のインテルを下したアトレティコは2シーズンぶりのベスト8進出!

今シーズンはホームで滅法強い代わりにアウェイでは滅法弱いアトレティコ(>_<)。

この試合の直前ではラ・リーガで残留争いをしているカディスにアウェイとはいえ惨敗するなど、今回のホームとはいえ、果たして勝てるのか?という半信半疑な気持ちがありました。




しかし!
これまでの数試合が消化不良だったのは、この男がいなかったからに過ぎません!

復帰初戦ではありましたが、いきなりゴールを決めてチームに勢いを取り戻し、不穏な空気を一掃してくれました!



そしてそんなエースのゴールで目を覚ましたのは、このホーム『エ・スタディオ・メトロポリターノ』の大サポーターも同じ!
終始地鳴りのような大歓声でアトレティコの選手を鼓舞し、インテルの選手を威圧するなど、最高の雰囲気を作り出してくれました!
過去最多の69196人のサポーターがスタジアムに大集結したとのことです!

改めてこんな素晴らしいサポーターと同じチームを応援してることを誇りに思います。



スペイン国内のリーグ戦ももはや絶望的、レアル、バルサの2強が早々に消えてチャンスかと思われたスペイン国王杯も準決勝敗退など、今年も無冠かと諦めかけた中での、CLラウンド16でのインテルからのこの劇的勝利。

まだこの先も厳しい戦いとなることは間違いないですが、最後まで諦めずにこのビッグタイトルに挑み、アントワーヌ・グリーズマンという偉大なレジェンドを真の『サッカー版・新井貴浩』へと確立させてほしいです。