コンサルって専門家なの? | 東京リーシングと土地活用戦記

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コンサルって専門家なの?

コンサルタントになりたい!

PRESIDENT BOOKS

専門性さえ磨けばプロのコンサルタントとして成功すると思っている人、多すぎます!

$東京・リーシングと土地活用のビジネス戦記


スカイライト コンサルティング代表取締役 羽物俊樹

職業として、コンサルタントを志す者は多い。だが、その多くは「専門性を磨くこと」に注力しすぎて、プロフェッショナルとして真に大切なものに気がついていないようだ。
 数多くのコンサルタントを育成してきた筆者が、その誤解を正す。

「コンサルタント=専門家」?

羽物俊樹氏

「コンサルタントはプロフェッショナルであり、プロフェッショナルとは専門家である」

こういう主張を何度も聞いたことがあります。

「一流のコンサルタントになるために、経験を積み、専門知識を身につけます」

コンサルタントを目指す若者に質問すると、自身のキャリアアップについて、こんな答えが返ってきます。いくら勉強ができても、こういう考え方をしていると、コンサルタントとしての成長には、すぐに限界がきます。なぜか? 誤解しているのです。その誤解が成長を阻害します。

「専門性を磨くことこそが、コンサルタントとして成功の道である」という誤解です。

この誤解を今回は正していきましょう。

プロフェッショナルとは何か?

議論の入り口として、まず「プロフェッショナルとは何か」について考えてみましょう。

プロというと、みなさんはどんなイメージを持ちますか?

プロ野球選手やサッカー選手などのプロスポーツ選手。

プロ棋士や芸術家、職人さんのように一芸に秀でた人。

弁護士は法律のプロ。会計士は企業会計のプロ。

そうです。同じように、経営コンサルタントは経営のプロ。ITコンサルタントはITのプロ。そんな風に見られているでしょう。ここで使われている「プロ」という言葉には、「専門家」「その道を極めていこうとしている人」という意味合いが含まれています。プロ野球選手は、野球道を極める専門家をイメージしています。「弁護士は法律のプロ」というとき、私たちは「弁護士は法律の専門家」というのとほぼ同じ意味で使っているでしょう。ですが、この専門信仰に落とし穴が潜んでいます。次のような事例を考えてみましょう。

こんな人ってプロと言えますか?

Aさんは中堅企業の営業本部長を務めています。あるとき、社長から呼び出されると、経営コンサルタントのBさんを紹介され、こう言われました。

「Aくん。わが社もCRMなるものを導入することにした。Bさんはその道のプロ。プロにお願いしたから、協力するように」

Aさんは、常々自社の営業が属人的になっており、何とかしたいと思っていました。そこで、快く社長の指示に従い、Bさんに協力することにしました。AさんとBさんの打ち合わせの日。Bさんは会議室に入るやいなや、分厚い資料をAさんに手渡し、自信満々にこう切り出しました。

「Aさん、私はもうわかっています。何せ100社以上の営業コンサルティング経験がありますから。御社の問題は聞くまでもありません。いいですか。私の言うとおりにしてください。これは社長の意思です。ABCを導入して営業マンのコストを徹底的に見直す。BSCの観点から営業マンのKPIを再設定する。あとは顧客データベースを整備して、CRMシステムを導入すれば、絶対に営業は良くなります」

Aさんが面食らっていると、Bさんは構わず続けました。

「もうね、この資料は絶対のマニュアルなんですよ。100社以上の経験に基づいている。あなたは、これどおりに進めさえすればいいんです」

せっかく問題意識を持って打ち合わせに臨んだAさんでしたが、このコンサルタントには返す言葉がありませんでした。

専門性が高ければ良いというものではない

少し極端かもしれませんが、この事例のようなことは、実際にあります。経営トップに取り入ったコンサルタントが、現場の状況を無視して理想論を並べ立てる……。さて、この経営コンサルタントのBさん。専門性は高いでしょうか、低いでしょうか? 経営手法の知識の高低で言うと、とても高いですね。知識は豊富で、事例もたくさん知っています。

でも、AさんはBさんと話した結果、とっても困ってしまいました。このあと営業改革はうまくいくでしょうか? 営業本部長のAさんの協力なくして、うまくいくわけがありません。専門性の高いBさんですが、営業改革プロジェクトは大失敗しそうです。コンサルタントとして失格の烙印を押されてしまうかもしれません。

あれ? おかしいですね。専門性だけ高くても、コンサルタントとして評価されないということは、「コンサルタント=専門家」という考えと矛盾しませんか?

「クライアントを持つ」のがプロフェッショナル

実は、プロ野球選手やプロ棋士などのプロと、コンサルタントや弁護士や会計士などのプロとは大きな違いがあります。それは、「クライアントを持つかどうか」ということです。

コンサルタントなどのプロは、クライアントを持ちます。クライアントは高い料金を払ってプロを雇うわけですから、自分の役に立つのかどうかが、一番重要になります。つまりプロは、「クライアントのために」という価値基準を最優先させなければならないのです。専門性を発揮したかどうかは二の次なのです。

Aさんの例に戻ると、経営コンサルタントのBさんは自分の専門知識をひけらかしただけ。専門性が全く役に立っていません。「クライアントのために」という採点基準で見ると、ゼロ点です。こんなコンサルタントは要りません。

では、どういうコンサルタントが良いコンサルタントなのでしょうか?

相手の話を聞き、洞察力を発揮すること

まず、クライアントの話を良く聞くこと。これには共感的に聞くことが求められます。日頃感じている問題点を十分に聞きだすことが必要なのです。

次に、クライアントの話をインプットにして、さまざまな視点から分析し深く洞察すること。そして、とりうる方策について、親身になって相談に乗り、さらにスムーズに実行に移せるように、関係者(ステークホルダー)との協力の仕方や段取りをアドバイスすること。

こういうふるまいが、良いコンサルタントには求められます。つまり、コンサルタントは自身の専門性だけではアドバイスできないことになります。相手の話を共感的に聞くスキル、ビジネスの基本的な常識、置かれている状況から対応方法を考えるための洞察力、相手への伝え方を工夫するための心理学など、多面的な能力が必要なのです。

経営手法をたくさん知っているだけでは、良いアドバイスはできません。業界のことを良く知っているからといって、経営コンサルタントとはいえません。最新のテクノロジーを知っているからといって、それだけではITコンサルタントとして評価されません。

もちろん、専門性が要らないと言っているのではありません。専門性は必要です。ただ、専門性と同じく、コンサルタント/プロフェッショナルとしての汎用的なスキルも必要ということなのです。専門性に加え、プロとして必要な汎用的なスキル、つまり、共感的に聞く力、洞察する力、大局的な思考力などを総動員して、クライアントのためになることをするのです。そうすることによって、クライアントからの信頼を得られ、継続した関係が築ける。こういうことなのです。

いかがでしょう?キャリアアップするために、専門性を磨くことばかりに力を入れている方。ムダとは言いませんが、少しだけ考え方を変えてみませんか?


参考文献-----------

『選ばれるプロフェッショナル』
 ジャグディス・N・シース、アンドリュー・ソーベル著、羽物俊樹訳、英治出版

http://www.skylight.co.jp/topics/books.html

カスタマーレビュー
選ばれるプロフェッショナル ― クライアントが本当に求めていること

より高次元の判断を提示できるプロフェッショナルになるために持つべき7つの特質について解説。その7つとは以下のものだ。

1 無私と自立:献身的でありながら中立性を保つ
2 共感力:隠れたサインに気づく
3 ディープ・ジェネラリスト:広く、深い知識を身につける
4 統合力:大局的に思考する
5 判断力:健全な意思決定を行う
6 信念:自分の価値観を知り、強く信じる
7 誠実さ:ゆるぎない信頼を築く

従属でもなく、よそよそしくもない、
鈍感でもなく、同一視もしない、
浅薄でもなく、専門バカでもない、
偏狭でもなく、一般論でもない、
麻痺でもなく、衝動的でもない、
不安感でもなく、自信過剰でもない、
不正直でもなく、頑固でもない

そんな理想のバランスをもっている人をこれでもかと紹介してくれている本である。




参考に、なるね・・