スペイン国王杯・コパ・デル・レイのラウンド16、
アトレティコ・マドリードvsレアル・マドリードのマドリードダービーが実現。
舞台はアトレティコのホームスタジアム、シビタス・メトロポリターノ。


わずか1週間前のスーペル・コパ準決勝でも激突したこの2チーム。
その時は延長までもつれ込む120分の激闘の末にレアルが5-3で勝利。
我らがアトレティコ・マドリードにとってはそのリベンジを期して臨んだ今季3度目のマドリード・ダービーとなりました。


この試合も1週間と同様の激しい点の取り合いとなります。
まずは前半39分、アトレティコがボックス手前右でデ・パウルのパスが味方のグリーズマンに当たってコースが変わると、レアルDFリュディガーのヘディングのクリアがボックス左のスペースに落ち、これに反応したサムエウ・リーノがうまく足裏で叩きつけ、まずはアトレティコが先制!
しかし、前半アディショナルタイム1分、相手陣内左サイドで得たFKの場面でキッカーのモドリッチがゴール前のスペースへ浮き球のボールを落とすと、競り合いのなかでGKオブラクがはじき損ねたボールがそのままゴール方向に向かってゴールネットに吸い込まれ同点。
まさかの守護神オブラクのミスによって試合は1-1で前半を折り返しました。

後半に入ると12分、相手陣内右サイドで起点を作ったグリーズマンが内側のジョレンテに預けてボックス内への侵入を試みると、リターンパスを狙ったジョレンテのパスがカマヴィンガが出した足に当たってゴール方向に向かい、
レアルGKルニンが何とかしてかき出そうとしたボールが味方のリュディガーに当たってこぼれると、最後はモラタが冷静に押し込んで勝ち越し!

このまま逃げきりたいアトレティコでしたが、
後半37分、レアルはクロース、ヴィニシウス、ベリンガムと左サイドでボールを繋ぐと、ボックス左でベリンガムが上げた絶妙なクロスをファーサイドでフリーのホセルが頭で合わせ、またしても追い付きます。

試合は1週間前のスーペル・コパに続いてまたしても延長戦に突入。




そして延長戦に入って、ついに我らが世界に誇る『キング・オブ・アトレティコ』がついに長い沈黙を破りました!

延長後半5分、レアルのヴィニシウスのボールコントロールのミスを見逃さなかったアントワーヌ・グリーズマンが相手陣内右サイドをドリブルで駆け上がり、そのままゴールライン際で内側に運ぶと、GKルニンの右の肩口を抜ける強烈な左足シュートをゴールネットに突き刺す貴重な勝ち越しゴール! 

さらに試合終了間際の延長後半14分、
カウンターからモリーナ、デパイと繋いで最後はボックス左のリケルメが狙いすました右足のコントロールシュートを右隅に突き刺し、トドメの4点目!




スーペル・コパとは完全に逆となる延長戦での2ゴールによってリベンジを果たしたアトレティコがレアルを下してベスト8進出!

今シーズン、リーグ戦のダービーでレアルに唯一の黒星をつけていたアトレティコですが、見事にスーベル・コパでのリベンジを果たす勝利でまたしてもレアルに一泡ふかせてみせました!





1週間前のスーペルコパの準決勝でもレアル相手にゴールに決めたグリーズマンはこの時点で、かのルイス・アラゴネス氏の記録を上回るアトレティコ通算174ゴールを達成し、アトレティコ歴代のトップスコアラーとなりました。

しかし、チームは敗れてしまったため、メモリアルゴールの喜びも霞んでしまいました。

そういった中で再戦となったこの試合では、レアルを相手に再びゴールを決め、ホームのサポーターと共に今度こそ喜びを分かち合いました。

試合後にグリーズマンは、

『(スーペル・コパの)リベンジではない。
ずっと楽しみにしていたコパをホームでやれたし、それに勝ちたかったからね。
素晴らしい雰囲気で、チームに戦う翼を与えてくれた。
常に戦って攻撃してくるチームで、そんな相手にディフェンス陣が素晴らしいプレーを見せてくれた。
僕自身も最後にゴールを決めれて、少し肩の荷が降りたよ。
勝利は素晴らしいけど、まだ何も成し遂げていないから、この調子を続けていきたい。』

今シーズンこそアトレティコでの悲願のタイトルを手にして、彼が本当の意味での『サッカー版・新井貴浩』になることを願っていますが、
 ついに先日にアトレティコでの歴代最多スコアラーになったとはいえ、まだまだ満足していないようで、

『これから家に帰って、自分のゴールを見ようと思う。チームのハードワークにもとても満足。
疲れたから回復までには数日かかるが、とても幸せな気分だ。』

と勝利を噛み締める言葉で締め括りました。

昨シーズンでの完全復活以降、留まることを知らずに更なる進化を遂げ続けている我らの頼れるエース、アントワーヌ・グリーズマン。
悲願のタイトルまでの道はまだまだ遠く険しいですが、今シーズンこそはそれを成し遂げて、真のレジェンドとして名を馳せてくれることと信じます。