消費増税は真に日本に必要なのか?? 業界団体に財務官僚を天下りさせる?? | 東京リーシングと土地活用戦記

東京リーシングと土地活用戦記

ニーチェ・ツァラトゥストラの言葉「神は死んだ、神なんかもう信じるな」「強い風が吹く所に一人で立て!そこは非常に厳しいけれど、人間自分自身が主人公だ!風を受けて孤独になれ!」「真理などない。あるのは解釈だけ」いいねー。スバム読者申請コメント削除します。



2014年01月06日
●「消費増税は真に日本に必要なのか」(EJ第3703号)
 本号は今年はじめてのEJです。今年もEJをよろしくお願い
いたします。2014年4月1日から消費税が今までの5%から
8%にアップします。さらに計画では、2015年10月から8
%が10%に引き上げられます。無茶苦茶な暴挙です。
 普通であれば、そういう無謀な増税を決めようとすると与党に
強い批判が行き、政権がひとつやふたつ崩壊するのは不思議では
ないのです。5%を2倍の10%に引き上げるのですから、世紀
の大増税といえます。

 そもそも消費税増税10%を掲げて2010年の参院選を戦い
勝利したのは自民党なのです。衆参のねじれはこのとき生じてい
ます。しかし、増税を公約に掲げて勝利したといっても、そのと
きの自民党は野党だったのです。
 野党の公約というものは、政権交代の可能性のあるときは別と
して、国民はあまり重視しないものです。実現する可能性が少な
いからです。もし、民主党が菅政権ではなく、鳩山政権のままで
あったなら、民主党は参院選で議席は減らしても、ねじれを生じ
させるような負け方はしていないはずです。
 確かに鳩山政権にもいろいろ問題はあったものの、国民はこの
時点では民主党にまだ期待を持っていたのです。まして鳩山政権
であれば、選挙は小沢幹事長が仕切っていたはずであり、大敗は
していないと考えます。それでは、なぜ増税を掲げた自民党が勝
利し、菅民主党は負けたのでしょうか。
 それは、政権幹部ですらあっけにとられた菅首相の「消費税増
税を選挙公約にする」という発言です。その言葉は、首相になっ
たばかりの菅直人首相が、2010年6月17日に開いた参院選
のマニフェスト発表会の席上で突然発表されたのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
 もう少し、私の言葉でかみ砕いて言いますと、消費税について
 あるべき税率や逆進性対策を含む改革案を、今年度中にとりま
 とめていきたい。なお、当面の税率については、自由民主党が
 提案をされている10%という、この数字を一つの参考にさせ
 ていただきたい。         ──菅直人首相(当時)
    ──伊藤裕香子著(朝日新聞記者)/プレジデント社刊
        『消費税日記/【検証】増税786日の攻防』
―――――――――――――――――――――――――――――
 民主党は「増税しない」ことを公約にして2009年の衆院選
を戦い、政権交代を成し遂げた政党
です。その民主党が政権交代
後1年も経たないうちに、やらないといった消費税を実施すると
いうのですから、国民への裏切り以外の何ものでもないというこ
とになります。
 実は自民党は「消費税10%」を公約にしたものの、党内に反
対者は多かったのです。そんな公約を掲げたら、参院選に勝てな
いという議員が多かったからです。しかし、時の自民党総裁は元
財務相の谷垣禎一氏であったので、公約になったのです。谷垣氏
は財務省に既に洗脳されている一人
であるからです。
 ところが、与党の民主党が堂々とマニフェスト破りを宣言し、
自民党と同じ公約を掲げたので、事情は変わったのです。批判は
与党である民主党に向い、自民党は批判を免れたのです。民主党
には次の批判が集中し、参院選に惨敗
することになります。自民
党から見ると、これが思いがけない「敵失」になったのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
 民主党はやると約束したことをやらず、やらないといったこ
 と強行しようとしている。明確なマニフェスト違反である。
―――――――――――――――――――――――――――――
 いくら凡庸な政治家でも選挙に惨敗すれば、少しは反省するも
のですが、菅元首相はそれでも増税の実現を目指したのです。そ
の理由は、次の3つであると考えられます。
―――――――――――――――――――――――――――――
 1.消費税増税に反対する小沢一郎グループへのさや当て
 2.日本の財政への認識や判断に決定的誤りがあったこと
 3.増税問題の争点化で普天間基地問題は争点から外れる
―――――――――――――――――――――――――――――
 結局、菅元首相はその第2次政権において、かねてからの消費
税増税の主張者である与謝野馨元財務相を民主党の経財担当相に
招き増税のプランニングと準備をさせることまでして、増税実現
を目指したのです。
 しかし、東日本大震災や福島原発事故の対応をまずさによって
菅氏が退陣させられると、今度は野田佳彦氏が首相になって、菅
氏の路線を継承し、こともあろうに野党の自民・公明両党と組ん
で、「税と社会保障の一体改革」として大増税の実現を図ったの
です。これによって、民主党は小沢氏を含む大量の離党者を出し
党の分裂
までを招くことになったのです。
 その結果、民主党は2012年の衆院選と2013年の参院選
に続いて惨敗し、増税強行の批判は民主党だけが負って、ねじれ
なしで自民・公明両党が政権を担うことになったのです。
 しかし、消費税増税は本当に必要なのでしょうか。民主党が党
を壊してまで実現に執着すべきものだったのでしょうか。また、
必要だとしても今やるべきなのでしょうか。やることによってデ
フレ脱却はうまく行くのでしょうか。疑問がたくさんあります。
 そこでしばらく消費税増税について考えてみることにします。
―――――――――――――――――――――――――――――
    消費税増税はなぜ必要かについて改めて考える
     ─ そのデフレ脱却に与える影響は? ─
―――――――――――――――――――――――――――――
 消費税増税については、賛否両論があります。社会保障のため
には不可欠であるという賛成論から、官僚が自らの懐具合を豊か
にするだけという反対論まであります。また、必要論でもデフレ
脱却を目指す今はやるべきでないという意見もあるのです。アベ
ノミクスとの関係についても述べていきます。明日からスタート
です。          ── [消費税増税を考える/01]

≪画像および関連情報≫
 ●消費増税首相決断!/産経新聞/2013年9月19日
  ―――――――――――――――――――――――――――
  安倍晋三首相は18日、現在5%の消費税率について、来年
  4月に8%に引き上げることを決断
した。消費税増税の判断
  材料になる各種経済指標は、景気回復を裏付けているものの
  首相周辺には引き上げによる景気腰折れを心配し、増税幅を
  2%に抑えるべきだとの声もあった。だが、党内調整や今後
  の国会運営を考慮し、3%の引き上げが避けられないと判断
  した。首相は同日、麻生太郎財務相に法人税減税の具体策検
  討を指示。低所得者への現金給付などを合わせた経済対策の
  総額は、5兆円超になる見通し。首相は、10月1日に日銀
  が発表する9月の企業短期経済観測調査(日銀短観)や、8
  月の有効求人倍率などを分析して最終判断し、消費税率引き
  上げを発表する方針だ。消費税率引き上げは、4~6月期の
  国内総生産(GDP)改定値が、重要な判断材料になると注
  目されていた。これに対し、9日発表された改定値は名目が
  年率換算3.7%増、物価の影響を除いた実質が3.8%増
  を確保し、消費税増税法の付則で目安とされる名目3%、実
  質2%の成長率を上回った。8月下旬に、有識者60人から
  その是非をヒアリングした消費税率引き上げの集中点検会合
  でも、7割が増税に賛同。2020年の東京五輪開催が決定
  し、インフラ整備などの経済効果が見込めることも後押しし
  た。               http://bit.ly/19HUhog
  ―――――――――――――――――――――――――――


消費増税を発表する菅元首相
posted by 平野 浩 at 03:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 消費税増税を考える | |
2014年01月07日
●「なぜ菅元首相は増税を決意したか」(EJ第3704号)
 菅元首相が消費税増税に目覚めたきっかけは、一体何だったの
でしょうか。野党の時代に菅氏が消費税増税を口にしたことはな
いし、「4年間増税せず」を打ち出した2009年の衆院選のマ
ニフェストにも反対を唱えていないのです。
 そうであるとすると、藤井財務大臣の辞任を受けて就任した財
務相時代──2010年1月7日~6月8日──に変心したとい
うことになります。そのときの財務副大臣が後に菅氏の次に首相
になる野田佳彦氏です。
 それにしても「洗脳」のされ方が非常に早い。就任して約1ヶ
月後の2月5日~6日、菅氏はカナダのイカルウィットでの主要
7ヶ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)に出席し、次の発言を
しているのです。菅氏にとってはじめての国際会議です。
―――――――――――――――――――――――――――――
 我が国の国債残高は、オリンピックであれば金メダルが間違い
 なくもらえる水準である。      ──菅財務相(当時)
    ──伊藤裕香子著(朝日新聞記者)/プレジデント社刊
        『消費税日記/【検証】増税786日の攻防』
―――――――――――――――――――――――――――――
 ちょうどこのG7では、開催直前に市場を直撃したギリシャな
どの財政問題をめぐる懸念緩和を狙った発言が相次いでおり、菅
財務相としても、表面数字的にはギリシャよりも悪い日本の財政
事情を頭においての発言です。
 帰国直後、菅財務相は、神野直彦東大名誉教授を副総理室に呼
んで、次のようにいっています。神野教授は、そのとき政府税務
調査会・専門委員会の委員長をしていたのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
         消費税の増税は俺がやる!
―――――――――――――――――――――――――――――
 そのとき、神野教授は、マニフェストとの整合性を指摘してい
ますが、菅氏は聞く耳をもたなかったといいます。神野氏は、専
門委員会で方向性を出すので、しばらく時間が欲しいと説得し、
その場を引き取ったといいます。つまり、この時点で菅氏は消費
増税の実行を決めていた
ようなのです。
 おりしも鳩山首相は沖縄問題をめぐる発言と母親からの献金問
題で検察に追及されて窮地に立っており、小沢幹事長も3人の秘
書が逮捕され、自身も検察から事情を聞かれるという深刻な事態
に陥っており、菅氏としては「次は俺だ」と確信していたので、
それを意識しての発言であったと思われます。
 それ以前にも菅氏は、消費増税に関しては次の発言を繰り返し
ていたのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
 ◎鳩山政権は普天間問題で迷走しているけれど、もっと大きい
  争点である消費税の増税を出せば、この問題は消える。鳩山
  さんには、そういっているんだけどもね。
 ◎消費税とTPPを持ち出せば、自民党も割れるよ。
               ──伊藤裕香子著の前掲書より
―――――――――――――――――――――――――――――
 この発言を聞くと、菅氏が消費税増税を日本の財政問題解決の
方策として考えていたというよりも、政局運営や選挙の戦術とし
て使おうと考えていたことがわかります。
 その一方で菅氏にとって消費税増税が必要なものとして強く感
じられたのは、ギリシャ危機だったのです。ちょうど鳩山政権発
足当時にギリシャでも政権交代があり、前政権の粉飾決算が発覚
し、それが原因で財政破綻による社会的な混乱が起きていたから
です。さらにそれを身に沁みて感じたのは、前記の財務相になっ
た直後のG7への出席です。
 当時の財務省としては、民主党の「4年間消費税の増税をしな
い」というマニフェストを苦々しく思っており、民主党内でそれ
を撤回させる工作をしていたのです。おそらく菅氏の前任者であ
る藤井裕久元財務相もその一味であったと思われます。藤井氏は
勝財務事務次官とも相談し、鳩山政権で閣僚のポストが得られな
かった野田佳彦氏を財務副大臣に任命して、反小沢勢力の核にし
ようと考えていたのです。
 菅氏と野田氏に共通していたことは、経済的知見が劣っている
ことです。財務官僚にとってこういう政治家は御しやすく、「日
本もギリシャのようになる」と2人に吹き込んだものと思われま
す。ちなみに、最近の菅元首相に、「4年間は消費税増税をしな
い」という民主党のマニフェストの方針変更について朝日新聞・
伊藤裕香子記者が尋ねたときの菅氏の発言をご紹介します。
―――――――――――――――――――――――――――――
 鳩山さんは当時、沖縄の普天間基地移設問邁で苦労されていま
 した。一方で、ギリシャ危機という、民主党への政権交代後に
 起きた新しい危機に対しては、2009年衆院選のマニフェス
 トになくても、対応しなくてはいけないと考えました。財政破
 綻を回避することは、極めて重要な課題です。ですから、「財
 政再建の方向性を、総理としても言われたらどうですか」とい
 う話を、何度か鳩山さんに話したことはあります。大きな政治
 課題として取り組む姿勢は、私は、もっとあっていいと思って
 いました。         ──伊藤裕香子著の前掲書より
―――――――――――――――――――――――――――――
 この発言を聞く限り、菅氏は今でもギリシャ危機のようなこと
にならないように消費税を増税するという判断には誤りはないと
考えているようです。
 ギリシャは、2006年頃から経済が悪化してきており、日本
と同じ理屈で無理な消費税の増税を重ねてあの経済危機を引き起
こしています。ギリシャ危機に学ぶのであれば、無理な増税をす
るのではなく、増税をしない選択なのです。ギリシャと日本の違
い、ギリシャ危機の本質を調べれば、そんなことはわかるはずで
す。そんなことを今でも気がついていないとは、元首相ともあろ
う人としては驚きです。  ── [消費税増税を考える/02]

≪画像および関連情報≫
 ●消費増税で日本はギリシャのようになる/2012年8月
  ―――――――――――――――――――――――――――
   消費税増税法案が2012年8月10日、参院本会議で可
  決成立しました。これによって消費税は2014年4月に8
  %、2015年10月に10%へと段階的に引き上げられま
  す。法案には、経済環境の急変時に増税を見合わせる「景気
  条項」と、名目3%、実質2%の経済成長率の「努力目標」
  を明記しましたが、増税実施に向けた環境整備に向け、政府
  は「政策の総動員をしなければならない」(野田総理)とし
  て、今年度補正予算と25年度予算に景気対策を盛り込むこ
  とも検討するそうですから、何がなんでも増税したいという
  ことでしょう。したがって、「努力目標」としての名目3%
  実質2%の経済成長率は、増税したい政権のもとでは、無視
  されるとみて間違いないでしょう。
   自民党は早期解散をしたいという願望から、3党合意を反
  古にする構えをみせた挙句、谷垣総裁と野田総理の会談で一
  転、採決合意に至りました。この空騒ぎは、自民党の谷垣総
  裁が、野田総理とのチキンレースに負けたということでしょ
  う。「近いうち」の解散がいつかはわかりませんが、民主党
  は野田総理を交代させれば、これを堂々と反故にするそうで
  すから、自民党は喧嘩の仕方を知らないと言われてもやむを
  えません。(12日になって輿石幹事長は、「党首の合意だ
  から、党と党の公約にもなる」と修正していますが。)
  (最後まで読む)        http://amba.to/1bD7hYU
  ―――――――――――――――――――――――――――


イカルウィットG7(2010年)
posted by 平野 浩 at 03:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 消費税増税を考える | |
2014年01月08日
●「財政健全化=財政黒字化にあらず」(EJ第3705号)
 安倍首相は、2013年10月1日に2014年4月から消費
税を現行の5%から8%にすることを決めましたが、それについ
て、FNN(フジニュースネットワーク)の世論調査によると、
国民の反応は次の通りです。
―――――――――――――――――――――――――――――
       支持する ・・・・・ 51.0 %
      支持しない ・・・・・ 43.7 %
―――――――――――――――――――――――――――――
 メディアの世論調査など信用できませんが、一応支持する国民
の方が多くなっています。支持する国民に意見を聞くと、「増税
はいやだが、国にお金がないのじゃ仕方がない」とか、「すべて
を社会保障に回すならいいんじゃないか」という意見がほとんど
です。日本人は大変物わかりのよい国民だと思います。
 しかし、この政策は間違っている
のです。財政を健全化すると
いうことは、一般的には、財政赤字を減らして財政を黒字化する
ことであると考えられていますが、その国の経済の状況によって
財政健全化の政策はそれぞれ違ってくるのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
 経済がデフレ下にあるとき ・・・ 財政赤字を増やすこと
 経済がインフレであるとき ・・・ 財政黒字を増やすこと
―――――――――――――――――――――――――――――
 現在、日本人は日本の財政は最悪で、早急な財政健全化が必要
であると思っています。それは、税収以上に政府支出が多く、そ
れを埋めるため、毎年国債を発行しているので、そういう政府債
務が巨額に達していることをメディアを通していやというほど刷
り込まれている
からです。
 国債といえば政府の借金であり、それは少なければ少ないほど
よいに決まっていますが、世界中に財政赤字のない国なんかない
のです。世界には193の国があります。これらの国の財政収支
を合計すると、大幅な赤字になるのです。
 したがって、政府債務が巨額であるからといって、日本国民が
心配することはないのです。まして、日本は世界最大の債権国の
地位を2012年度現在、22年連続で維持しているのです。と
ころが日本人の多くは、日本は世界一の借金国であることは知っ
ているものの、日本が世界最大の債権国であることは知らない人
が多いのです。これもマスコミの報道のせいです。
 それはマスコミというより、正確にいえば、それを動かしてい
る官僚機構がそうさせている
のです。なぜでしょうか。政府の借
金が多いことを強調しておく方が、増税しやすいからです。
 上記の「財政赤字を増やす政策」とは、中央銀行が積極的な通
貨発行(金融緩和)を行い、政府は財政出動を続けることです。
これによってなんとか経済をデフレから脱却させる──これが最
終の目的です。これについては、現在の安部政権が「アベノミク
ス」として取り組んでいます。
 これに対して「財政黒字を増やす政策」とは、増税または新税
を創出することです。インフレが過熱して暴走しないように一時
的に財政を冷やすために増税が必要なのです。
 インフレになると、供給が不足し、需要が過多になりますから
そういう時期に政府まで支出を増やすと需要が膨らんでしまいま
す。とくにインフレ率が高いときには、政府はもとより、民間の
支出を抑える必要があるのです。
 そのために中央銀行は金利を引き上げ、政府は増税によって民
間の支出、すなわち需要を抑える必要があるのです。増税はそう
いうときに行われるべきです。そうすると、財政は黒字化し、健
全化してきます。つまり、このようなインフレ対策をとると、自
然に財政黒字が増えるのです。
 このように、一般的には「赤字=悪/黒字=善」というイメー
ジがあるので、財政健全化というと、財政を黒字化することであ
ると考えてしまうのです。その結果、下手をすると真逆の政策を
とってしまうのです。
 思えば、民主党政権時代において、デフレであるにもかかわら
ず、白川日銀総は金融緩和を躊躇し、政府は国債発行に上限を設
けてを発行を抑制し、公共事業を削減するなどの間違った経済政
策を実施してデフレを一層悪化
させています。
 加えて、菅政権と野田政権は、財務省に完全に洗脳され、消費
税増税に異常にこだわり、自民党や公明党と一体になって「社会
保障と税の一体改革」という名の消費税大増税をスケジュール化
させています。これなどは、完全に経済政策としては間違ってい
るのですが、当事者たちはまだ分かっていないようです。
 政権を取り戻した安倍政権のアベノミクスは、その逆のことを
やっただけのことです
。日銀総裁を黒田総裁に交代させ、異次元
の金融緩和を継続実施することによって通貨量を増やし、長期国
債の多額購入を長期的に継続することによって、インフレ率を上
昇させ、2年間をめどに物価の上昇を図るのです。この金融政策
がアベノミクスの「第1の矢」と呼ばれるものです。
 以上の日銀の政策に加えて、政府は国債を発行して公共事業を
増加させることによる財政政策を実施します。これは13兆円の
補正予算で具体的に示されています。この財政政策はアベノミク
スの「第2の矢」と呼ばれています。
 さらに、経済を安定的な成長の波に乗せる「成長戦略」を展開
させ、雇用を増やすことが求められていますが、その成長戦略に
ついては、これはというものが出てきていない状況です。これが
アベノミクスの「第3の矢」と呼ばれています。
 これら、第1の矢と第2の矢は、両方とも「財政赤字を増やす
政策」であり、経済がデフレの状況にある経済政策として正しい
といえます。
 しかし、そうであるなら、2013年10月1日に安倍首相は
なぜ消費税増税8%の実施を決断したのでしょうか。これは「財
政黒字を増やす政策」であり、経済をデフレから脱却させる政策
ではない
のです。     ── [消費税増税を考える/03]

≪画像および関連情報≫
 ●菅直人政権のときのあるブログの随想
  ―――――――――――――――――――――――――――
  日本の財政赤字は改善のめどが立ちません。菅首相が「社会
  保障と税の一体改革」というのは、結局のところ、消費税率
  の引き上げをしたいということです。きょうは、政府の財政
  赤字のことを考えてみたいと思います。現在、主要な先進国
  で、財政赤字でない国は、ちょっと見当たりません。いうま
  でもなく、日本は赤字です。アメリカの財政も大幅な赤字で
  す。アメリカは、もともと、財政と貿易の双子の赤字でした
  が、2008年9月のリーマンショックに対応するため、財
  政支出を拡大し、一挙に赤字が拡大しました。欧州を見ると
  ギリシャは赤字のために政府財政が破たんしました。アイス
  ランドも同じように破たん状態です。イギリス、ドイツ、フ
  ランス、イタリア、スペインも軒並み赤字となっています。
  中東の産油国サウジアラビアも財政は赤字だったりします。
  もっとも、ここは石油を増産すれば収入が増えますから、そ
  う心配はないかもしれません。南米諸国も赤字がひどく、ア
  ルゼンチンなど、一時は破たんの危機
に瀕していました。こ
  の21世紀に、財政が赤字ではない国、財政黒字の国は、非
  常に少ない。           http://bit.ly/1e1IccU
  ―――――――――――――――――――――――――――


アベノミクス
  
posted by 平野 浩 at 03:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 消費税増税を考える | |
2014年01月09日
●「財政を家計にたとえるレトリック」(EJ第3706号)
 安倍首相の進めるアベノミクスは、第1の矢である金融政策、
第2の矢である財政政策までは、デフレ脱却のための経済政策と
しては間違っていないと思います。しかし、4月からの消費税率
8%のアップは最悪の選択であったといえます。
 安倍首相としては本音ではやりたくなかったのでしょうが、自
公民3党で決めたことでもあり、総裁の前任者の谷垣禎一法相が
その成立に深くかかわっていたので、意思決定せざるを得なかっ
たものと思われます。しかし、これは安倍政権にとって今後深刻
な火種になる可能性
があります。
 何しろ、この「社会保障と税の一体改革」は、4人の財務大臣
の協力で実現したもので、4人それぞれ実現したことを誇りに感
じているはずです。4人の財務相とは、谷垣禎一氏に始まり、与
謝野馨氏に受け継がれ、民主党になってからは、菅直人氏、野田
佳彦氏とバトンリレーされ、成立しています。なかでも与謝野氏
は、財務相を務めた後に自民党を離党し、菅首相の求めに応じて
民主党に入り、経財担当相として増税の実現に協力しています。
財務省から見れば、表彰ものの4人
ということができます。
 国にとっては、国債を発行してお金を集めるのも、増税して税
金として集めるのも同じなのです。しかし、国の立場から見ると
国債の場合は、国としての借金ですから、買ってもらう必要があ
り、もちろん返さなければならないのです。それにとくに最近で
は、国債の大量発行には厳しい国民の目があります。
 しかし、税金の場合は国民から徴収すればよいし、返す必要も
ないのです。国から見ればこの方がラクに決まっています。しか
し、増税法案を成立させるのは与党の政治家を説得するのが大変
であり、時間もかかります。しかし、一度決まってしまえば、永
遠に徴収できるので、担当する有力な政治家には、こまめに説得
を繰り返すしかないのです。
 政治家は選挙で選ばれるので、増税に対する国民への啓蒙も非
常に重要になります。場合によっては、そのためにウソも含めて
さまざまなレトリックを駆使するのです。その最大のレトリック
は、国の財政を家計にたとえることです。かつて財務省のホーム
ページには、次のようなたとえ話が出ていたのです。
―――――――――――――――――――――――――――――
 日本の税収は40兆円しかない。しかし、使っているのは90
 兆円。50兆円の赤字である。月収40万円しかない家庭が、
 月に90万円の生活をしている。足りない部分はサラ金から借
 りているのだ。これなら、やがて、家計は借金の山となり、破
 綻する。日本の現状はこれと同じであり、やがて破綻
する。
―――――――――――――――――――――――――――――
 このようにいわれると、「こりゃ大変だ」と誰でも思ってしま
いますね。家計にたとえられていますから、話はきわめてわかり
やすいのです。
 この家庭の場合、破綻から逃れるためには、何よりもサラ金か
らの借金することをやめることです。そして極力収入に見合う生
活をするよう無駄な出費を切り詰めるしかないのです。それがで
きないなら、収入を増やすしかないのです。財務省は、この「収
入に見合う生活をする」ことを強調することによって、国におい
ても財政均衡主義を徹底させようとしているのです。財政均衡主
義については改めて述べます。
 しかし、国と家計はまったく違うものであり、このレトリック
にひっかからないようにする必要があります。これについて、産
経新聞特別記者・編集委員・論説委員である田村秀男氏は次のよ
うに述べています。
―――――――――――――――――――――――――――――
 日本の財政をあたかも一般の家計と同じようなたとえ話で論じ
 ることで、財政悪化の恐怖感と増税の必要性を訴えることがで
 きる。プライマリーバランスは増税路線をプロパガンダするの
 に便利な経済概念といえるだろう
。話を家計に置き換えている
 ので、マスコミもこぞって取り上げている。そして財政悪化を
 火の車の家計になぞらえて報じることで、国民に「増税しない
 こと」への危機感や不安感を植え付けることに一役員っている
 のだ。こうしたたとえ話が間違っているのは、国の財政という
 ものは、家計と違って主婦が節約すればするほど黒字が増える
 ようにはできていないということだ。経済を刺激するような積
 極的な財政政策を行なうことで税収を増やすこともできるとい
 う意味で、国家は家計よりもむしろ企業に近い存在である。し
 かも、国と家計が決定的に異なるのは、通貨の発行権を持って
 いることである。国は、中央銀行による金融政策を行使するこ
 とで、「借金が雪だるま式に増えないように」金利水準や物価
 上昇率などをコントロールする手段を持っている。
 ──田村秀男著『財務省「オオカミ少年」論』/産経新聞出版
―――――――――――――――――――――――――――――
 そうなんです。国は通貨の発行権を持っており、借金が累積し
て増加しないように、金利や物価をコントロールすることができ
るのです。家計ではそんなことはできませんから、国の財政を家
計にたとえることはすべきではないのです。
 しかし、財務省は増税するためには手段を選ばないのです。増
税に反対の論陣を張る経済評論家はテレビ局に圧力をかけて出演
回数を減少させ、その代わり財務省御用建の経済評論家を送り込
むのです。私はそういう評論家やコメンテーターの発言を注意深
く聞き、経済に関する御用学者をほぼ特定
しています。
 また財務省はこんな手も使うのです。東京・中日新聞は当時の
民主党政権が推進していた消費税増税に反対の論陣を張っていた
のです。財務省は2011年夏から半年近くの長きにわたり国税
庁に同新聞社の税務調査を行わせ、反対の論陣を張る論説委員の
飲食費などの伝票に虚偽記載がないか徹底的に調べています。
 こんなことをされれば、新聞やテレビで増税の反論をするのを
控えてしまうようになります。そうしなければテレビに出られな
くなってしまうのです。  ── [消費税増税を考える/04]


消費税増税はなぜダメなのか?
高橋洋一 緊急インタビュー
[2012.04.02]

「消費税増税」を何としても達成しようとする財務省。野田首相はじめ、多くの政治家も財務省の思惑通り、増税の必要性を必死に訴え続けている。そもそもなぜ、財務省は消費税増税に躍起なのか。増税は本当に「財政再建」や「社会保障の安定化」につながるものなのか。元財務官僚で小泉・安倍政権下でもブレーンとして手腕を発揮した高橋洋一氏が語る、財務省のホンネとは。

■高橋洋一 プロフィール
(たかはし・よういち) 経済学者、嘉悦大学教授、株式会社政策工房代表取締役会長。1980年東京大学経済学部卒業後、旧・大蔵省に入省。プリンストン大学客員研究員等を経て2001年、内閣府参事官(経済財政諮問会議特命室担当)、竹中平蔵・経済財政政策担当相(当時)の補佐官となる。安倍政権下の06年には、内閣参事官(総理補佐官補)も務めた。'07年、特別会計の「埋蔵金」問題を指摘し、大きな関心を集めた。'08年に退官、『さらば財務省! 官僚すべてを敵にした男の告白』(講談社)で山本七平賞受賞。近著に『日本経済の真相~「経済ニュース」はウソをつく!』(中経出版)、『数学を知らずに経済を語るな!』(PHP研究所)など多数。


物価の安定に失敗し続ける日銀は
中央銀行内の「劣等生」だ
―財務省が主体となり、消費税増税を推し進めようとしています。しかし財務省ご出身の高橋さんは、一貫して現状での消費税増税に反対されてきました。
財務省をはじめ、消費税増税を望む人のロジックは、おおむね以下のようなものです。
まず前提として、日本は長期にわたって低成長である。それゆえ税収は伸びない。だから、税率を上げなければならない
しかし、そもそもなぜ低成長なのか。それは、政策を間違い続けたからにほかなりません。
現在の経済状況を脱するために最も手っ取り早い方法は、デフレからマイルドインフレに転換することです。物価の上昇率は、金融政策でコントロールすることができる。簡単に言えば、日銀がお札を刷って市場に流通させれば、デフレから脱却できるのです。しかし「日本は低成長だ」と主張する人は、デフレは人口要因なども絡むから金融政策でコントロールすることができない、と言います。
しかし、それは間違っている。物価上昇率は中央銀行の金融政策でコントロールできるということは、FRB(米連邦準備制度理事会)のベン・バーナンキ議長がずっと言い続けてきたことです。私は10年以上前、彼に会ったときにその話を聞いていましたし、FRB議長になった今も彼の主張は変わっていません。
デフレから脱却しインフレに転じれば、それだけで名目GDPは成長する。名目GDPの成長率というものは、だいたい一般的な人の給料の伸び率と同じです。所得が伸びれば税収も必ず伸びる。その端緒となるのがデフレ脱却のための金融政策、つまりお金を発行して市場に回すということなのに、財務省と日銀は結託してそれを行ってこなかったという構造です。
この潮流は今、転機を迎えています。FRBが12年1月25日(現地時間)、「インフレ目標2%」を明確に発表したからです。いわゆる「インフレターゲット」と呼ばれるものですが、米国での採用により、先進国で採用していないのは日本だけとなってしまいました。
消費税増税を主張する人たちの「物価は金融政策でコントロールできない」というロジックは、根底から崩れつつあるのです。
***

―物価調整に消極的だった日銀が、12年2月14日、突如として消費者物価上昇率(インフレ率)1%を目指す方針を決定、発表しました。これはインフレターゲット導入への方針転換なのでしょうか。
インフレターゲットと言っても、内容が米国と日本とでは全然違います。バーナンキが言っているのは、「物価は金融政策でコントロールできる。中央銀行は物価目標を設定し、中央銀行の責任においてこれを実現する」ということです。実現できなかったら自分たちの責任だとハッキリ言い切っているんですね。
対して日銀はどうか。「インフレ率1%の目標」ではなく「中長期的な物価安定の目途が1%」だと言っているのです。目標ではなく目途なので、正確に言えばインフレターゲットではない。インフレ目途、インメドです。これでは、「自分たちで物価はコントロールできません、だから目標は作りません。うまくいかなくても私たちは責任を取りません」と言っているようなものです。
でも海外向けのリリースには、<Price Stability Goal>と、「Goal」という単語を使っている。外向けには「目標」だと言って、日本は変わったとアピールしている。その一方で内向きには「目途」だと言っている。典型的なゴマカシですね。本気で物価調整に乗り出す覚悟がまったく見えません。
リスクをかけて目標達成を目指すFRBと、最初から責任逃れをしている日銀と、どちらが信用できるかといえば明白です。むしろ前者の立場が、世界の中央銀行の基本的姿勢だと言えます。
日銀の「インメド」はたいしたことないが、それでも10兆円増やしたので、理論通り為替は円安になった。なぜもっと早くやらなかったのか。そうすれば円高倒産のいくつかは防げたでしょうに。
***

―結局、日銀は、デフレを止められない、止める気がないということでしょうか。
これまで、日銀はこれまでも「ジャブジャブにマネーを流通させてきた」と言っていますが、実際のところインフレ率は上昇させるまでにやっていません。
図1は、米国の個人消費資質の物価指数(PCEPI)と日本の生鮮食品を除いた消費者物価指数(CPI)それぞれの推移を比較したものです。
日銀は実は「インフレ率0~2%を維持する」と内々で定めていたのですが、1998年の新日銀法施行以来、半期の数値で0~2%の幅に収まった確率はわずかに約15%、マイナスだった確率が80%を超えているのです。一般的にはインフレ率0~2%というのは非常に低い数値で、先進国においては達成率60%以上は十分可能です。15%という成績では話になりません。一方、FRBはインフレ率1~3%の枠を想定していますが、この範囲に収まった確率は同じ時期で約73%。いかに日銀が経済のメカニズムがわかっておらず、実行力もないのかは明らかです。
日銀は日本の中ではエリートとして見られているかもしれませんが、世界の中央銀行の中で言えば劣等生なんです。それでいて、過去自分が言ったことを誤りだと認めたくないから、いつまでも思い切った対策を行えず、間違い続けるのです。

出典: 米国PCEPIは米商務省、日本CPIは総務省
消費税増税の真の理由は
財務省の天下り先確保!?
―一方、消費税を是が非でも導入したいと考えているのが財務省です。なぜここまで、消費税増税に固執するのでしょうか。
もし日銀に指示して大量のお金を市場に回せば、為替が円安方向に動き、輸出企業の収益が増え、法人税収が上がる。これは小泉・安倍政権で実証済みです。でもそうなると、消費税増税ができないから行わない。まったくナンセンスですが、それが財務省の思惑です。それほどまでに、消費税増税を最優先目標に据えています。
理由は簡単。消費税増税を達成すれば、財務官僚の利権が増えるからです。
増税するということは、税率が上がるということです。税率が上がる時、すべてが一律で上がるとは限りません。例外品目、例外項目というものが設けられることがあります。もし、あなたが商品の売り手であったら、「自分が売っている商品だけは、増税対象から除外してほしい」と思うのではないでしょうか。販売価格が高くなれば、当然売れ行きが悪くなるのですから。
しかしそこに、利権が生まれるのです。
実際に消費税が引き上げられることに備え、露骨に軽減税率(ある品目に適用される特別に低い税率)を求めている業界があります。たとえば、新聞です。「税制改正要求」というものを持ってきて、欧州での例などを引き合いに出しながら「消費税が上がっても新聞の税率を上げないでくれ」と言ってくるわけです。
このように各種業界団体が個別に、財務省に陳情にやってくる。財務省は業界団体からの要求を受け入れる代わりに、業界団体に財務官僚を天下りさせる。こうして、財務省は権益を拡大していきたいというわけです。





国民負担率めぐる財務省の魂胆 都合の悪い「消費増税」は後回し
2014.02.20 ZAKZAK
連載:「日本」の解き方
 財務省が「国民負担率」の推計を公表した。この数字自体は毎年公表されるものであるが、2014年度は過去最高の41・6%になる。また、財政赤字を含めた「潜在的な国民負担率」は、13年度の52・2%から0・3%低下した51・9%となった。

 財務省としては、14年度の国民負担率は過去最高であるが、潜在的な国民負担率は財政赤字が減ったので、13年度より低くなって、財政再建の一歩になったと言いたいのだろう。

 ただし、財務省の発表文をみると、ちょっとセコい。14年度に国民負担率が上がる理由として、「厚生年金等の保険料率の引き上げや高齢化等に伴い社会保障負担率が若干増加することや、景気回復、消費税率引き上げ等」と書かれている。

 ただし、保険料の引き上げや社会保障負担率の増加は、大きな理由ではない。これは財務省の公表した資料で、国民負担率の増加1%ポイントのうち社会保障負担は0・1%ポイントでしかない。残りは租税負担である。つまり消費税増税であるが、理由の最後に触れているだけだ。

 こうした理由の順番は、大きいものから書くのが常識だろうが、財務省の場合には、都合の悪いものは後回しになるようだ。

 さらにいうと、「潜在的な国民負担率」という概念も、やや怪しい。財政赤字を加えるのは一つの考え方であると思うが、財務省の場合には、そこに恣意(しい)的な操作を加えている。一時的な特殊要因を除いた数値として財政赤字をとらえているのだ。

 財政赤字そのものは、フローの数字であるので、会計操作により一時的に増減させることができるが、特別会計からの一般会計への繰り入れを選別的に除くのはどうであろうか。

 特別会計へのつけ回しは、かなり頻繁に行われているが、それらを網羅的に調整するのであれば、理解できなくもないが、特定年次における特別会計からの繰り入れ(いわゆる埋蔵金処理)を除いて赤字をかさ上げするのは問題なしとはいえない。むしろ、毎年度の会計操作の影響が表れにくいストックベースの数字で比較すべきだろう。

 また、先進国間での潜在的な国民負担の比較をしているが、財政赤字のベースが日本と欧州で異なっており、まともな国際比較とはいいがたい。

 国民負担率の国際比較は、比較基準も統一されており、それなりに有用なデータである。それによれば、日本の国民負担率はОECD33カ国中7位の低さである。財務省は、国際的にみても国民負担率が低いのだから、もっと高めてもいいという魂胆だ。

 ただ、日本より高い数字の26カ国中23カ国は欧州の国で、日本より低い数字の6カ国中、欧州の国は1つしかない。非欧州の国の中で見れば、日本の国民負担率は決して低いとはいいがたい。

 マスコミは資料を渡されても、ろくに見ないで記事を書くのかもしれないが、この程度は資料に書かれていることだ。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)



ひつこい洗脳の謳歌・・・