時給1000円1日8時間のバイトを週5でやるよりも生活保護なのか!?『生活保護3兆円の衝撃』
5月28日11時00分
提供:エキサイトレビュー
『生活保護3兆円の衝撃』。3兆円を1億3千万人で割った数字もすごいが、昨今の増え方とその原因が問題視されている。
「今の生活保護制度は、いったん受給してしまうと、そこから抜け出すインセンティブ(動機)がまったくない制度となっている。そこが一番の問題です」
社会保障論を専門とする鈴木亘教授からこの言葉を聞いて、NHK取材班は共感したという。それまでの取材で彼らも繰り返しそれを感じていたからだ。
近年受給者が急増し、不正受給も多いとされ、問題視されている生活保護。それについてNHK取材班はずっと、取材してきた成果をまとめ、何度も番組にしてきた。2012年現在その集大成番組ともなった『生活保護3兆円の衝撃』が、書籍化された。
生活保護は年間3兆3000億円支給され、増加中。大阪では18人に1人が受給しているなど、その多さも問題になっている。受給者は医療費や年金も免除される。受給者の医療費は3兆円の中の半分くらいを占めている。運営の厳しい病院が、受給者に本当は必要ない薬を処方しまくって儲けるような問題も多い。
また、貧困ビジネス業者が、ホームレスを集めて役所に連れて行って生活保護を受けさせ、彼らを業者のアパートに契約させ、相場よりも高い家賃で生活させたり、病院で処方させた不要な睡眠導入剤や向精神薬を転売したり、ダークな話は尽きない。
だがそれは一部。本書は冷静だ。
受給者本人の所得があるのに隠していたり、そういう不正は当然許されない。しかし現在の受給者200万人以上のことを考えると不正を調べる職員給与だけでも相当な額になる。なにより、一部の不正を正すために、本当に必要な人が受給できないようでは福祉の意味がない。2009年までの生活保護問題はそういう、「不正との戦い」だけで済んでいた。
だが、リーマンショックの影響で急増した生活困難者を支えるために、「生活保護を受けられる基準」が実質変化したことによって、生活保護の状況は一変したという。
理屈はこうだ。
リーマンショック後、派遣切りや工場閉鎖などで失職した人が急増した。2008年末、厚生労働省前の日比谷公園「年越し派遣村」のことを覚えている人も多いだろう。本来失業者は雇用保険の給付などで生活しながら次の仕事を探す、というシステムになっているが、給付日数が終わるまでに次の仕事が見つからなかったり、そもそも保険をもらえる条件を満たせない人が多かった。
20年以上働いていても、失業すれば150日しか雇用保険の給付は行われない。10年未満だと90日。3か月でなんとかしないといけない。もらえない場合、貯金だとか世話してくれる人がなければ、すぐに生活できなくなる。
こういう人たちが生活していくために、緊急で生活保護の基準を「働けるけど仕事が見つからなくてお金もなくて困ってる人」もオッケーということにしたのだ。
本書ではさまざまな理由で生活保護を受けることになった受給者に取材しているが、やはり「働けるけど働けない受給者」の問題は深刻だということが理解できる。
失業者を支えるいくつかのセーフティーネットはあるが、その網目が、どれも新しい時代の失業者を受け止めることができていない。失業者を生活保護でしか受け止められなくなっており、生活保護は失業者のためにデザインされたものではなかったので、失業者が元の生活に戻ることを阻害してしまっているのだ。
時給1000円、1日8時間のバイトを週5でやっても、年金やら税金を払うと生活保護のほうが多くなったりする。役所もハローワークも、職員は大勢の失業者を受け持っていて、細かいチェックや手厚い就労支援までは手が回らない(そもそも就労支援のデザインとかも疑問が多いもので、職業訓練などの成果も極めて低い)。
そしてそのうち働く意欲そのものがなくなってしまう受給者が少なくないという。それは受給者への取材の印象でもそうだし、本書中にデータでも出されいる。念のため書いておくが、多くの受給者は、働く意欲を持っていて、だけど失業中の生活をなんとかする手段が他にないので生活保護を選んだ。だけど持っていた意欲が下がるような要素がそこにあるのだ。
そうした新しい問題に加え、もらうべきなのにもらえない人、相変わらず悪さをしているやつ、いろんな問題が残っていて、それぞれの問題が次々にマスコミで報じられる。すると人々はどの問題がどの程度の大きさで、何がどういう条件で「不正」なのかとか、よく解らないままごちゃごちゃになり、「とにかく生活保護はやばいらしい」という問題意識になっていく。
社会問題が世間一般に認知される過程で、最初はそういう混乱がつきものなのかもしれない。だけど生活保護の場合、世間の認識は放置できない。誤った知識やイメージで受給者が非難され、必要なのに受給しにくい状況が生まれてしまっては、命の危険がある。
また、年金を払っていなかったり何らかの理由で年金支給額が少ない高齢者はみんな受給者になるのかどうか、外国からの居住者が増えたらどうなるのか、新たな疑問も湧いてくる。
本書『生活保護3兆円の衝撃』では生活保護制度の経緯、受給者の事例、役所で働く人への取材、専門家の考え、そういったものが一通り読める。一般の人向けに書かれており、読みやすい。
(香山哲)
生活保護費:支給水準引き下げを検討 小宮山厚労相
毎日新聞 2012年05月25日 21時17分(最終更新 05月25日 23時41分)
小宮山洋子厚生労働相は25日の衆院社会保障と税の一体改革特別委員会で、生活保護費の支給水準引き下げを検討する考えを示した。また、生活保護受給者の親族らが受給者を扶養できる場合、親族らに保護費の返還を求める考えも示した。
生活保護をめぐっては、人気お笑いコンビ、「次長課長」の河本準一さんが同日の記者会見で、自分の母親の受給について「適切でなかった」と謝罪した。生活保護受給者は209万人(今年2月時点)と過去最多を更新し続けているが、親族の扶養義務が徹底されていない点も一因とされており、永岡桂子氏(自民)が小宮山氏の見解をただした。
厚労相の諮問機関、社会保障審議会は現在、生活保護費の支給水準を検証中。都市部では保護費の方が基礎年金より高く、自民党は「生活保護の給付水準の10%引き下げ」を掲げている。保護費カットへの対応について小宮山氏は「御党の提案も参考にしながら検討したい」と述べた。 また、受給者の親族に一定の所得などがある場合について「一般的には、高額収入があり十分扶養できるのに仕送りしないケースは制度の信頼を失う」と批判し、「明らかに扶養可能と思われる場合は家庭裁判所への調停手続きを積極活用する」と語った。【坂口裕彦】
河本責められても仕方ないが…個人批判は選挙近しの“点数稼ぎ”?
2012.5.28 07:22 [甘口辛口]
先週末のテレビではお笑いコンビ「次長課長」の河本準一の顔が、いやというほど流れていた。母親の生活保護受給問題で、虚偽申告など不正はなかったものの一定の高収入を得るようになった後も受給が続いた。同様のケースは掃いて捨てるほどあるだろう。河本は人気芸人ゆえに、1人袋だたきにされた感じだ。
良識が欠けていたのは確かで、責められても仕方ない。ただ河本の肩を持つつもりはないが、5~6年前から福祉事務所とも相談していたという。子が親をほったらかしにして、孤独死させる悲惨なケースも耳にする。親子の絆が弱まったいま、福祉事務所と相談しただけでもましな方だろう。
この問題は女性週刊誌で匿名報道され、片山さつき参院議員がブログで実名批判した。「不正受給の抜け道を許さない」という姿勢はわかるが、国会議員とはいえ個人名を出すのは行き過ぎではないのか。いったん名前が出てしまったら、ことの本質の議論を抜きに雪崩を打って河本に批判が集中するのは当然だ。
生活保護費は今年度で年間3兆7000億円が見込まれ、東京都のケースで親子3人家族が保護を受けた場合、住宅扶助と合わせ約24万円が支給されるとか。不正受給も増え続け、22年度は約128億円にも達した。月額6万5000円の国民年金生活者から見れば「バカバカしくてやってられない」と思えるだろう。
片山発言は生活保護の実態に目を向けさせたが、元々政治が悪いからこうなったのではないか。不正受給が増えたのは自民党政権時代からという。失政を棚に上げ“飛んで火に入る…”とばかりの個人批判は、選挙近しの“点数稼ぎ”と指摘されても仕方ない。(サンケイスポーツ・今村忠)
河本準一、生活保護受給問題で「甘かった」
(東京都)
母親の生活保護受給が社会問題化しているお笑いコンビ「次長課長」の河本準一(37)が25日、東京都内で会見を行った。 「吉本興業」法務本部長・渡辺宙志弁護士らと共に、グレーのスーツ姿で会見会場に姿を見せた河本は、表情をこわばらせ、「今回の騒動で、ご迷惑をおかけしました。申し訳ございませんでした」と謝罪。十数秒にわたり、頭を下げた。 受給のいきさつについて「母親が生活保護を受給していたのは事実でございます。生活保護を受給した時期は、芸人として全く仕事がない時期で、その頃、母親が病気を患いましてドクターストップがかかり、受給することを自分で決めてきました」と、言葉を選びながら説明した。 河本の記憶によると、受給は14~15年前から始まった。その後、数度にわたり、母親が住む岡山の福祉関係者と相談の上、5~6年前から自身もある程度の生活費負担を始めたという。 今年4月、「これ以上、迷惑はかけられない」と母親が申し出、生活保護を打ち切った。 受給自体に不正はなかったという認識を示したが、「テレビに出て、収入がたくさんあるにもかかわらず、生活保護を受けていたという認識の甘さがある」と省み、「お金をきちんとお返しした上で、岡山の行政の方とお話をして、これから地元のために役だっていければ」と、受給した金額をきちんと返金することを明かした。ただし、具体的な金額については言及を避けた。 受給が社会問題化したことについては、「福祉の人と相談していたので、何か問題があるか想像もできませんでした。今になると、むちゃくちゃ甘い考えだったと反省しております」と再度、頭を下げた。「もっと自分がしっかりしていれば、母親に嫌な思いをさせることもなかったでしょうし、税金を負担してくださっている皆様に大変申し訳なく思っております。自分の仕事が不安定というだけで、甘くなってしまった自分がすごく情けなく感じる」と、時折声を震わせながら反省の弁を述べた。
[ 5/26 4:31 NEWS24]
生活保護も不正も増、自治体調査に限界
2012.5.26 01:13 産経
人気お笑いコンビ「次長課長」の河本(こうもと)準一さん(37)の母親が今年4月まで受給していたことでクローズアップされた生活保護制度は、生活困窮者に対し、最低限度の生活を保障する“最後のセーフティーネット”といえる。高齢化や不況を背景に受給者数が過去最多を更新し続ける一方で、不正受給も増加の一途をたどっている。
厚生労働省によると、今年2月に全国で生活保護を受給した人は209万7401人。戦後の混乱の余波で過去最多だった昭和26年度の数字を昨年7月に上回って以降、8カ月連続で最多を更新している。平成24年度は生活保護費として約3兆7232億円が当初予算に計上された。
不正受給も22年度までの5年間、増加し続けている。22年度は過去最悪の2万5355件、計約128億7426万円が不正に支給された。
不正で最も多いのは収入がありながら「ない」と偽って申告するケース。今月18日には年収が1億円以上あるのに熊本市から生活保護を受けていた投資勧誘業の男が熊本地裁で懲役3年、執行猶予5年、罰金3000万円の判決を言い渡された。
不正が絶えない背景には扶養義務を親族がどこまで負えるかについての判断や確認が難しいこともある。
生活保護は原則として世帯単位で決定されるため、河本さんと別居する母親は、別世帯として判断される。民法では親族間の扶養義務が定められ、保護が申請されると、保護決定を行う自治体が親や子供など扶養義務者による仕送りの可否などの調査を実施する。
ただ調査への回答は自己申告で、離れて住んでいる親族には文書で調査を行うことも多い。申請者親族の資産調査は可能だが、調査で照会を受ける親族らには法律上の回答義務はなく、銀行などに個別に確認するにはとても手が足りない。
河本さんは会見で「収入が安定せず、いつ仕事がなくなってもおかしくない不安の中でやっていた」と説明し、自分の判断で母親への援助額を決め、その一方で生活保護を受けさせ続けていたと説明した。
東京都のある自治体の担当者は「立派な家に住んでいる親族に『住宅ローンがあるから』『子供の教育にお金がかかる』と断られたこともあった」と話す。
厚労省の担当者は「収入が不安定でも、その時点で扶養可能な収入があるのに扶養いただけない場合は、文書だけでなく職員が出向き状況を確認して相談する必要がある」としている。
■生活保護 最低限度の生活を保障し自立を助ける制度。国が定める最低生活費に比べ収入が少ない世帯に差額分を支給する。食費や光熱費に充てられる「生活扶助」、家賃に当たる「住宅扶助」などがある。費用は国が4分の3、地方自治体が4分の1を負担するが、自治体、家族構成、年齢により保護を受けられる基準額は違う。例えば、東京23区に住む夫33歳、妻29歳、子供4歳の家族が保護を受けた場合、生活扶助は17万2170円。民間住宅を借りる場合は、さらに上限6万9800円の住宅扶助が出る。
209万人・・・・
生活保護費として約3兆7232億円が当初予算に計上なんて・・
最近の内閣府の発表はなんだか・・
GDP、就職率とも上昇だって・・??

