こちらは武田によって制圧された駿府の今川館…。

(一応)当主の氏真のもとに馳せ参じたのは、岡部正信ただひとり…。
朝比奈、三浦、葛山といった重鎮たちは皆武田側に寝返っていたためです…。



取り乱す氏真に岡部正信は刀を差し出し、武田が来る前に腹をお召しなされと勧めます…。



氏真はその刀を首に当て、自刃しようとするも、父・義元のある言葉が頭をよぎり、死ぬことは出来ませんでした…。



そして駿府を制圧した武田信玄…。
彼が今川館に到着する前に氏真は逃亡済み…。
信玄は氏真を見つけ次第首をはねるつもりでした。




その氏真の逃亡の最中、このドラマにおいてやっとその姿を表したのが、志田未来ちゃん演じる氏真の妻・糸…。
今川家が同盟を結んでいた相模北条家の北条氏康の娘です。




ドラマの冒頭にもあったように、
かねてから瀬名に想いを寄せていた氏真でしたが、今川家は相模の北条家と同盟を結んだことで、その盟約の証として氏真は北条家の姫である糸との政略結婚をさせられてしまっていました。



所詮は愛のない結婚だったのか、当初2人の夫婦仲は円満ではありませんでした…。




一方で引馬城を落としてから遠江の今川領を徐々に切り取っていた家康でしたが、偵察に向かわせていた服部半蔵によれば、氏真はそこからすぐそこの懸川(掛川)城に身を隠してると言うのです。



さらにはそのタイミングで信玄から文が届き、すぐに氏真の首をとるようにとの催促の内容でした。




そして懸川城の氏真は…。
糸の実家である北条家の氏康、氏政親子、糸にとっては父と兄が氏真を相模で保護するという誘いがあったと伝えても、当の氏真は、

『逃げるなどありえん!』

とまるで聞く耳持たず…。




こうして始まった家康と氏真の戦。

しかし、籠城して迎え撃つ氏真軍は予想以上に手強く、4ヶ月たっても決着はつきませんでした…。



『なぜそこまでして戦う…?
氏真…。』



家康が感じていたその疑問の答えは、かつて家康が駿河にいた頃にありました…。

瀬名との結婚をかけた氏真をと家康の決闘…。
互いに瀬名に想いを寄せていた2人は普段の手合わせとは打って変わった目の色で真剣勝負を繰り広げ勝ったのは家康でしたが、氏真の運命が狂い始めたのはその直後。





普段なら呆気なく負けていた家康は、実力がありながらも氏真の顔を立てるためにわざと負けていたことを義元から聞かされ、ショックを受けた氏真…。



尚且つ織田信長との桶狭間の戦いの際に、家康は大高城への兵糧送りという大役を任されたのに対し、氏真が命じられたのはまさかの留守居…。




氏真は父・義元に食って掛かり、
『私はそれほどまで頼りのうございますか?!』




義元の返事は…、

『ならば…有り体に言おう…。
そなたに…将としての才は…、
ない…。』



更なるショックを受けた氏真は、その場を颯爽とと立ち去ります…。



これまでで分かるように氏真がここまで戦うのは、そういった家康に対する嫉妬や憎しみからだったのです…。






そして長きにわたった因縁の両者の戦いもついにクライマックスを迎えました。






盾の隙間から氏真が矢を放つ僅かな隙をつき、本多忠勝が槍を投じ、見事なコントロールで氏真の右肩を直撃!



深傷を負った氏真はもはや戦う気力を失い、糸やその侍女だけはこの懸川から逃がし、城を枕に討ち死にする覚悟を決めました…。





しかし、糸たちは逃げる途中で家康方に見つかってしまい、囚われの身となります。

この時点で家康方は、氏真が死のうとしていることを悟り、翌日懸川城に総攻めを決行!



最後にひとり取り残された氏真に自ら歩み寄る家康。





あの頃と同じように一騎討ちとなりますが、今回も家康の勝利に…。



この直後、刀を抜いて自らの首をカッ切ろうとする氏真に必死に飛びかかる家康!

『離せ!腹を切らせろ!』

『嫌じゃ!』

『なぜじゃ!』

『死んでほしくないからじゃ!
今も…(氏真を)兄と思うておるからじゃ!』




『何をぬかすか!
わしを嘲笑っておるくせに!
昔からわしをバカにしておったんじゃろうが!』

『そんなことはない!』




『皆が言うておったそうじゃ…。
わしの才は蹴鞠をすることだけじゃと…。
父上も…わしを認めようとはしなかった…。
誰もわしのことを…!』





『違います!

それは違います!
お父上の真の思いは違います!
私にはお心のうちをお話しくださいました!



桶狭間の戦いの出陣前に義元公が息子に対して言い放った、
『そなたには将としての才はない。』
という非情なお言葉…。
氏真はそれを聞いて立ち去りましたが、実はこの先には続きがあり、その場に残っていた糸にはそれを話していました…。

『あれに天賦の才はない。
じゃが、夜明けから夜半まで武芸に励む気持ちを持ち続ければ…大丈夫じゃろう。
己を鍛え上げる気持ちを持ち続ける者は…いずれ必ず…天賦の才ある者を凌ぐ…。

きっと…よい将になろう。

家臣にも恵まれておる。
次郎三郎(家康)は…いずれ大きく化けると…余は見ておる…。
目に浮かぶようじゃ…。
氏真と次郎三郎が…手を取り合って…この領国を…ますます栄えさせている様がなぁ…。』




『それを直にお伝えいただけませぬか?』



『あい分かった。
この戦から戻ったらな…。』

しかし、ご存じの通り義元公は桶狭間で討ち死にしてしまったため、彼の口から息子にそのお言葉が伝わることはありませんでした…。



亡き父の真の思いを知り、呆然とする氏真…。



『私も…願わくば…ずっと…氏真様にお仕えしとうございました…。
太守様の想いに背き、氏真様に弓引くことになり、申し訳ございませんでした…。』




『もう十分にございます…。
そこから下りましょう…。
下りて…楽になりましょう!
糸は…蹴鞠をするあなた様が好きでございます…。
戦をするあなた様よりも…ずっとずっと好きにございます…。』

あれだけ冷たく接しられても夫を支え続けようとする献身さと健気さ…(´;ω;`)。



妻のその想いをようやく受け止めた氏真は、その願い通り、彼女の実家である相模北条家に身を寄せる決断をしました…。

『余は…何ひとつ事を為せなかったが…妻ひとりを幸せにしてやれることならば…出来るやもしれぬ…。』



『私は…氏真様が羨ましい…。
いつか私もあなた様のように生きとうございます…。』



『それはならぬ…。
おぬしはまだ下りるな…。
そこでまだまだ苦しめ…。』


決してそれは憎しみの言葉ではなく、彼なりの
『もっともっと高みを目指せ』
というメッセージなのだと思います。




8歳頃から今川家に人質として送られてきた家康…。
ほぼ同世代の氏真は、幼い頃から共に文武に励んできた唯一無二の分かり合える存在でした。

たったひとつの不運な誤解から運命が狂ってしまったとはいえ、あの桶狭間の戦いの悲劇がなければ、この2人の運命もこれほどまで変えられることはなかったかもしれません(´;ω;`)。

懸川で悲しい別れとなった2人ですが、このドラマでは、某諸説どおりに再会することはあるんでしょうか…?





しかしこれで全てが一件落着となるわけがありません。

家康が今川氏真を助命したという知らせを受け、武田信玄は大激怒。



家康は氏真を北条へ送ったということで、武田側では家康と北条が手を結ぶことまで推察され始めます…。




『わしに喧嘩を売ってるらしいな…。』

まさに『風林火山』が大噴火するかのような武田信玄の怒り…((( ;゚Д゚)))。




家康が武田信玄を敵に回す事態は避けられない状勢となりました…。





武田信玄に睨まれ、絶体絶命のはずの家康はなぜか次回は京の都へ…。
そんなことをしてる場合か?!と皆が突っ込みたくなるところですが(^_^;)。




謎の商人、茶屋白次郎!



不適に笑う明智光秀!




リアルバカ殿!足利義昭!




そしてお市様の旦那様の
浅井長政!



都で出会う新たな戦国の怪物たちを前に今回は果たしてどうする?!