永禄10年、
1人の男が信長を訪ねて岐阜へとやって来ました。
その男こそ、明智十兵衛光秀…。
言わずもがな、この後日本全土を揺るがす大事件を起こす男です…。
今回は足利義昭の使者として信長を訪ねて来たと言う光秀。
案内役を務めた藤吉郎は、岐阜城下を案内すると言うも、彼は『我らはすぐにでも信長殿にお会いしたい』と拒否。
しかし、傍らにいた従者らしき者が、
『旦那様もさぞお疲れにございましょう。
織田様に会われる前に、鋭気を
養われてはいかがです?』
そう勧められた光秀は、岐阜の街で少しくつろぐことに…。
その後、茶屋の前で休憩を取るも、光秀は一向に座ろうとはせず、差し出された団子を先に従者に食べさせる不自然なしぐさの数々…。
その様子を逐一観察していた竹中半兵衛は、既にこの時あることを気がついていました…。
そしてついに信長と対面する光秀…。
その用件は、次期将軍候補である足利義昭を擁立して上洛していただきたいという内容でした。
なぜ信長が選ばれたのかという問いについて光秀は、
『今川を撃ち破り、美濃を手中に治めたそのお力は、
まさに我らの求める…』
『ただの順番であろう?!
他が動かぬ故…、
織田を頼ることにした…。
違うか…?』
しばらくの沈黙の後、光秀は、
『その通りにございます…。
(越前)朝倉は口ばかりで一向に動かず…、
(甲斐)武田も(越後)上杉も(相模)北条も…皆、他国の出方を伺い…領内の揉め事に手を焼き…動くに動けぬのです…。
よって…。
次は織田殿に頼ることにしたのです…。
生涯…、
番が回ってこない者もおります故…、
よくお考えくださりませ…。』
『考えるまでもない!
上洛の件…お引き受けいたす!』
家臣たちは、足利義昭様がどのようなお方か分からぬ故、よく吟味なさりませ、と進言しますが…。
『心配無用じゃ!』
信長は突然立ち上がると即座に刀を抜き、その刃が向けられたのは、光秀ではなく、その傍らにいた従者!
即座に光秀が間に入ったその瞬間!
『やはり…
足利義昭様にございましたな…?』
『参ったな~。
なぜ分かった?!』
先程の岐阜城下での光秀の彼を気遣う数々の不審な行動から、
半兵衛は既にその従者が実は足利義昭ではないかというのを見破っており、密かに信長に報告していたのです…。
自分たちを『我ら』と話していたこと、
岐阜城下で休むという従者の進言に潔く従ったこと、
茶屋で座らずに立っていたこと、先に団子を食べさせたこと、
それらの様子から策士・半兵衛はあっさりとその従者が足利義昭であることを見抜いていました。
『無論!
わしも気づいておりました!』
※嘘つけ(#゚Д゚)!!
『将軍家の血を引くゆえ、わしは今、命を狙われておる…。
この目で見たもの以外は信用できんのじゃ…!
これまで頼ってきた武将たちにも同じようなことをしたが…、
気がつかれたのは…此度が初めてじゃ!』
『ご無礼のほどを…平にご容赦くださりませ…!』
『今この乱れた世を救えるのは…わししかおらぬ!
力を貸してもらいたい!』
『この織田信長…。
必ずや義昭様を今日にお連れし…、
天下布武を成し遂げてごらんにいれまする!』
この義昭と光秀との出会いこそ、この後の信長だけでなく、豊富兄弟の運命をも変えていくことになるのです…。
その様子を小一郎にも伝える藤吉郎ですが、
小一郎が危惧していたのは、美濃と京の間には六角や浅井が治める近江があり、特に浅井は織田と対立する朝倉とも深い縁があり、障害となるのではということでした。
しかし、藤吉郎によれば、信長は妹のお市様を浅井家の嫡男・長政に嫁がせて和平を結ぶという手を打っていました…。
しかし、浅井長政というお人がどういう男なのかは信長でも知らないと聞かされ、不安な気持ちになるお市様…。
政略結婚がごく普通のこの時代…お市様に限らず武家の女性は祝言の日に初めて相手の男性を見るというのがほとんどでした…。
それでもお市様は…。
『市は…嬉しいのです…。
やっと兄上のお役に立てることが…。
この時が来るのを…待ち望んでおりました…。』
『人質か…。』
『おかげで織田と浅井は戦わずに済む…。
あとは六角さえ抑えれば…上洛の道は開ける…。』
しかし、藤吉郎にはちょっと本音が…。
『お市様のおかげじゃ…。』
『寂しくなりますね…。』
『そうなのじゃ…しばらくあのお顔が見れんと思うと…。』
と!
ふと藤吉郎が声のした方に目をやると…!
そこにいたのは寧々様(  ̄□ ̄;;)!!
またしても訪れてしまった女癖最悪の藤吉郎の悪い癖(ノ∀`)。
一触即発のムードになり始めそうになったところでしたが、
そこへ甚助が現れ、お市様が藤吉郎をお呼びだというのです…。
さすがにこのタイミングでホイホイと行ってしまうほどこの男もバカではありません(^∀^;)。
ここは藤吉郎の代わりに小一郎がお市様のもとに向かうことに…。
お市様が藤吉郎(小一郎)を呼び出した用件とは、
嫁ぎ先である近江の浅井長政に文をしたためようとしたものの、上手く書けないというので代わりに書いてほしいというものでした…。
織田家のためのこの婚礼…。
お市様自身では何を取り繕ってもすぐに見透かされてしまうため、計略に長けた豊臣兄弟であれば、作り話は得意だろうということでした(^_^;)。
当初小一郎は、『恐れ多いこと』と丁重に断りまが、
『聞いた話では…、
浅井長政殿とは…秀麗なお顔立ちにて…気性もお優しく…物静かで穏やかな…誰からも慕われるお人とのこと…。
お市様は…きっとお幸せになれまする!』
『そうか…。
兄上とは似ても似つかぬ…。
私の好みではないな…。』
『というのは、全て作り話にございます!
お市様を励まそうとして…つい…。』
『このたわけが…!
余計な気遣いは無用じゃ!』
『されど…。
此度の婚礼…。
一欠片でも自分のためとは思えませぬか…?』
『私も…男に生まれたかった…。
さすればそなたのように…兄と共に戦うことも出来たであろう…。
周りの男たちが…いつも羨ましく思っておった…。
この婚礼は…
私の初陣じゃ!』
『なればお市様…!
どうか…ご武運を!』
戦国という厳しい時代を男以上に勇ましく、逞しく、猛々しく生きたお市様はこうして近江の浅井家へと嫁いでいったのでした…。
その祝言の日…。
その席には浅井長政の父親である先代の久政もいましたが、彼自身はこの婚礼は内心では快く思っていませんでした…。
しかし、当の長政本人は祝言の最中でも常にお市様を気遣う優しい心遣いを見せていました…。
小一郎が思い付きで作り出した浅井長政の人格…それは結果的に現実のものだったのです…。
永禄11年9月…。
信長はついに上洛に向けて美濃を出発…。
まずは近江の東を支配していた六角を撃破し、
そのわずか一ヶ月の間には、先代の将軍・足利義輝を暗殺して畿内で乱暴狼藉を働いてきた『三好三人衆』を阿波の国へ追い払うことに成功。
三好三人衆を畿内から弾き出した信長は、ついに足利義昭と共に上洛を成し遂げます。
応仁の乱以降、足利将軍家の権威が失墜した京の町は荒れに荒れ果て、とても日本の中心とは言い難い場所となっていました…。
それから数日後…。
足利義昭は朝廷より室町幕府第15代将軍に任命されました…。
義昭は自分を取り立てて将軍にまで仕立て上げてくれた信長に副将軍になるように誘いますが、
当の信長本人は、
『謹んで…お断り申し上げます…。
そのような大役…私には…身に過ぎたことにございます…。
これまで通り…織田弾正忠信長として…お支えして参りまする…!』
ここで副将軍の申し出を断られた義昭は早くも信長という男に疑念を抱いていたのでした…。
いっぽうの信長はというと…。
『まだ何も終わってはおらぬ…。
ここからが始まりじゃ…。』
信長は自らが将軍義昭の後ろ楯となったことを機に、諸国の大名たちに文を送りつけていました…。
その内容は直ちに上洛して新将軍となった義昭に拝謁せよというものでした…。
その送りつけた大名たちというのが、後に信長の前に立ちはだかる数多くの錚々たる顔ぶれのライバルたち…。
甲斐の武田信玄…。
越後の上杉輝虎(後の謙信)…。
越前の朝倉義景…。
四国は土佐の
長曽我部元親…。
丹波・有岡城の
荒木村重…。
そして大和の松永久秀…。
そしてその署名の欄には信長と同盟を結ぶ徳川家康の名前もありました…。
『天下布武などつまらん…。
ただの通り道じゃ…。
わしはこの日の本をひとつにする…。
天下一統じゃ!』
上洛を果たし、新たな照準を見出だした織田信長が、ついにこの瞬間覚醒を遂げたことになります…!
そして次回!
一時は信長に畿内を追われていた三好一族が再びクーデター!
兄弟は果たして将軍・義昭を守り通せるのでしょうか?!


























































































