ルンバ最新モデル「几帳面な人々 想定して開発」
ナンシー・デュソールト・スミス
米マサチューセッツ州生まれ。メリマックカレッジ卒業後、2001年アイロボット社入社。広報ディレクターやマーケティングディレクターなどを経て、2009年から現職。趣味は野球観戦で、地元チームであるボストン・レッドソックスのファン(写真は高梨義之撮影)
時間になると、ホコリを吸い込みながら床面を自在に動き回り、充電場所にも戻ってくる。そんな手間要らずで常識破りな掃除機「ルンバ」が世に出て早9年。
これまでに世界約50か国で500万台以上売れているという、ロボット掃除機の代名詞的存在だ。10月7日に最新モデル「700シリーズ」が出るのを機に来日した、アイロボット社広報担当副社長、ナンシー・デュソールト・スミス氏に新商品の魅力や、今後の展開などを聞いた。
――6代目で4年ぶりのモデルチェンジ。改良に際してどこに力点を置きましたか?
スミス 改良時にまず注目したのは、汚れを探知する機能です。これまでは、音でゴミを感知するだけだったのが、新たに光センサーを搭載して、より細かなゴミを見つけることが出来るようになりました。エアフィルターの性能もはるかに向上し、吸い込んだ空気よりも排気のほうがクリーンといえるほどです。
また、本体周辺のバンパーをすっきりさせ、一部の機種でタッチパネルを導入するなど、外観にもこだわり、おしゃれにしました。ダスト容器がいっぱいになると、ランプで知らせてくれる「ゴミフルサイン」をつけたのも大きな特徴です。
――どのようなユーザー像を念頭におきましたか?
スミス・アイロボット社広報担当副社長=高梨義之撮影
スミス 国やマーケットごとにユーザー像は少しずつ違うのですが、今回は全体的に、「マティキュラス・テッキー」な人々を想定して開発しました。この言葉は「几帳面な技術オタク」といった意味で、テクノロジーを駆使してピカピカの家をなんとか維持しようという人たちです。こういう人たちは、部屋の状態に自己が投影されている、と感じるほどキレイ好きで、家の美しさに誇りを持っています。そういう人であれば、喜んでこのロボットを毎日使ってくれるだろうと思いました。
――もともと、地雷除去や惑星探査用のロボットを作っていた会社です。掃除機を作ったきっかけは?
スミス 十数年前、2人のエンジニアが、コリン・アングルCEOに「掃除機ロボットのアイデアがある。開発資金を提供してほしい」と相談したのがきっかけです。しょっちゅう家を掃除するのにうんざりしていたので、ロボットに掃除をさせることを思いついたのです。アングルCEOも「いいアイデアだ」とすぐにOKしました。その後、玩具メーカーや清掃会社とともに開発を進め、安価な生産方法や販売方法について知恵を出し合いました。そしてルンバは当社にとって初めての、消費者向け商品となりました。
消費者の期待受け「吸い込み式」に
――開発で特に苦労した点は?
スミス 部屋の隅をうまく掃除する方法や、部屋を満遍なく掃除する方法など、大きな問題に何度も直面してきましたが、そうした技能上の問題とは別に、消費者の期待とのギャップをどう埋めるか、というのも大変な問題でした。
例えば、ルンバは当初、ゴミを吸い込むということはまったく想定しておらず、底面に布をつけて、床を拭き掃除するロボットとして作るつもりでした。プロトタイプもそのように作りました。しかし、モニターの方たちからは「こういうものを買ったからには、通常の掃除機と同様に、吸い込むことを期待してしまう」という声が多くあがったため、様々なテストを重ねて、吸い込み機能を取り付けて商品化しました。
――国内の掃除機市場全体に占めるロボット掃除機の割合は約3%と聞いていますが、今後このシェアをどのように伸ばしていきますか?
スミス ロボット掃除機の市場シェアは、国ごとに異なっており、スペインでは掃除機全体の4分の1を占めるほど普及しています。私どもは、ロボット掃除機を投入してからの期間が長いほど、浸透が早く進む、という経験則を持っています。日本でも発売してから8年たっているので、浸透するスピードもだんだん速くなると思います。
現在、具体的なシェア目標はありませんが(日本総代理店の)セールス・オンデマンド社の力を借りて、売り上げを高めていきたい。ただ、同時に思っているのは、かっこいいとかおもちゃ感覚ではなく、本当に気に入ってくれる方に使ってほしい、ということです。
――10月に日本のメーカーからも競合品が発売されます。
スミス 複雑な感情があります。競争するのはいいことだという考えもありますが、どうせ参入してくれるならば、きちっとしたテクノロジーをもったライバルに入ってきてほしい、という思いがあります。
いいライバルであれば、ロボット掃除機というカテゴリー全体の人気度が上がり、多くの人たちが関心を持ってくれるという期待感もあります。しかし、競合製品の質がよくないと、「ロボット掃除機はみんなだめだ」と思われてしまいかねません。日本メーカーの製品より、ルンバの方が優れていると確信しています。
――今後作りたいロボットは?
プロトタイプ未来型ロボット「AVA」。介護やホームセキュリティーなどの分野で活用が検討されている
スミス ロボット掃除機だけの会社で安住するつもりはありません。今後も、いろんな分野に積極的に挑戦していきたいと思っております。
現在、物をつかむ機能を持ったロボットや、未来型ロボット「AVA(エイバ)」の開発に力を入れています。エイバは、介護サポートやホームセキュリティーなど、様々な用途に使える可能性を秘めていますが、どのアプリケーションと組み合わせるか思案しているところです。エキサイティングな機能を維持しつつ、価格を消費者の手に届くものにしたいので、販売にはまだまだ時間がかかると思います。
当社にとってロボットは、SFの世界のものではなく、現実的な問題を解決するものであってほしいと考えています。また、それだけの力を持っていると信じています。
(読売新聞 内堀哲也)
アイロボット社
1990年、マサチューセッツ工科大学で人工知能の研究をしていた、コリン・アングルCEOら3人の科学者により創立される。「Dull(退屈な)、Dirty(汚い)、Dangerous(危険な)の3Dから、人々を解放する」をモットーに、人命救助や地雷除去、海洋調査など、様々な用途のロボットを生産している。東日本大震災で被災した福島第一原発の内部調査では、同社の「パックボット」が使われた。
(2011年10月9日 読売新聞)

東芝、ルンバのライバルとなる家庭用掃除ロボット「スマーボ」を発表
by Serkan Toto on 2011年8月26日
日本からルンバのライバルが登場してきた。東芝が新しい掃除ロボットをアナウンスしたのだ。呼び名は「スマーボ(Smarbo)」で、「スマートロボットクリーナー」を縮めたものだ。アメリカ版掃除ロボット同様に、スマーボも主に家庭用での利用を想定している。
東芝は、このスマーボになかなか興味深い機能を組み込んでいる。たとえば2つのCPU(詳細な用途は不明)、カメラ、そして38個のセンサー(加速度センサー、距離検知センサー、ジャイロセンサー等)を搭載している。東芝によれば100平方メートルを90分で掃除することができ、その際の電気代は約2円($0.03)であるとしている。
東日本大震災で被災した福島第一原発の内部調査では、
同社の「パックボット」が活躍しましたね・・
うちでは、ねこが3匹もいるんで、2台あるロボット掃除機は、
とても重宝しています。
便利な時代ですね・・そして・・
新しい時代の予感ですかねーー!!
【ITmedia Virtual EXPO2011】 アイロボット社CEO インタビュー ダイジェスト
