ギリシャの景気後退が深刻化、赤字削減目標は達成困難
2011年 10月 4日 08:08 JST
[アテネ 3日 ロイター] ギリシャが3日公表した2012年予算案で、ギリシャ経済は来年にかけてもマイナス成長が続くとの見通しが示され、財政赤字の削減や債務危機の克服に向け、困難な道のりが続くことは必至の情勢となった。
ギリシャ政府が国際通貨基金(IMF)などとの協議の後に議会に提出した予算案では、2011年の国内総生産(GDP)成長率をマイナス5.5%、2012年はマイナス2.5%になると見込んでいる。
これは最近公表されたIMFの見通しとほぼ一致しているが、7月に第2次ギリシャ支援策が決定された際は、2012年の成長率がプラス0.6%になると想定しており、その時点から大幅に悪化している。
ギリシャ政府は、財政赤字の削減幅もIMFなどと合意した目標を達成できないことを認めており、予算案では、2011年の財政赤字が対GDP比で8.5%に達するとの見通しを示した、これはIMFや欧州連合(EU)と合意した7.6%を大幅に上回る水準だ。
ベニゼロス財務相は、予算案はプライマリーバランス(基礎的財政収支)黒字化に向けた重要な一歩とし、「2009年に240億ユーロの赤字だったプライマリーバランスは、2012年に32億ユーロの黒字となる」と述べた。
しかし、同財務相は、新たに導入した不動産税など緊縮財政策が国民に受け入れられない場合には、2011年の財政赤字が対GDP比で9%に達する可能性もあると警告した。
また、予算案では、2012年の公的債務は対国内総生産(GDP)比で172.7%となり、今年の推定161.8%から拡大すると見込んでいる。
2011年の失業率は15.2%、来年は16.4%に上昇すると予想している。ギリシャでは特に若者の失業が問題となっており、若者の失業率は平均の倍以上に達している。
[東京 26日 ロイター] きょうの東京株式市場で、日経平均は続落が見込まれている。欧州債務問題に対する不透明感が引き続き重しとみられ、序盤は売りが先行する見通し。3連休中の欧米株の下落を受けて主力株が売られやすいという。
一方、9月中間期末を前に配当権利取りやドレッシング買い期待などが下支えするといい、売り一巡後は下げ渋る展開が想定されている。日経平均は心理的節目である8500円水準での攻防が指摘されている。
日経平均の予想レンジは8450円―8550円。
ユーロ圏が危機の震源、状況はリーマン時より不透明=ECB総裁
[ワシントン 23日 ロイター] 欧州中央銀行(ECB)のトリシェ総裁は23日、ブレトンウッズ委員会で演説し、ユーロ圏がより広範囲に及ぶソブリン債危機の震源であるとの認識を示した。
債務問題を抱える国をめぐる金融市場の不安はユーロ圏に集中しているが、問題は実際より広範囲に及んでいると指摘し、「われわれは世界的なソブリンリスクの危機に直面しており、ユーロ圏がこの世界的危機の震源だ」と述べた。
また、主要国の国債はデフォルト(債務不履行)しないという確信がもはや市場に存在しないため、現在の状況はリーマン・ブラザーズの破たんを受けて世界経済が悪化した2008年終わりごろよりも予測が困難との見方を示した。
欧州銀、ギリシャなどが国債ヘアカット求めれば資本不足に=アナリスト
[ロンドン 23日 ロイター] ギリシャが債券保有者に50%のヘアカット(元本削減)を求め、イタリアやアイルランドも同様の要請をした場合、欧州銀は多額の資本不足に直面する、とアナリストはみている。
野村のアナリストはギリシャのデフォルト(債務不履行)で欧州銀がこうむる損失を400億ユーロ(540億ドル)と試算しており、欧州銀はギリシャのデフォルト(債務不履行)には恐らく持ちこたえることができるが、市場の懸念はその後、より規模の大きい国に向かうことになる。
イグニス・アセット・マネジメントのクレジット部門責任者クリス・ボウイ氏は「ソブリン・デフォルトがなければ(銀行の)資本は全く問題ない。しかし、ソブリン・デフォルトが発生するか、デフォルトせずとも保有国債の時価への切り下げを強いられた場合、資本に問題が生じる」と述べた。
ギリシャ国内2紙は23日、ベニゼロス財務相が秩序だったデフォルトに向け債券の50%ヘアカットの可能性に言及したと報じた。同国政府は報道を否定し、ユーロ圏との7月合意の実行に引き続き注力していると表明したが、仏当局者が欧州銀のうち15─20行は増資が必要との見解を示したこともあり、市場の懸念は根強い。
仏金融市場監督庁(AMF)のジャンピエール・ジュイエ長官はラジオで「欧州では銀行資本に確かに問題がある」と述べ、「欧州には増資が必要な銀行が15─20行ある」と指摘した。増資を必要とする仏銀はあるかとの質問に対しては「現時点ではない」と答えた。
銀行の資本不足の大きさをめぐっては見解が分かれている。一部銀行アナリストの見方は国際通貨基金(IMF)よりも悲観的で、クレディ・スイスは2012年までに4000億ユーロの増資が必要になる可能性があるとみている。
バークレイズ・キャピタルは、ギリシャ、アイルランド、イタリア、ポルトガル、スペイン各国の国債について50%のヘアカットを強いられた場合、資本バッファーを維持するために2300億ユーロの増資が必要になると試算している。
ある投資銀行関係者は「資本市場の投資家は、資本不足の大きさを数量化できれば株主割当増資などに応じる用意があるだろう」とし、「投資家は、資金を出すのであれば、3カ月後に再び資本を増強する事態に陥らないという確信を求めている」と語った。
他人事では、ないんです・・