講義1-2
B☆三様監査☆
公認会計士監査→財務諸表の適正性for利害関係者(監査会計の職業的専門家)
内部監査→従業員の業務執行状況for経営者(会社業務に精通)
監査役監査→取締役職務執行状況for株主債権者(経営者を監視する立場)
B☆監査の分類☆
財務諸表監査の特徴=会計監査・情報監査・法定監査・外部監査
B☆監査基準の定義・必要性・性質効果☆
定義:
「監査実務の中に慣習として発達したものの中から、一般に公正妥当と認められたところを帰納要約した原則であって、職業的監査人は、財務諸表の監査を行うにあたり、法令によって強制されなくても、常にこれを遵守しなければならない。」
必要性:
①監査の証明水準担保
②監査責任範囲明確化
③監査の社会的信頼性の維持・向上により監査制度の確立・円滑な運営へ
性質:
①実践可能性②公正妥当性③規範性
効果:
①利害関係者:監査理解→監査への過大小評価防止→社会的信頼性確保
②監査人:監査水準の実現&責任範囲の明確化
③経営者:監査理解→受入協力体制
利害調整機能:
利害を合理的に調整し監査制度に確固たる基準を与え、その円滑な運営
B☆期待ギャップ☆
監査制度の円滑な運営のため解消必要(監査失望原因)
①監査機能拡充
②啓蒙により過剰な期待減少
B☆財務諸表監査の必要性☆
①利害関係者と経営者の利害対立
②財務諸表の相対的性質(事実と慣習と判断の総合的産物)
③財務諸表の影響の重大性(重要な意思決定情報として利用)
④利害関係人の地理的制度的遠隔性(調査権限に制限あり)
⑤財務諸表の作成過程の複雑性(技術的能力的調査困難性)
AA☆財務諸表監査の目的☆(200-3~9)
財務諸表監査の目的は、経営者の作成した財務諸表が、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、企業の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況をすべての重要な点において適正に表示しているかどうかについて、監査人が自ら入手した監査証拠に基づいて判断した結果を意見として表明することにある。
財務諸表が適正である旨の監査人の意見は、財務諸表には、全体として重要な虚偽の表示がないということについて、合理的な保証を得たとの監査人の判断を含んでいる。
監査固有の限界:
①財務報告の性質(見積もりや判断)
②監査手続の性質(強制捜査権の不存在、情報非提供や不正隠蔽の可能性)
③適時性と費用便益比較衡量→計画・リスクアプローチ・試査)
AA☆二重責任の原則☆
定義:財務諸表作成責任は経営者にあり、監査意見に関する責任は監査人にある(財務諸表適正性にかかる二重責任構造)
→責任分担明確化のみならず、経営者自らの負担責任認識・監査人との協力による企業内容開示制度の円滑化
B☆経営者の責任に関する前提と監査の前提条件☆(200-12, 210-3, 4)
経営者の責任認識理解
①適用される財務報告の枠組みに対して財務諸表作成
②重要な虚偽表示ない財務諸表作成するため経営者必要判断内部統制を整備運用
③財務諸表作成に必要情報・追加情報・入手機会提供
監査前提
①受入可能な財務報告枠組み
②監査実施の基礎前提に経営者合意
B☆財務諸表監査の機能に関する用語整理☆
本質的①批判的機能:財務諸表適正性を批判的に検討
付随的②指導的機能:助言勧告等を行い、適正財務諸表作成指導
本質的③保証機能:適正性意見表明により、意思決定情報としての財務諸表信頼性保証
追加的④意見による保証とは別に利害関係者理解に資するための補足的情報提供
AA☆監査人の条件に関する知識の整理☆
①適格性要件
☆職業的専門家としての能力
監査に必要な水準の専門的な知識と技能
☆外観的独立性
監査人の精神的独立性が堅持されていないと第三者が判断するような状況にないこと
②職業的義務
☆精神的独立性
職業的専門家としての判断を危うくする影響を受けることなく、結論を表明できる状精神状態を保持すること
☆職業的専門家としての正当な注意
監査人が職業的専門家として当然払うべき注意、又は社会から当然に期待される注意
AA☆2つの独立性の重要性☆
精神的独立性:
公正不偏の態度がない→偏った意見表明→財務諸表監査の目的達成されないばかりか却って有害な制度に(精神的独立性は財務諸表監査制度の根底を支える)
外観的独立性:
①ないと精神的独立性を害する要因に
②ないと精神的独立性の保持に関する社会疑念招く
③具体的規制可能
→精神的独立性を形式面から担保
AA☆職業的専門家としての正当な注意の意味☆
内容:善管注意義務より高度、相対的(社会的期待変化や監査技術進歩反映)
監査人の責任:職業的専門家としての正当な注意をはらったこと=社会期待に応えたこと
→結果的に誤った意見表明しても正当な注意をはらったことを立証すれば免責
(正当な注意をはらったか否かは、監査人の責任の有無の判断基準)
職業的懐疑心200-12→誤謬又は不正による虚偽表示の可能性を示す状態に常に注意し、監査証拠を鵜呑みにせず、批判的に評価する姿勢
ポイント:①精神的独立性は絶対的にその保持が求められ、その保持の程度を問題とするものではない。
②監査の基準は、職業的専門家としての正当な注意の最低限を画するもの理解される
③本来、職業的専門家としての正当な注意に懐疑心は含まれるが、監査計画の策定、その実施、監査証拠の評価、意見の形成に至るまで、財務諸表に重要な虚偽表示が存在する虞に常に注意を払うことを求める観点から、一般基準では、職業的懐疑心の保持を保持すべきことを特に強調
B☆秘密保持☆
規定:「業務上知り得た事項を正当な理由なく他に漏らし、又は窃用してはならない」
重要性:企業機密情報でも制約なく提供されることが円滑な監査環境構築のため重要
→秘密保持は正当な注意に包含されるが、特に重要な職業義務であるため、一般基準は独立して規定。
A☆意見形成のプロセス☆
財務諸表全体の適正性(直接立証不可)
→監査手続上の個別具体的立証目標(監査要点)設定
→その入手結果を統合化(総合評価)することで意見表明の基礎を得る(F/S全体の適正性判断)
AA☆監査実施のプロセス☆315,330
リスク評価手続
内部統制を含む企業及び企業環境理解手続
リスク対応手続
暫定評価重要な虚偽表示リスクに対応して、監査リスクを合理的に低い水準に抑える手続
B☆監査チームによる監査☆
監査事務所→品質管理システムの一環として①品質管理の方針手続を定め②これらに従って監査が実施されていることを確かめる
各監査チーム→当該品質管理の方針と手続に従う
A☆監査要点☆
監査要点:自己の意見形成の基礎となる十分かつ適切な監査証拠/を入手するために、/経営者が提示する財務諸表項目/に対して設定する/立証すべき目標
アサーション(315-3):経営者が明示的か否かにかかわらず提示するもの
→(監査人は発生する可能性のある虚偽表示の種類を考慮する際にこれを利用)
実在性:資産負債が実際存在、取引や会計事象が実際存在
網羅性:計上すべき取引や会計事象すべて記録
権利と義務の帰属:計上されている資産権利、負債義務が会社帰属
評価の妥当性:取引や会計事象を適切金額記録、収益費用を適切期間配分
表示の妥当性:取引や会計事象を適切に表示
B☆アサーションと監査要点☆
監査要点は、アサーションと監査手続を論理的に結びつける概念として捉えられる
A☆十分かつ適切な監査証拠☆500-4
監査証拠:監査人が意見形成の基礎となる個々の結論を導くために利用する情報
十分性:監査証拠の量的尺度
適切性:監査証拠の質的尺度(適合性と証明力)
B☆全般的な結論を形成するための分析的手続☆520
監査の最終段階:企業に関する監査人の理解と財務諸表が整合していることについて、全般的な結論形成→個々の結論裏付け
(この他、リスク評価手続の一環として、監査計画策定時の重要な虚偽表示リスク識別等)
講義3-4
AA☆内部統制に関する用語整理☆内部統制基準各号
定義:
「企業目的が達成されているとの合理的保証を得るために、業務に組み込まれ、組織内のすべてのものによって遂行されるプロセス」
目的:
①業務の有効性及び効率性
②財務報告の信頼性
③事業活動に関わる法令等の遵守
④資産の保全
基本的構成要素:
①統制環境
「組織の気風を決定し、組織内のすべての者の統制に対する意識に影響を与えるとともに、他の構成要素の基礎をなし、リスクの評価と対応、統制活動、情報と伝達、モニタリング及びITへの対応に影響を及ぼす基盤」