オレはクロスケ。
ご主人様はいつも
オレの頭をやさしく撫でてくれる。
しかし昨年末オレが結膜炎になったので
オレの脇ををつかんでぐいと引くと
情け容赦なく目薬をさすのだから
たまらない。
まあこんなひどい取扱いが
できたもんだ。泣けてくる。
姉上様は目薬を指差して
それは効かないからやめたら
せっかくの目薬の甲斐がない。
ご主人様は
はじめのうちは効いたのだけど…
もう少し辛抱しないと治らない。
ご主人様はオレに目薬を
繰り返し根気よく続ける。
なぜ続けるのかオレには分からない。
庭では
水仙が咲き彼岸桜の蕾が膨らみ始めた。
春は確実に近づいている。